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気象庁によりますと、7日午後10時41分ごろ、千葉県北西部を震源とするマグニチュード5.9の地震が発生しました。

この地震
▽震度5強の強い揺れを東京 足立区と埼玉県川口市と宮代町で観測しました。

また
震度5弱を東京都内では大田区と町田市で
埼玉県ではさいたま市緑区加須市鴻巣市草加市蕨市久喜市八潮市三郷市幸手市吉川市
千葉県では千葉市中央区船橋市松戸市流山市
神奈川県では横浜市鶴見区 神奈川区 中区 港北区 緑区、それに川崎市川崎区で
観測しました。

また
▽震度4の揺れを関東の各地と山梨県静岡県
▽震度3から1の揺れを関東甲信越と近畿、東海、北陸それに東北の各地で
観測しました。

気象庁の観測によりますと、震源地は千葉県北西部で震源の深さは75キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.9と推定されています。この地震による津波はありませんでした。

気象庁によりますと、今回の地震で高層ビルなどがゆっくりと大きく揺れる「長周期地震動」が発生し、東京23区と千葉県北西部で4段階のうち下から2番目の階級「2」を観測しました。これらの地域の高層ビルの高層階などでは物につかまらないと歩くことが難しく、棚にある食器類や本棚の本が落ちることがあるなど、大きな揺れになった可能性があるということです。

気象庁は、今後1週間程度、特に2、3日は今回と同程度の強い揺れを伴う地震に注意し、倒れやすい家具を固定するなど対策をとるよう呼びかけています。また、揺れの強かった地域では落石や崖崩れの危険性が高まっている可能性があるので注意してください。

気象庁によりますと、埼玉県と東京23区で震度5強以上の揺れを観測したのは2011年3月11日に東日本大震災を引き起こしたマグニチュード9.0の巨大地震以来です。この時、東京都内では23区を含む各地で5強の揺れを観測しました。

また、埼玉県では宮代町で震度6弱の揺れを観測したほか、県内各地で震度5強の揺れを観測しました。

今回の地震について防災科学技術研究所の平田直参与は「今回、地震が起きた地域はふだんから地震活動の多い地域だ。このあとも地震が続く可能性もあり、今後1週間程度は同じ程度の揺れを伴う地震に注意が必要だ」と指摘しています。

そのうえで「今は夜で周囲の状況がわかりにくいので注意が必要だ。火の元を確認するほか、今後の地震に備えて寝る場所にものが落ちてこないかなども確認してほしい」と呼びかけています。

東京大学地震研究所の古村孝志教授は「今回の震源付近はふだんから地震活動が活発なエリアで、震源の深さやメカニズムから見ると太平洋プレートの内部か太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で起きた地震ではないか」と指摘しています。

また、古村教授によりますと、今回の地震震源の位置や揺れの強さは16年前の2005年7月に千葉県北西部を震源として発生したマグニチュード6.0の地震にかなり似ているということです。この2005年の地震の際には東京 足立区で震度5強の揺れを観測したほか、関東南部で震度5弱の揺れを観測しました。国土交通省の当時のまとめによりますと、足立区で震度が特に大きくなった理由は川沿いにあり地盤が柔らかいためとみられるということです。

また、国土交通省内閣府によりますと、この時の地震ではエレベーターの閉じ込めが相次ぎました。東京や埼玉県、千葉県、それに神奈川県でエレベーターの閉じ込めが合わせて78件発生したということで、消防が出動し、救助が完了するまでの時間は最大でおよそ3時間だったということです。

また、安全装置が作動したエレベーターについては運転再開には担当者が一つ一つ安全を確認する必要があることなどから、復旧が翌日までかかったところもありました。

ライフラインでは関東を中心に6000戸以上で停電が発生したほか、千葉県では断水が発生した地域もあったということです。

気象庁や専門家などによりますと、今回の地震で震度5強や5弱の強い揺れを観測した地域では建物の中や周辺で被害が起きている可能性があります。すでに暗い時間帯で周囲の状況がわかりにくくなっています。寝る前には家具が倒れてこないかなど寝室の安全を改めて確認してください。無理はせず片づけは明るくなってから行うなど安全に気をつけてください。

