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#食事#おやつ#レシピ

食用油大手の「日清オイリオグループ」「J‐オイルミルズ」「昭和産業」の3社は家庭用と業務用の食用油を今月1日の納品分から値上げしました。

このうち家庭用は
▽3社とも1キロ当たり30円以上の値上げです。

また業務用では
▽1キロ当たりで日清オイリオグループとJ‐オイルミルズが30円以上
▽16.5キロの一斗缶では日清オイリオグループ昭和産業が500円以上それぞれ値上げしました。
値上げの理由について各社では主な原料となる大豆や菜種などについて
▽コロナ禍からの経済活動の正常化を受けて中国などが輸入を増やし
▽世界的な脱炭素の動きからバイオ燃料向けの需要も伸びる一方
▽供給面では主な産地の北米の天候不良で生産量が減少していることから、取引価格の高止まりが続いているためなどとしています。

食用油の値上げは各社ともことし4回目で、家庭用で見るとことしだけで1キロ当たり130円から140円以上上昇していて、暮らしに身近な食品の家計への負担が一段と重くなっています。

食用油の原料となる大豆や菜種の国際的な取引価格は、産地の天候不順や海外での需要の増加などを背景にこの1年で大きく値上がりしています。

農林水産省の調べによりますと、穀物取引の国際的な指標となっているシカゴ商品取引所の大豆の先物価格は
▽去年10月には1トン当たり375.1ドルでしたが
▽ことし5月には595.6ドルと、およそ1.6倍に上昇しました。

これは
▽主な産地のアメリカで低温や乾燥による生育や収穫への懸念が出たことに加え
▽新型コロナで落ち込んだ経済活動の正常化に伴う中国などでの需要の拡大が背景にあります。

その後、増産するとの見方が一部で出て供給面の懸念がいくぶん和らいだことなどからやや値を下げたものの、先月の時点で458ドルと高値の水準が続いています。

また菜種の先物価格は指標となっているカナダの市場での1トン当たりの取り引きを円に換算したもので
▽去年9月中旬に4万1200円でしたが
▽ことし5月中旬には8万3600円と2倍以上になりました。

産地の天候不順による収穫量の減少が主な要因で、ことし9月中旬時点でも7万6200円と依然、高止まりしています。

今後の見通しについて農林水産省では「中国などの需要の動向次第で値動きが大きく左右されることから、引き続き注視する必要がある」としています。

日本での食用油の値上がりの背景の1つには、中国が原料の大豆の輸入を増やしていることがあります。

中国では大豆のおよそ8割を輸入に依存しているとされ、主に豚のエサとして使われています。

中国では2018年からブタの伝染病ASF、アフリカ豚熱が流行したことから豚の飼育数が一時、大幅に減りましたが、その後、流行が収まったことでエサの大豆の需要が増加しました。

また伝染病対策として豚の生産業者の大規模化が進められていて、こうした業者が大量の大豆を購入していることも需要の増加につながっていると指摘されています。
中国政府によりますと大豆の輸入量は
▽去年1年間でおよそ1億トンと前の年と比べて13.3%増加したほか
▽ことしは9月まででおよそ7400万トンとほぼ前年並みの高い水準が続いています。

国際的な大豆の先物価格は去年後半から急速に値上がりし最近はいくぶん値下がりしているものの、なお高い水準です。

中国による輸入拡大のほか世界的な脱炭素の流れや原油価格の値上がりを背景にバイオ燃料としての需要も増加していることや、こうした需要に伴う価格上昇を見込んで投資マネーが流入していることが価格の高止まりにつながっているとみられています。

世界の食料事情に詳しい資源・食糧問題研究所の柴田明夫代表は、世界の大豆の貿易量のうち中国の輸入がおよそ6割を占めるため国際価格に与える影響が大きいと指摘します。

そのうえで輸入増加の背景として「豚肉が『国民食』とも言える中国で伝染病によって豚肉の価格が高騰し、物価が上がったことで国民の不満が高まった。このため中国では供給を安定させるため豚の伝染病対策として養豚業の近代化や大規模化が進められているが、これまで多かった零細の養豚業者は食料の残りかすをエサに使っていたのに対して、大規模業者は良質な穀物を安定的に必要としている」と話しています。

また食用油の原料の値上がりのほかの要因として「大豆はバイオ燃料としての需要も増加しているほか、世界的な金融緩和の中で行き場のない投機マネーが価格上昇を見込んで穀物市場に流入したことも影響している。キャノーラ油は原料の菜種の主要な産地であるカナダの干ばつで生産が減少したほか、パーム油の産地の東南アジアでは感染拡大の影響で外国人労働者が確保できないことなどが供給不足につながっている」と話し、複合的な要因が重なっているため今後も価格の高止まりは続くのではないかとしています。

大手食品メーカーの「キッコーマン」は、大豆などの価格の上昇を受け、来年2月に、しょうゆと豆乳を値上げすることを決めました。およそ14年ぶりの値上げとなります。

発表によりますと、キッコーマンは、子会社が製造しているしょうゆ製品全体の9割以上の品目と、すべての豆乳を対象に来年2月16日の納品分から値上げに踏み切ります。

値上げの幅はいずれも希望小売価格で、
▽しょうゆが、およそ4%から10%
▽豆乳が、およそ5%から6%で、
しょうゆと豆乳の値上げは2008年以来、およそ14年ぶりです。

理由について、会社では、原材料の大豆や小麦の取り引き価格が上昇していることに加え、原油高の影響などで物流費が上がり、自社の企業努力だけでコストを吸収できなくなったためとしています。

大豆や小麦の価格の上昇をめぐっては、大手食用油メーカー3社が、今月、ことし4回目となる食用油の値上げに踏み切ったほか、製粉大手3社も、来年1月上旬から家庭用小麦粉の価格の引き上げを決めていて、暮らしに身近な食料品の値上げが相次いでいます。