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ロシア軍は6日も各地で攻勢を続け、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は、中部ビンニツィアの空港をミサイルで攻撃したと発表しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、空港が壊滅的な被害を受けたと明らかにし「ロシア軍は、ウクライナの人々が何世代にもわたって築きあげてきたインフラや生活を破壊し続けている」と訴えました。

国連人権高等弁務官事務所によりますと、ウクライナの各地では砲撃や空爆によってこれまでに少なくとも子ども25人を含む364人の市民が死亡したということです。

市民への被害が広がる中、ロシア軍が攻勢を強める東部の要衝マリウポリでは6日、前日にできなかった双方の合意に基づく住民の避難が始まる予定でした。

しかし、マリウポリ市によりますと、一時停戦は守られず2日連続で避難の試みは実現しませんでした。

ウクライナ側とロシア側はそれぞれが相手が攻撃を行ったと批判していて、避難を支援するICRC=赤十字国際委員会は「マリウポリの人々は恐怖の中で暮らし、安全を切望している」と強い懸念を示しています。

こうした中、ロシアのプーチン大統領は6日、トルコのエルドアン大統領と電話会談を行い、ロシア大統領府によりますと「ウクライナ側が敵対的な行動を止め、ロシア側の要求が満たされた場合にのみ、特別な軍事作戦を停止することが可能だ」と強調したということです。

停戦の条件として、ウクライナの「非軍事化」や「中立化」などの要求を貫く姿勢を改めて示した形で、双方は、停戦に向けた3回目の交渉を7日にも行う見通しですが、事態打開のめどは立っていません。

ロシア軍に包囲されたウクライナ南部のマリウポリで6日、人道回廊による住民避難が再び失敗し、親ロシア派とウクライナの双方が互いを非難した。

赤十字国際委員会(ICRC)は「マリウポリの悲惨な人的被害の中、推定20万人の避難を始める2回目の試みは停止した」と明らかにした。

同市は数日にわたり激しい砲撃を受け、暖房や電力、水道が途絶えた状態で住民が閉じ込められている。

ロシア国防省は5日、マリウポリとヴォルノヴァーハで攻撃を停止して人道回廊を設置し、民間人が避難できるようにすると表明していた。

マリウポリ市当局によると、ロシア軍が砲撃を続けたため、住民は6日に避難を行うことができなかった。5日にも同様の避難計画が砲撃のため見送られていた。

インタファクス通信によると、ドネツク親ロ派政府の関係者は、ウクライナ軍が限定的停戦を守らなかったと非難した。

ICRCは連日の避難失敗について、紛争当事者間の合意が不明確で、機能していないと指摘した。ICRCは双方の対話を支援しているが、停戦の保証役ではないとしている。

ウクライナ当局によると、マリウポリに近いヴォルノヴァーハでは、6日に避難を試みた住民約400人がロシア軍の砲撃に遭った。負傷者が出たかは不明。

d1021.hatenadiary.jp

細谷雄一

池内恵

#研究職

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は6日、ロシアによる軍事侵攻が始まってから10日間に、ウクライナから国外に避難した人の数は150万人以上に上ったと発表しました。UNHCRは「第2次世界大戦以降のヨーロッパで、最も速いペースで増え続けている危機だ」と指摘しています。

このうち、半数を超える88万人以上はポーランドに避難したということです。

このほかハンガリーがおよそ17万人、スロバキアが11万人以上、モルドバが8万人以上などとなっています。

UNHCRは、戦争が直ちに終わらないかぎり、数日以内にさらに数百万人が住まいを追われることになると警告しています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、自身のSNSで、ウクライナの中部にある都市、ビンニツィアにミサイルが撃ち込まれ、空港が壊滅的な被害を受けたと明らかにしました。

そのうえで「ロシア軍は、ウクライナの人々が何世代にもわたって築きあげてきたインフラや生活を破壊し続けている」と訴えました。

さらに「ロシアのミサイル、戦闘機、テロリストからウクライナの空域を守ってほしい。ミサイルや爆撃のない人道的な空域を作ってほしい」と述べて、自国国内の上空を飛行禁止区域に設定するよう改めてNATO北大西洋条約機構に求めました。