地震活動は続いており、再び強い揺れに見舞われる可能性もあります。震度5強程度の強い揺れでは棚にある食器や本などが落ちるほか、固定していない家具が倒れることがあります。寝ている時に大きな揺れにおそわれても大丈夫か改めて確認してください。具体的には家具の転倒や重いものの落下に注意が必要で、倒れやすい物が出入り口の付近にないかも確認が必要です。

また、すぐに避難できるように夜は移動する時に履くスリッパや靴、停電に備えて懐中電灯、非常用持ち出し袋などを枕元に置いて休むようにしてください。

震度5強の揺れを観測した埼玉県宮代町を管轄する杉戸警察署の担当者は「ドーンと縦に揺れるような感じがありました。物が落ちたりするようなことはありませんでした」と話していました。

また、宮代町役場の職員は「下から突き上げるような大きな縦揺れが10秒から15秒ほど続いたあと弱い縦揺れがしばらく続いた。庁舎内ではラックが倒れたり本が散らばったりしました」と話していました。
震度5強の揺れを観測した埼玉県川口市川口市消防局の職員によりますと、1分ほど長い横揺れが続いたということです。物が落ちるなどの被害はなかったということです。

また、川口警察署によりますと、地震発生当初、突き上げるような揺れがあったということです。警察署内では物が落ちるようなことはなかったということです。

今回の地震について、気象庁の束田進也 地震津波監視課長は午前0時50分から記者会見を開き「揺れの強かった地域では落石や崖崩れなどの危険性が高まっているので今後の地震活動に十分注意してほしい。また、都市部で発生した地震でエレベーターの停止、コンクリートの落下などにも注意が必要だ。今後、1週間程度は最大震度5強程度の揺れを起こす地震に注意してほしい」と呼びかけました。

そして「今後の地震に備えて倒れやすい家具を固定するなどしばらくの間は用心してほしい。ものが倒れてきて寝ている間に下敷きになってしまうような場所では休まないようにしてほしい」と述べました。

今回の地震のメカニズムについて「岩盤が東西から圧縮されて起きた『逆断層型』と呼ばれる地震で、さらに精査する必要があるが現時点ではフィリピン海プレートと太平洋プレートの境界付近で起きた地震ではないかと考えている」と述べました。

そのうえで「今回の地震が本震なのかより大きな地震の前震なのかなどは、全体の地震活動が終わらないとわからない。ただ、過去の地震の評価から今後1週間程度、特に2~3日の間は今回と同じ程度の強い揺れを伴う地震に注意してほしい」と話しています。

今回の地震と国が想定する「首都直下地震」との関係について気象庁は「今回の地震は想定されている首都直下地震より深い地震で規模も小さかった」と説明しています。

「首都直下地震」は政府の地震調査委員会が今後30年以内に70%の確率で発生すると推計しているマグニチュード7クラスの大地震です。内閣府の想定によりますと、東京が最大震度7の激しい揺れに襲われるなど関東南部で甚大な被害が発生し、最悪の場合、死者はおよそ2万3000人にのぼると想定されています。

気象庁によりますと
▽今回の地震マグニチュード5.9と推定され、最大震度が5強だったのに対し
▽首都直下地震マグニチュード7クラスで最大震度が7と想定され、一回り規模が小さくなっています。

今回の地震と首都直下地震との関係について気象庁の束田地震津波監視課長は「想定されている首都直下地震はもう少し浅くて大きな地震で、今回はそれより深い地震で規模も少し小さかったというふうに考えている」と述べました。

気象庁の束田地震津波監視課長は「今回の地震で千葉県北西部と東京23区では長周期地震動階級『2』を観測した。これらの地域の高層ビルの高層階などでは物につかまらないと歩くことが難しく、棚にある食器類や本棚の本が落ちることがあるなど大きな揺れになった可能性がある」と述べました。

また、束田地震津波監視課長は、今回の地震震源の近くでは16年前の2005年7月23日にも同じような規模の地震が起きていると説明しました。

それによりますと
▽この2005年の地震震源の深さが73キロ、地震の規模を示すマグニチュードが6.0だったのに対し
▽今回の地震震源の深さが75キロ、マグニチュードは5.9で
2つの地震は発生場所や規模がよく似ているということです。

束田課長は「この地域は比較的地震が多く起こっている場所で同じ程度の地震が同じような場所で起きたと考えてよいと思う。ただ、2つの地震についての関係性については現時点で言えることはない」と述べました。

