ついに井上公造氏も引退 芸能リポーター薄れる存在意義 https://t.co/0La8yZrYcQ #AERAdot #週刊朝日 #AERA
— AERA dot. (アエラドット) (@dot_asahi_pub) 2022年5月9日
「故・梨元勝さんは芸能プロやタレントに忖度せずに、裏側を暴いていく一面がありましたが、それは特異なケースです。現在、ほとんどの芸能リポーターは基本的に芸能事務所やタレントと直接つながり、彼らと良好な関係を保ちながら、情報を調整して視聴者に伝えるポジションです。井上公造氏自身も、梨元さんの言としながら『密着と癒着は紙一重』と話していますが、ほとんどのケースで、彼らは芸能プロと癒着しながら、まずは事務所にお伺いを立てて、テレビで話していいところを決めています。中には都合の悪い話をごまかしたり、ぼかして世論をそらしたりといった“工作”をする人もいます。番組サイドとしても、“芸能界に入り込んでいる感じ”を演出する小道具のような存在です」
「テレビがメディアの王様だった頃は、大手芸能プロは芸能リポーターの“使い方”を熟知しており、しきりに彼らを接待していました。タレントのコンサートに招待したり、お歳暮を贈ったり、高級な飲食店でごちそうしたり。しかし今は、どれだけ彼らを接待をしても、週刊誌やネットの芸能スキャンダルは止められません。近年、芸能スキャンダルは『週刊文春』の独壇場で、忖度なしで徹底的に取材をし、世間を揺るがす大スキャンダルを送り出し続けています。さらに最近ではTwitterの情報配信者・滝沢ガレソや暴露系YouTuberのガーシーこと東谷義和氏のような人たちも出現しています。芸能リポーターが入り込む“隙間”はなくなっています」
「彼らの仕事は、テレビ番組でコメントするだけではありません。芸能プロとつながっていることで、週刊誌やスポーツ紙にオフレコ情報を流すこともあります。さらに地方のローカル番組では、今も“中央の芸能情報”は根強い需要があるので、しばらくはそちらでの仕事はあるでしょう。ただ、若手の芸能リポーターという人はほぼいません。かつては週刊誌やスポーツ紙の芸能担当記者から転身するケースがありましたが、顔を出してテレビで芸能人の内部情報を語るのは批判されるリスクも大きく、あえてやりたいという人はほとんどいないのが現状です」
「前田忠明さんや東海林のり子さんは、80歳を超えても“ご意見番”としてたまに登場しますが、第一線からは退いて久しい。梨元勝さんをはじめ、須藤甚一郎さん、鬼沢慶一さんなど有名芸能リポーターも相次いで鬼籍に入りました。40代以下の世代にとっては、もはや“昭和の芸能界の昔話をする人”という存在になっています。芸能人をめぐる取材環境も刻々と変わるなか、彼らのような芸能リポーターはもう出てくることはないでしょう」
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