首都キエフの中心部から西に20キロほどのところにあるイルピンでも、ロシア軍による攻撃が相次ぎ、多くの住民が避難を始めています。

イルピンでは今月に入ってからロシア軍による住宅街などへの攻撃が相次いでいて、5日にイルピンや周辺の地域を撮影した映像には、暗闇の中、あちこちで炎が上がる様子が確認できます。

また、6日には砲撃を受けた住宅から炎が上がり、近くに住む人たちが急いで避難していました。

相次ぐ攻撃から逃れるため、イルピンでは破壊された橋のすぐ脇を通り、街を離れる人たちの姿が見られるほか、駅には列車に乗ろうと大勢の人たちが詰めかけています。

ウクライナ原子力規制当局は6日、第2の都市ハリコフにある核物質を扱う施設がロシアによる砲撃を受けたと発表し「また核に対するテロを行った」と強く非難しました。

ウクライナ原子力規制当局が砲撃を受けたと発表したのはハリコフの国立物理技術研究所の敷地内にある核物質を扱う施設で、詳しい状況は明らかになっていないものの、少なくとも建物の表面や変電所などに被害が出たとしています。

研究所のホームページによりますと、ここはウクライナ最大の物理研究施設の1つで1928年に設立され、旧ソビエトが崩壊したあとは、原子力分野の政策などに関わっているということです。

また、日本の旧ソ連非核化協力技術事務局によりますと、研究所には旧ソビエト時代に搬入された核物質が保管されているということです。

ウクライナ原子力規制当局は「ロシアがまた核に対するテロを行った」と強く非難しています。

また、ウクライナ内務省は「核物質のある施設への攻撃は大規模な被害につながるおそれがある」と警告しています。

イスラエルのベネット首相は6日、成功の可能性が低くてもイスラエルはロシアとウクライナの仲介を継続すると表明した。

ベネット首相は5日、モスクワでロシアのプーチン大統領と3時間ほど会談した。ベネット氏は、ウクライナのゼレンスキー大統領の要請を受け、ロシアとウクライナの仲介を申し出た。

イスラエル大統領府によると、ベネット氏は週末にゼレンスキー氏と3回会談した。

ベネット氏は内閣向けテレビ演説で「たとえ可能性が低くても、要請があれば支援を続ける」と表明。「あらゆる試みをすることが道徳的義務だと考えている」と語った。

ロシア大統領府によると、ロシアとイスラエルの首脳は6日に再び電話会談を行い「多くの国の首脳らとの最近の接触」について議論した。

ベネット氏はドイツとフランスの首脳らとも協議している。また、イスラエル政府当局者によると、同国のラピド外相は7日にラトビアの首都リガでブリンケン米国務長官と会談する予定。

トルコのエルドアン大統領は6日、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、ウクライナで停戦を宣言して和平合意を結ぶよう促した。

会談は1時間にわたり行われ、トルコ大統領府が発表した声明によると、エルドアン氏はトルコが紛争の平和的解決に貢献する用意があるとプーチン氏に伝えた。

エルドアン氏は「即時停戦によって地域の人道上の懸念が緩和されるだけでなく、政治的解決策を模索する機会も与えられると述べ、和平への道を共に開こうと改めて呼び掛けた」という。

また「停戦を実現して人道回廊を設置し、和平合意に署名するため緊急に対応する重要性も強調」した。

一方、ロシア大統領府によると、プーチン氏はウクライナが抵抗をやめてロシア側の要求を満たした場合のみ、軍事作戦を停止するとし、ウクライナでの「特別作戦」は計画・予定通りに進んでいると述べた。

ロシア中央銀行は6日、米ビザやマスターカードの決済システムを利用する国内銀行発行のクレジットカードが3月9日以降、海外で機能しなくなると発表した。一部の国内銀行は代わりに中国の銀聯ユニオンペイ)の決済システム利用を検討しているという。

中銀によると、ロシアで発行されたマスターカードとビザカードは国内では有効期限まで利用が可能。

海外で利用できなくなるカードには、外国銀行のロシア子会社が発行したものも含まれる。

ビザとマスターカードは5日、ロシアでの事業を停止すると明らかにしていた。

IJFは6日、ホームページを更新し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けてロシアのプーチン大統領が務める連盟の名誉会長などすべての職務を解任すると発表しました。