今回の地震について、気象庁の束田地震津波監視課長は8日未明の記者会見で「今回の地震で千葉県北西部と東京23区では長周期地震動 階級『2』を観測した」と話しました。

気象庁のホームページによりますと、長周期地震動は、大きな地震で生じる、周期(揺れが1往復するのにかかる時間)が長い大きな揺れのことです。

長周期地震動により、高層ビルは大きく長時間揺れ続けることがあります。

また、長周期地震動は遠くまで伝わりやすい性質があり、 地震が発生した場所から数100キロ離れたところでも大きく長く揺れることがあります。

長周期地震動による大きな揺れにより、家具類が倒れたり、落ちたりする危険に加え、大きく移動したりする危険があります。

今回の地震について気象庁の束田地震津波監視課長は、「今回の地震で千葉県北西部と東京23区では長周期地震動 階級『2』を観測した。これらの地域の高層ビルの高層階などでは物につかまらないと歩くことが難しく、棚にある食器類や本棚の本が落ちることがあるなど大きな揺れになった可能性がある」と述べました。

今回の地震で、国土交通省は駅前にタクシーを待つ人の列ができていることを確認し、8日未明に「全国ハイヤー・タクシー連合会」などを通じて東京や千葉県、神奈川県、埼玉県のタクシー事業者に対し、駅にタクシーをできるだけ配車するよう要請しました。

事業者も対応を急いだものの、東京ハイヤー・タクシー協会によりますと、非番の運転手を手配し台数を増やすのは難しい上に、新型コロナウイルスの影響で夜間の人手が少なく、タクシーの稼働台数はコロナ禍の前と比べて7割程度と慢性的に台数に限りがある状態で、要請に迅速に対応するのは難しかったということです。

都内の大手のタクシー会社でも地震により帰宅できない人からの予約が相次ぎ、当時稼働していたタクシーおよそ4500台が8日午前3時ごろまで空車がなくなる状態で、8日朝までの24時間の配車件数は通常の1.5倍となるおよそ3万件に上ったということです。

予約の電話が入っても手配できる空車がなく断ったケースも相次いだということで、担当者は「乗務員は利用者を自宅に送り届けて休むことなくまた迎えに行くことの繰り返しで大変だったと思う」と話していました。

JR東日本によりますと、今回の地震により多くの路線で運転の見合わせが続く中、電車に乗っていた人や駅で電車を待っていた人たちが電車内や駅の構内で待機していた一方、駅前などにいた帰宅困難者を駅の構内に受け入れる対応は取らなかったということです。

理由については、私鉄が運転を再開していたことや、順番待ちの列はできていたもののタクシーが利用できる状態だったこと、運転見合わせが翌日も長時間続く状況ではなかったことなどから、駅前に帰宅困難者があふれるような状態にはならないと判断したからだとしています。

また、国土交通省鉄道局によりますと、帰宅困難者が一時的に駅に避難できるようにする場合は、鉄道事業者だけの判断ではなく自治体からの要請に基づいて行っているということで、今回の地震で東京都は鉄道各社に対し駅を避難場所にするよう要請しなかったということです。

今回の地震で首都圏の鉄道各線が運転を見合わせたあと、東京都心では、共同で利用する自転車「シェアサイクル」を使う人が急増しました。
「シェアサイクル」は自治体や企業などが都市部や観光地を中心に設置している、有料、または無料で誰でも使うことのできる共有の自転車です。

全国でシェアサイクルのサービスを展開する「ドコモ・バイクシェア」によりますと、7日夜、東京と埼玉で震度5強の揺れを観測した地震が起きたあと、東京の千代田区や港区、中央区などの都心部にある「ポート」と呼ばれる自転車の設置場所で利用者が急増したということです。

