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イングランド銀行は3日、前日まで開いた定例会合の結果、0.25%だった政策金利を0.5%に引き上げることを決めたと発表しました。

利上げは去年12月の会合に続いて2回連続です。

今回の会合では9人の委員全員が利上げを支持し、このうち4人はより大きい0.75%への引き上げを主張して、利上げの幅で意見が割れる異例の展開となりました。

さらに量的緩和策によって市場から買い入れてきた国債などの資産を圧縮する「量的引き締め」も進めることを決めました。

背景にあるのがインフレの加速です。

イギリスではエネルギー価格の高騰や経済活動の再開に伴って去年12月の消費者物価指数が前の年と同じ月と比べて5.4%上昇し、およそ30年ぶりの高い水準となっています。

イングランド銀行は、ことし4月には物価の上昇率が7%を超えると見込んでいて、急激なインフレの抑制を目指して金融の引き締めを一段と強めることになりました。

世界ではアメリカのFRB連邦準備制度理事会も来月の会合で利上げを決める見通しになっていて、各国の中央銀行がインフレへの対応を迫られています。

イングランド銀行(英中央銀行)は3日、金融政策委員9人のうち5人の賛成多数で政策金利を0.25%から0.50%に引き上げると決定した。インフレ高進が懸念されるなか、4人は0.50%ポイントの利上げを主張した。

中銀は、12月は5.4%だった消費者物価指数(CPI)上昇率について、4月に7.25%でピークを付けるとの見通しを示した。

議事録で中銀は「現在の労働市場のタイト度合いと国内コスト・物価圧力の高まりが持続していることからみて、政策委員会の全委員は今回の利上げは妥当と判断した」と指摘した。

中銀は8950億ポンドの資産買い入れの縮小開始も決定した。

0.25%の利上げはベイリー総裁、ブロードベント副総裁、カンリフ副総裁、チーフエコノミストのピル委員、テンレイロ外部委員の多数で決定。物価圧力の高まりを認識する一方で、世界的にエネルギーなどの物価が低下することにより慎重な中銀の想定以上にインフレが鈍化することも考慮。また0.25%以上の利上げが借り入れコスト見通しに「大幅に影響」し、インフレが目標を下回る可能性に警戒感を示した。

一方でラムスデン副総裁のほか外部委員のソーンダーズ委員、ハスケル委員、マン委員は0.5%の利上げに投票。「最近の賃金の伸びとインフレ期待が一段と根付くリスクを縮小し、当面のインフレを持続的に目標に回帰させるため、今回は金融引き締めの度合いを高める必要がある」との見解を示した。

英中銀は昨年12月、新型コロナウイルス感染拡大以降、主要中銀としては初めての利上げに踏み切り、政策金利を0.1%から0.25%に引き上げた。英中銀が2回連続で利上げを実施するのは2004年以来初めてとなる。

ベイリー総裁は、多くの家計が収入を圧迫されていることから、インフレ高進と成長鈍化の間にはトレードオフがあるはずであり、投資家は英中銀が長期にわたる連続した利上げに着手したと考えるべきではないと述べた。

会見では「政策委員会は、経済がおおむね2月の見通しの中心的シナリオに沿って推移すれば、今後数カ月間に金融政策のさらなる緩やかな引き締めが適切となる可能性が高いと判断している。ただ、今回の決定から単純に推測を導き、金利が長期間にわたって上昇するのが必然だと考えるのは誤りだろう」と述べた。

中銀は、3年後のインフレ率は目標を下回る1.6%程度になるとの予測を示している。

ベイリー総裁は記者団に対し「今回の利上げは、経済が活況を呈しているために決定したものではない」とし、「利上げを行わなければ、インフレ率は目標水準に戻らない」と指摘。英国は、生活費の増大につながる経済的な衝撃の「極端な例」に直面していると述べた。

<量的引き締め>

中銀は量的引き締め(QT)も決定、資産買い入れ(量的緩和)の縮小を開始する。保有する国債が満期を迎える3月から開始、279億ポンドを再投資しないとした。今後2022─23年で700億ポンドも再投資しないという。また政策金利が1%に達した時点で売却も検討する計画を改めて示した。

200億ポンドの社債買い入れも来年末までにゼロとする方針を明らかにした。

この決定を受け、ポンドは一時、1月20日以来の高値である1.36ドル超に上昇。対ユーロでも2年ぶりの高値を付けた。英国債は売られ、10年債利回りは2019年1月以来の高水準に上昇した。

英中銀の今回の決定について、ラボバンク金利戦略部門責任者、リチャード・マグワイア氏は、供給面の問題を需要への対応策で解決しようとしていると指摘。英国商業会議所の経済部門責任者、スレン・シル氏は、金融政策委員9人のうち4人がより大きな幅での利上げを提案したことは、中銀が「長期にわたる大幅な金融引き締め」に向けて動いていることを示しているとの見方を示した。

今回の決定を受け、政策金利は年末までに1.5%に引き上げられるとの見方が市場で出ている。

イングランド銀行(英中央銀行)は政策金利を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げ、0.5%とした。7%を超えると見込むインフレ率を視野に、金融政策委員会(MPC)メンバー9人のうち4人は50bp利上げを主張した。

  今後数カ月の緩やかな追加引き締めが必要だとの点では全員が一致した。ポンドと英国債利回りは上昇。短期金融市場は追加利上げ見通しを前倒しし、政策金利が5月までに1%に達することを織り込んだ。

  中銀はまた、過去10年の量的緩和(QE)の下で積み上げた8950億ポンド(約140兆円)の保有資産について縮小を開始。保有国債の満期償還金の再投資を直ちに停止する。これは2025年までに2000億ポンド余りの圧縮につながる。200億ポンド規模の社債は23年末までに全額放出する。

ベイリー英中銀総裁、金利の緩やかな動き支持-衝撃は望まず

  ベイリー総裁は3日、政策判断発表後の記者会見で「輸入インフレの一部が国内経済に定着し、高インフレが長期にわたって続くリスクに直面している」と語った。

  今回の政策判断でMPCは、中銀の予想に沿って経済が展開する場合、「今後数カ月にさらなる緩やかな引き締めが適切となる公算が大きい」と説明した。

  MPCはインフレ見通しを引き上げ、4月に7.25%でピークを付けると予想。これまでは6%前後がピークとみていた。

  労働市場の逼迫(ひっぱく)が続いているとの認識も示し、賃金上昇率の予想も大幅に引き上げて今後1年に4.75%に達すると予測した。エネルギー価格の上昇が物価圧力を強め、生活費増大が国内総生産(GDP)の伸びを鈍化させると見込む。

  こうした状況を踏まえ、ラムズデン、ソーンダース、マン、ハスケルの4氏が50bp利上げを主張。ベイリー総裁ら過半数は25bp利上げを支持した。

原題:

BOE Hikes Rates as Four Officials Push for 50-Basis-Point Rise(抜粋)

BOE Hikes Rates as Four Officials Vote for a Bigger Increase (3)(抜粋)

#BOE#金融政策