プーチン大統領は13歳から柔道を始めた有段者で、愛好家として知られていました。

IJFは先月以降、ロシアのカザンで開かれる予定だった国際大会の中止を決定する一方、ロシアの国旗や国歌を使用しない条件で大会への選手の参加を認める発表を行うなど、対応に追われています。

これはブリンケン国務長官が6日、訪問先のモルドバで明らかにしたもので、ポーランドウクライナ軍の兵士が操縦に慣れている旧ソビエト製の戦闘機を提供し、その代わりにアメリカがポーランドに新たな戦闘機を送る枠組みを検討しているとしています。

戦闘機の供与はウクライナのゼレンスキー大統領が、より強力な軍事支援として要請していて、ブリンケン国務長官は「時期については言えないが、とても前向きに検討している」と強調しました。

ただ、ポーランドの首相府は6日、ツイッターウクライナには戦闘機を送らないし空港の使用も認めない」と投稿しているほか、ロシア側は空軍基地の使用などの協力は「軍事衝突の当事者とみなすこともありうる」と警告するなど、緊張が一層高まることにつながりかねないとの懸念も出ています。

一方、ブリンケン国務長官はこの日、CNNテレビに出演し、ロシアが戦争犯罪を犯している証拠があるか問われ「戦争犯罪に値する意図的な市民への攻撃を行っている確度の高い情報がある。しかるべき機関が戦争犯罪が行われたのか調査できるよう、こうした情報を記録し、取りまとめているところだ」と述べ改めてロシアを非難しました。

フランスのマクロン大統領は6日、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、ウクライナでの軍事作戦停止に加え、原子力発電所の保護と安全確保を求めた。仏大統領府の当局者が明らかにした。

会談は2時間近く行われた。プーチン大統領は、ウクライナ原発の安全を確保するため国際原子力機関IAEA)とウクライナ、ロシアの協議に同意する立場を示したという。

仏当局者は、フランスが他のパートナー国と共にロシアに対する追加制裁の選択肢を検討しているとも述べた。

ロシアがウクライナにある欧州最大級のザポロジエ原発を砲撃・制圧したことで、各国の政策担当者や企業は、気候変動対策として原子炉を建設する計画に対してより慎重な態度になるはずだ――。原子力の安全性に関する複数の専門家は4日、こうした見方を示した。

ロシア軍は4日にザポロジエ原発を手中に収めたが、それまでに激戦が展開され、原発の研修施設で大火災が発生。火災は消し止められ、原子炉は問題ないと職員が宣言したものの、原発は戦時の攻撃にもろく、深刻な放射能漏れが起きる危険性があると世界中に警鐘を鳴らす形になった。

米国の非営利団体、「憂慮すべき科学者同盟(UCS)」の原子力安全問題担当ディレクター、エドウィン・ライマン氏は「原発プラントにおいて、自然災害だけでなく人為的な災害からも守る措置を講じる必要性について、もっと深刻に受け止めなければならない」と訴えた。

グリーンフィールド米国連大使は4日の国連緊急特別総会で、ザポロジエ原発への攻撃を「信じられないほど向こう見ずで危険だ」と非難し、ウクライナだけでなくロシアや欧州全土の人々の安全を脅かしていると主張。在ウクライナ米大使館は、ロシアの原発攻撃を「戦争犯罪」と糾弾している。

別の非営利団体、核不拡散政策教育センター(NPEC)のヘンリー・ソコルスキー所長は、ザポロジエ原発攻撃は原子力産業全体に逆風となったと指摘。「ウクライナの原子炉は、直接打撃を受けなかった。(しかし)原子炉が軍事攻撃を受けた場合の脆弱(ぜいじゃく)性を各国が考慮に入れた場合、今後原子力発電そのものが、もっと大きな痛手を被るだろう」と述べた。

<業界は強気>

発電に伴う温室効果ガス排出量が実質的にゼロとなる原発は近年、温暖化に取り組む各国政府にとって推進の動きが加速している。世界原子力協会(WNA)によると、現在建設中の原子炉は58基、計画段階は325基に上る。計画の多くは東欧地域だ。

