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チュニジアでは10年前、市民の大規模なデモによって独裁的な政権が倒れ、中東に広がった民主化運動「アラブの春」のきっかけとなりました。

しかし新型コロナウイルスの感染拡大を巡って政府に対する抗議デモが広がる中、サイード大統領は25日「いまチュニジアは最も危険な状況にある」としてメシシ首相の解任と議会の停止を発表しました。

大統領が憲法にのっとって、一時的に行政の権限を行使すると説明しています。

これに対して議会の勢力は、議長が「憲法に対するクーデターだ」と非難し、抗議デモの実施を呼びかけるなど「アラブの春」から続く民主化の動きに逆行するものだとして強く反発しています。

一方で、国民の間には独裁政権が倒れたあとも汚職のまん延や経済の低迷が続いてきたことへの不満も根強く、首都チュニスでは、議会を停止した大統領への支持を表明しようと街頭に繰り出す人々も見られ「アラブの春」の唯一の成功例とも言われるチュニジアで、政治の混乱が深まっています。

これについて、チュニジア民主化の動きを支持してきたトルコの外務省は26日、「深く憂慮している」とする声明を発表しました。

この中でトルコ外務省は「国民の意思を示す議会の活動が停止されたことを深く憂慮している」と懸念を示したうえで、「模範的な成功を収めた民主化を維持することはチュニジアだけでなく、この地域にとっても極めて重要なことだ」として、「アラブの春」の唯一の成功例とも言われるチュニジアの動向を注視していく姿勢を示しています。

トルコのエルドアン大統領はイスラム教の価値観を重視し、チュニジア議会第1党のイスラム政党「ナハダ党」と良好な関係を維持してきました。

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