今回の地震で東京都は帰宅困難者が多く出ていた港区と足立区に対して、公共交通機関が動くまでの間体を休めてもらうため「一時滞在施設」を開設するよう求めました。

このうち、電車が止まったJR品川駅で行き場のない人が多く出ていた東京・港区には、午前2時すぎに東京都からの要請がありました。

港区では帰宅困難者への対応のため、区の施設のほか民間の施設も「一時滞在施設」として借りられるよう65の事業者と協定を結んでいます。

しかし協定では、協力を要請できるのは原則として営業時間帯に限るとされていて、深夜に電話しても連絡は取れなかったということです。

「一時滞在施設」として指定している区の施設は品川駅の近くになかったため、都とも相談しながら利用できる施設を探しました。

その結果、駅から700メートルほど離れた区の福祉会館を開放することにしましたが、開設できたのは午前3時25分、地震の発生から5時間近くがたっていました。

品川駅に職員が出向いて拡声器を使って「施設が利用できるようになった」と呼びかけましたが、利用した人は7人にとどまったということです。


東京と埼玉県で震度5強の強い揺れを観測した7日夜の地震
鉄道の運休で多くの帰宅困難者が出ただけではなく、エレベーターは7万5000台余りが停止して、いまだに復旧していないところもでてきています。
このほか、首都圏の合わせて29か所で水道管の破損による漏水の被害が見つかるなど、日常生活にも大きな影響を与えました。

国土交通省によりますと、7日夜の地震で首都圏を中心に7万5738台のエレベーターが停止し、このうちエレベーターに閉じ込められたケースが東京都や神奈川県、千葉県、埼玉県で合わせて28件あったということです。

閉じ込められた人たちはいずれもすでに消防などによって救出されていて、けが人はいないということです。

多くのエレベーターは安全に停止した後、再開させるために技術者による点検が必要です。

技術者は現場に出向いてエレベーターを動かすためのロープやおもりに異常がないかなどを確認したうえ試運転をするということです。

しかし、ビルの階数が高いほど試運転での確認に長い時間が必要となり、技術者は階段を使うため作業のための移動にも時間がかかります。

このため建物によってはエレベーターの復旧作業には時間がかかるということです。

厚生労働省によりますと、8日午後5時時点で首都圏の合わせて29か所で水道管の破損による漏水の被害が見つかっています。

場所は
▽東京23区が合わせて23か所
▽埼玉県三郷市が3か所
▽埼玉県川口市が2か所
▽千葉県市原市が1か所で
三郷市以外ではすでに修理が完了したということです。

三郷市でもすでに1か所の修理が終わり、残る2か所も8日中に完了する見通しだとしています。

断水被害の報告はないということです。

このほか、医療機関社会福祉施設の被害の報告は入っていないということです。

地震の揺れと被害の関係性に詳しい京都大学防災研究所の境有紀教授は、防災科学技術研究所が関東各地に設置している地震計の波形を分析しました。

その結果、1秒以下の短い周期の揺れが目立ち、住宅などの構造物が倒れるような被害が出やすい1秒から2秒の周期の揺れは小さかったことが分かりました。

震度5弱を観測した千葉市や東京・葛飾区ではいずれも0.5秒程度の短い周期の揺れが目立っています。

今回の地震では水道管などで被害が相次いでいますが、1秒以下の周期の揺れは人が感じやすく、水道管などの機械設備のほか、家具や屋根瓦、ブロック塀などに被害が出やすくなるということです。

境教授は、「都市部では水道管などの構造物の密度が高いため、被害が大きくなりやすく、結果的に被害が出てしまったと考えられる」としています。

また、今回は震源からやや離れた東京・足立区や埼玉県川口市で揺れが大きくなりました。
これについて境教授は、震源の深さと地盤の影響を指摘しています。

境教授は「今回の地震震源が深いところで発生したため、より広範囲に揺れが伝わり、表層地盤が軟らかく地盤のあまりよくないところで揺れが増幅されたと考えられる。具体的には川沿いの地域やかつて川だったところ、それに埋立地は表層地盤が柔らかく揺れやすい。地盤の状況は研究機関が公開していて、自分の住まいの揺れやすさをあらかじめ認識して対策に役立ててもらいたい」としています。

さらに境教授は、想定される「首都直下地震」は今回より地震の規模が一回り大きく、最大震度7の揺れが想定されているため、今回の地震も機に対策を進めてほしいと指摘します。

境教授は「想定される『首都直下地震』のマグニチュードは7クラスで今回と比べ、規模は30倍以上となる。震源も浅いところで起きると想定されていて、いざ発生すれば今回とは比べ物にならない被害になると考えられ、建物の倒壊など、命に関わる被害が出るおそれがある。この機会に対策を進めてほしい」と話していました。

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