米政府は昨年11月、ニュースケール・パワーが同社製小型モジュール原子炉(SMR)のプラントを建設することでルーマニアと契約を交わしたと発表。この合意によって「SMR開発の世界的競争で米国の技術が先頭に立つ」ことになると付け加えた。

ニュースケールは先月、ポーランド企業との間でも2029年までにSMRプラントを建設する契約に調印した。発電時に大量の温室効果ガスを排出する石炭への依存脱却を狙うポーランドの取り組みの一環だ。

ニュースケールの広報担当者は、ザポロジエ原発が攻撃された事態について「原子力エネルギープラントの頑健さや十二分な安全性が改めて浮き彫りになった」と述べ、同社の技術はさらに安全性が高いと強調した。

今年1月にはウェスチングハウス・エレクトリックが、ポーランド企業10社による6基の加圧水型原子炉「AP1000」建設に向けて協力する協定に調印した。

また、同社がポーランドのエンジニアリング大手・ラファコとの間で、ウクライナスロベニアチェコ原発プラント建設を模索していくとする覚書も締結している。

ウェスチングハウスの広報担当者は「原子力エネルギーはウクライナや世界中で、安全かつ炭素ゼロの電源となっている」と話した。

原発を支援しているワシントンのシンクタンク、サードウェイは、気候変動問題の深刻化により、世界はたとえリスクがあろうとも、この先数十年のうちに原子力エネルギーを急速に拡大していかなければならないと訴える。

気候変動とエネルギーを担当するシニアバイスプレジデントのジョシュ・フリード氏は「リスクを伴わないエネルギーなどない。(ロシア大統領の)プーチン氏がダムの破壊や原発攻撃で無数の人々を殺害しようと思えば、できたはずだ。だが、原発プラントは信じられないほど安全だというのが現実だ」と言い切った。

米国の業界団体、原子力エネルギー協会(NEI)はロイターに、原子炉は安全だと信じており、ロシアのウクライナ侵攻は欧州が原子力発電能力を拡大する必要性を高める方向にしか作用しないとの見解を表明した。ロシアは現在、欧州の発電所向けの主要な天然ガス供給者だ。

NEIの政策動向・公共問題担当シニアバイスプレジデント、ジョン・コテック氏は「過去数週間の悲劇によって、米国と協力して次世代型原子力エネルギー開発に取り組むことへの関心は、高まる一方になる」と自信をのぞかせた。

ただ、UCSのライマン氏は、新型原子炉が非常に安全で、最低限の防衛措置を講じれば実質的に世界のどこにでも導入できるという業界の説明は「いかにも口先だけの当てにならない話」だと切り捨てた。

ロシア軍について

「三方から地上軍の侵攻が行われているわけですが、北方から最短ルートでキエフを狙っている部隊の進撃が停滞して、そこがある程度うまくいってない部分です。一方、南東部におけるロシアの占領地域は、着実に拡大をしているので、作戦が展開していると言えるかと思います」。

ウクライナ軍について

ウクライナ軍に関する情報が一切流れてきません。例えばロシアの有名な車列などは民間の衛星会社が公開しているものです。もし仮にウクライナ軍がロシア軍を完全に食い止めているのであれば、あんなところに何日も止まっている部隊が無事でいられるはずがない。

ロシア軍も消耗していますけど、ウクライナ軍もそれ以上に消耗しているという情報があるので、その情報を正しいと考えるならば、現在ウクライナ軍は反撃の余力がないと評価せざるを得ない」。

停戦に向けた交渉の見通しは

「いま協議されている、いわゆる人道回廊、つまりその包囲されている都市、攻撃されている都市からの避難する市民の通る場所と時間を決めていくっていうことなんだと思います。ロシアとウクライナの間である程度の合意が成立しそうな論点が、そこしかないので、まず一つのポイントです。

もう一つはロシア側の補給状態によります。(補給状態によっては)ロシアはおそらく攻勢を強めてくるので、そうなると必然的に停戦交渉というものは形式的なものに変わっていくということになろうかと思います。さらに強い圧力をかけていくタイミングになってくるのではないという感じがします」。

