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アフガニスタン南部の都市カンダハルにあるイスラムシーア派のモスクで15日、大きな爆発があり、地元の病院はNHKの取材に対し、これまでに36人が死亡し、およそ70人がけがをしたとしています。モスクでは当時、金曜日の礼拝が行われていたということです。

この爆発について、過激派組織ISはインターネット上に声明を投稿し、「2人の戦士が、モスクで、自爆ベストを爆発させ数十人を死傷させた。背教者を攻撃するという指導者の誓いを実行した」などとして、イスラムスンニ派のISの戦闘員が、敵視するシーア派の住民をねらった自爆攻撃だと主張しました。

またISとつながりのある「アマーク通信」は攻撃の実行犯だとしてISの旗の前で武器を持つ2人の男の写真を投稿しました。

アフガニスタンでは先週も、北部クンドゥズのシーア派のモスクで起きたISによる自爆テロで40人以上が死亡していて、ことし8月にイスラム主義勢力タリバンが再び権力を握ってから、対立するISがテロや攻撃を繰り返しています。

アフガニスタンでは、海外にある政府の資産が凍結されるなどして現金が不足しているため、多くの人が給料を受け取れないうえ、仕事を失った人も多く、経済状況が極端に悪化しています。

さらに、ことしの干ばつの影響に加えて、再び権力を握ったタリバンの統治の行方を見極めようという各国の人道支援も滞り、食料不足が深刻化しています。

WFP=世界食糧計画によりますと、アフガニスタン国内で毎日の食事を十分にとれない人は、ことし8月のタリバン復権の前でも80%いましたが、その数はタリバンが権力を握ったあと急増して、現在は、国民の95%に上るということです。

中でも子どもたちの食料不足は深刻だということで、WFPは、年末までに5歳未満の子どもたちのおよそ半数が急性の栄養失調となり、少なくとも100万人が命を落とす危険性があると警告しています。

WFPが人道支援に必要な資金は、年末までに1億ドル(日本円でおよそ110億円)が足りないということで、各国に対し緊急の支援を呼びかけています。

アフガニスタンでは、戦闘やテロなどで親を失った子どもたちが数多くいますが、経済の悪化の影響は、そうした孤児たちが命をつなぐ食事にも及んでいます。

首都カブールにある施設では25年余りにわたり、親を失った子どもたちなどに簡単な読み書きを教えたり、温かい食事を提供したりしてきました。

毎日この施設に通うアリシュ・シャハユムさん(13)は5年前、アフガニスタン政府軍の兵士だった父親がタリバンとの戦闘で亡くなりました。

母親と2人の弟を養うため、路上でプラスチックの袋を売る毎日ですが、一日の稼ぎは400円足らずほどしかありません。

学校にはこれまで一度も通ったことがないといいます。日々、厳しい生活を送るアリシュさんにとって、施設で提供される温かい食事がいちばんの楽しみだといいます。

この日出されたのはごはんと豆の煮込みで、アリシュさんは「ここの食事はおいしいです。一日のうちで食事と呼べるのは、このランチしかありません」と話していました。

しかし、タリバン復権以降、アフガニスタンの経済が危機的な状況となり、施設では子どもたちに食事を提供できなくなるおそれが出ています。

これまでNGOを通じて施設を支援してきたアメリカやヨーロッパ各国はタリバンの統治の行方を見極めようと、援助を見合わせました。

その後、各国は今月になって国連を通じた人道支援への資金の拠出を表明しましたが、まだ施設への援助は届いていません。

もともと施設の予算が限られ、肉などの高価な食材は使えませんでしたが、物価の高騰もあって十分な食材を調達することができず、保存していた米や豆を使った料理で何とかしのいでいるといいます。

施設の担当者は「支援金が届かず困難に直面しています。いつになったら資金が調達できるのか、いつまで子どもたちへの支援が続けられるのか分かりませんが、最善を尽くしたいです」と話していました。

食事を終えたアリシュさんは「施設は僕にとって家のようなものです。もし行けなくなったら食事も食べられなくなり、どうしたらよいか分かりません」と不安な様子で話していました。

WFP=世界食糧計画は、アフガニスタン国内に小麦や豆といった食料や、栄養補助食品などの支援物資を届けています。

NHKのインタビューに応えたアフガニスタン事務所のメアリー・エレン・マクグロアーティ代表は、現在のアフガニスタンの食料不足について「200万人以上の子どもたちが栄養失調の危機にあり、信じられない割合に増えています。これが本当の危機です。目の前で状況がみるみる悪化しています」と話し、強い危機感を表しました。

そして「最も苦しむのは子どもと女性です。彼らは食べることもできず、体を温めることもできないのです」と訴えました。

支援が必要な人が増える中、WFPは今、深刻な資金不足に直面していて、冬が近づく中、状況の悪化に懸念を強めています。

冬になると特に北部の山岳地帯では、支援物資を運ぶルートが雪に覆われて通行できなくなるため、今のうちに物資を調達する必要がありますが、資金不足で確保できず、食料などを届けられないおそれがあるということです。

マクグロアーティ代表は「年末までに1400万人に支援を行いたいので、緊急にあと1億ドルが必要です。私たちは家族や子どもの平和やよりよい暮らしを願いますが、それはアフガニスタンの人も一緒です。世界のどこに住んでいても、私たちは同じ人間なのだということを忘れないでほしい」と訴えました。

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#南アジア

WFPは「世界食料デー」の10月16日に合わせ、気候変動の食料問題への影響に関して緊急の呼びかけを発表しました。

それによりますと、世界の幅広い地域が気候変動の影響による食料危機に直面していて、このうちアフリカの島国マダガスカルでは干ばつの影響で110万人近くが深刻な飢餓状態に陥っているということです。国の南部では6割以上の人が農業に従事していますが、干ばつのために生計が成り立たない状況だということです。

また紛争の影響を受けている国では「気候変動の影響も相まって社会のぜい弱性が悪化し、被害や破壊が拡大している」としています。

そして、世界の平均気温が産業革命前の水準から2度上昇した場合には、新たに1億8900万人が飢餓に陥ると試算しています。

WFPは「現在、紛争によって何百万人もの人々が飢餓に陥っているが、気候変動は将来、世界の飢餓の主な要因になる可能性がある」として、国際社会に対し緊急の行動を呼びかけました。