今後の見通しは

「この段階でロシア側が条件をおろす必要はなくて、引き続き圧力強めながら、キエフに対する総攻撃のための時間を稼いでいく。北部の部隊が止まっている理由が、おそらく補給を待っている部分がある。(交渉が)再補給のための時間稼ぎという面もあろうかと思います」。

さらにウクライナ軍の状況によって、首都キエフへの攻撃のしかたを変えてくると指摘しています。

キエフの防衛のために、ウクライナ軍がある程度の力を残していて、ある程度の反撃をするとすれば、ロシア軍はキエフに対する突入をおそらく思いとどまって、包囲をし、食料やエネルギーの供給を断って、周辺から砲撃を加えるということになると思います。基本的には、大規模な砲撃です。ウクライナ国民、キエフ市民の戦意を破壊していくと言うことがねらいだと思います」。

ロシアの著名な指揮者であるトゥガン・ソヒエフ氏は6日、ボリショイ劇場音楽監督兼首席指揮者を辞任すると発表した。また、仏トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団音楽監督も辞任すると明かした。

ソヒエフ氏は、ロシアのウクライナ侵攻を受け、フランスで侵攻に対する見解を明らかにするよう迫られていた。

フェイスブックで「私は選択を迫られた。音楽でのひとつ家族ともう一方の家族のどちらかを選ぶよう強いられた」と投稿し、両楽団の職から退くと明かした。

ウクライナ侵攻を巡っては、ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団がこのほど、ウクライナ侵攻を非難する呼び掛けに応じなかったとしてロシア人首席指揮者のワレリー・ゲルギエフ氏を解任するなど、音楽界にも影響が広がっている。

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中国の王毅外相は、北京で開かれている全人代全国人民代表大会に合わせて7日、記者会見しました。

この中で、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について「対話と話し合いを通じて、平和的な方法で争いを解決しなければならない」と述べ、対話による解決を改めて訴えました。

そのうえで「中国は和解に向けた話し合いを促し、建設的な役割を果たしていきたい。必要な時に、国際社会とともに仲裁を行う用意がある」と述べ、必要に応じて、国際社会と連携して仲裁にあたる考えを示しました。

また人道主義的な危機を克服するため、引き続き努力したい」と述べ、ウクライナに緊急的な人道支援を行う考えも示しました。

一方、王外相は日本がアメリカなどとともに、台湾海峡の平和と安定の重要性にたびたび言及していることなどを念頭に「歴史や台湾などの重大で敏感な問題は、両国関係における相互信頼の根幹に関わる。日本がこうした問題について一連の厳粛な約束を守り、両国関係に再び深刻な影響をもたらさないことを望む」と述べ、日本側をけん制しました。

この発言の際、王外相は日本に対する「忠告」ということばを用いています。

さらに、王外相は「台湾問題は、完全に中国の内政問題だ。台湾問題とウクライナ問題は、根本的に異なり、比較できない」と述べ、ウクライナ問題が、台湾海峡をめぐる情勢に影響を与えるのではないかという見方を否定しました。

また、米中関係についてアメリカは、中国の核心的利益に関わる問題において絶えず攻撃と挑発を続け、両国関係の大局を損ねるだけでなく、国際平和の安定に影響を与えている。これは責任ある大国がとるべき態度ではない」と述べ、アメリカを批判しました。

中国の王毅外相は記者会見で、アメリカが先月、中国への対抗を念頭に発表したインド太平洋戦略について「真の目的はインド太平洋版のNATO北大西洋条約機構をつくる企みで、アメリカが主導する覇権を守るためのものだ」と述べるとともに、日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国でつくる「クアッド」の枠組みなどを強く非難しました。

そのうえで「われわれは、地域の対立をあおる主張には断固として反対する」として対抗していく姿勢を示しました。

中国の王毅外相は記者会見で、核開発を続ける北朝鮮について北朝鮮側の合理的な安全保障上の懸念が根本的に解決されておらず、解決にはすべての当事者がともに向き合うことが必要だ」と指摘し、今後の進展は、アメリカが問題の解決に向けて具体的な行動を起こすかどうか次第だという認識を示しました。

そのうえで王外相は「政治的解決のプロセスを絶えず推進するよう改めて呼びかける。中国側は引き続き建設的な役割を発揮し、しかるべき努力をしたい」と述べました。

#朝鮮半島

中国の王毅外相は7日、中国赤十字ウクライナに「できるだけ早く」人道支援を提供すると明らかにする一方で、ロシアとの友好関係は「揺るぎない」と述べた。

中国はロシアのウクライナ攻撃を「侵略」という表現は使わず公式な非難を控える一方、西側諸国には「ロシアの安全保障上の正当な懸念」を尊重するよう求めている。

王外相は記者会見でウクライナの状況」は「複雑」で、一夜にして起こったわけでないとし「複雑な問題を解決するには冷静さや理性が必要で、火に油を注いだり矛盾をあおるべきでない」と指摘。

「中国は平和に向けた協議促進で引き続き建設的役割を果たすつもりで、国際社会とともに必要に応じてしかるべき仲介をする意向だ」と述べた。

また独自の方法で人道危機に取り組むとし、中国赤十字が早急にウクライナに支援を提供すると説明した。詳細には踏み込まなかったが中国が支援を表明したのは初めて。

王氏は「人道的行動」は中立と公平性の原則に従わなくてはならず、人道問題を政治問題すべきでない、とも述べた。

中国とロシアの友情は「揺るぎない」とし、協力の展望は明るいとし「いかに国際情勢が厳しくても中国とロシアは戦略的決意を維持し、新たな時代の包括的戦略パートナシップを推進し続けていく」と語った。

ナイジェリア人の医学生、ジョン・アデビシさん(27)はウクライナ北東部の都市スムイで爆撃の音にさいなまれながら、9日間も地下に閉じ込められている。出国するための資金は足りず、手段も確保できていない。

ロシアがウクライナに侵攻した2月24日以来、100万人以上の難民がウクライナを脱出したが、足止めを食らっている人々もまだ多い。特に目立つのが、脱出に必要な飛行機や資金、人のつてを自国政府や家族に頼れない外国人留学生だ。

人種差別によって出国がさらに難しくなっている、と語る学生もいる。ソーシャルメディアを見ると、アフリカやアジア、中東出身者が国境警備隊に暴行を受け、バスや列車で乗車を拒否される動画が目に入る。そのかたわらで白人は乗車を許されている。

アデビシさんは、トムソンロイター財団に対し「賄賂をゆすり取られるので、ぼくらが避難するには大金が必要だ」と語った。

ウクライナ西部にたどり着くのに600ドル払わされた学生たちもいる。国境では人種差別もあると聞いた。それは戦闘が始まる前からぼくらが経験していたことだ。黒人への態度は違う」と述べた。

アデビシさんの送金アプリは機能しなくなり、クレジットカードは引き出し限度額に達してしまったという。

ウクライナ外務省はツイッターで、出国時の審査で差別は行われていないとし「全ての国籍の人々に対し、到着した順に対応するアプローチを適用している」とした。

しかし、インド人のタンメイさん(24)は、自身の兄弟がウクライナを出国しようとした時に、同国の国境警備隊から暴行を受けたと話す。

タンメイさんは、インドのデリーから取材に答え「ポーランド国境近くの警備員がぼくの兄弟を乱暴に押し、スーツケースを放り投げた。兄弟とその友達に『出ていけ』とわめきながらだ」と語った。

「兄弟によると、そのウクライナの警備員たちは(白人の)人々は通している。つまり『白人じゃないやつの命など価値が無い』というわけだ」──。

<母国政府に頼れない> 

ウクライナは、比較的安い費用で留学したい外国人学生の間で人気がある。政府のデータによると、ウクライナの大学には155カ国から計7万6000人の学生が留学している。

3月1日にインド人留学生が爆撃で死亡したのを受け、同国のモディ首相はプーチン露大統領とインド国民の避難について協議した。

だが、出身国によっては、もっと不幸な目に遭っている留学生もいる。

シリア人のオルワ・スタイフさん(24)は、爆撃により中心地が焦土と化したウクライナ第2の都市ハリコフに留学中だった。ポーランド国境に近い西部の都市リビウに移動する列車に乗るため、自身と友達3人は賄賂を渡さなければならなかったという。

ソフトウエアエンジニアリングを学んでいたスタイフさんは「どこでもいいから安全な場所」に行きたいが「シリアはウクライナに大使館がないし、支援を求められる機関もないから困っている」と語った。

<トラウマ>

自国政府からの支援をあてにできず、銀行も閉まって現金自動預払機(ATM)も空っぽという状況に直面したウクライナの外国人らは、資金を融通し合うなどの方法で助け合っている。

パキスタン出身の医学生、アフィファ・マハムさんは、50人で50ドルずつ出し合って民間のバスを借り、ポーランドとの国境に移動した。通常なら2時間半の距離だが、交通渋滞と出国審査の長い行列で13時間を要した。

「あと30キロのところで、ひどい交通渋滞に遭った。バスを出て重いスーツケースを持って歩くようにと運転手に言われた。トラウマになる経験だ」と語った。

国境にたどり着くと「大勢の群衆がいて、けんかや叫び声に満ちていた。怖くて審査ゲートに近づけなかった」という。パキスタン大使の助けでポーランドの首都ワルシャワに入ることができたのは4日後だった。

ハリコフ国立医大レバノン人留学生、ガーサン・アブダラさん(28)は、ルーマニアにたどり着くまでに鉄道、自動車、ホテルに合計900ドルを費やした。その後、ルーマニアの友人に1300ドルを借りて故郷のベイルートに帰ることができた。

ウクライナで歯学を学ぶエジプト人の兄弟、モハメド・ホッサムさんとマームード・ホッサムさんも、ポーランド国境までのバス代と母国の首都カイロまでの飛行機代として、キエフの友達から680ドルを借りた。「友達がいなかったら無理だった」とモハメドさんは語る。

<留学させてくれた両親>

ポーランドハンガリーまで避難したナイジェリア人留学生の中には、帰国するための資金が足りないが、留学のために家族が払った犠牲を考えると欧州で学位を取る方法を見つけるしかない、と言う人々もいる。

ウクライナ東部の都市ドニプロで語学を学ぶエヒジャムソエ・ゴッドフレイさん(24)の実家は、キャッサバ(イモの一種)農家だ。卒業後は両親を支えられるようになりたいと考えて勉強している。

ゴッドフレイさんは、教会の資金援助で身を寄せているポーランド中心部のホテルからチャットアプリを通じて取材に答え「両親は全て売り払ってぼくをウクライナに留学させてくれた」と語った。

ナイジェリア政府はポーランドハンガリールーマニアの3カ国から自国民5000人以上を非難させる計画で、今月3日にワルシャワブカレストに飛行機2機を派遣した。

ウクライナ南東部からハンガリーに避難したナイジェリア人の医学生、オグニカ・オルワニフェミさん(20)は「国の両親は融資を受けてぼくをウクライナに送ってくれた。もう借金をしていると分かっていて(無心)できるはずがない」と話した。

見知らぬ人の親切に支えられている人々も多い。

ナイジェリア人と結婚したポーランド人のナタリア・ムフタウさんは、フィンランドの首都ヘルシンキに暮らしながら、ポーランドの人々に呼びかけて身動きが取れないアフリカ出身者を助ける活動をしている。ムフタウさんは電話取材に答え「移動するためのバスの手配から出入国関連情報の提供、国境での通訳まで、何でもやっている」と話した。

冒頭のナイジェリア人医学生、アデビシさんは同郷の友人8人とアパートにとどまり、安全な避難計画が整うまでなんとか資金が続いてほしいと望んでいる。

「怖い。次の1時間に何が起こるか分からない。国境を越えようとして低体温症や極度の疲労で亡くなったアフリカ出身者の姿をソーシャルメディアで見た。訪れたことのあるウクライナ各地が、爆撃で破壊された写真も目にする。だれにも味わってほしくない感情だ」とアデビシさんは語った。

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 ウクライナからポーランドへ多くの人が脱出しているが、快く受け入れられているのは、西側メディアの表現を借りると、「目が青く、ブロンドのキリスト教徒」だ。

#NATOexpansion

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#反ロシア#対中露戦

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