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日銀の短観は国内の企業1万社近くに3か月ごとに景気の現状などをたずねる調査で景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた指数で景気を判断します。

今回の調査は5月下旬から6月30日にかけて行われ、大企業の製造業の指数はプラス9ポイントと、前回・3月の調査を5ポイント下回り、2期連続の悪化となりました。これは、ロシアのウクライナ侵攻を受けて原材料価格が一段と高騰していることや、中国・上海で5月末まで続いた厳しい外出制限の影響による部品の調達難が続いていることが主な要因です。

一方、大企業の非製造業の景気判断はプラス13ポイントと前回を4ポイント上回り、2期ぶりの改善となりました。まん延防止等重点措置が解除されて以降、飲食や宿泊などのサービス業で持ち直しの動きが強まっています。

3か月後の見通しでは、大企業・製造業は部品の供給不足が解消に向かうという見方などから、1ポイントの改善となっています。

大企業の非製造業では、新型コロナからの経済や社会生活の正常化で消費の持ち直しに期待が広がる一方、原材料価格の高騰への懸念もあって横ばいとなっています。

日銀の短観で、企業の1年後の物価見通しが平均でプラス2.4%となり、日銀が今の大規模な金融緩和を通じて目指しているプラス2%を初めて上回ったことがわかりました。

日銀の短観では、企業に対し、1年後、3年後、5年後の物価の見通しについて、たずねています。

それによりますと、1年後の見通しは、すべての企業の平均でプラス2.4%となり、プラス1.8%だった前回の調査を0.6ポイント上回りました。1年後の物価の見通しがプラス2%を上回ったのは、短観でこの質問項目を設けた2014年3月以降で、初めてです。

また、▽3年後の見通しについては前回を0.4ポイント上回ってプラス2%、▽5年後については0.3ポイント上回ってプラス1.9%となり、いずれも過去最高となりました。

日銀は、今年度の消費者物価指数の見通しについて、政策委員の中央値でプラス1.9%とする一方、来年度・2023年度と2024年度はいずれもプラス1.1%とし、「物価の上昇は一時的だ」としていますが、企業は当面、物価上昇が続くとみていることがうかがえます。

#経済統計
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公的年金の積立金を運用するGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は、外国の株式や国債利回りの大幅な上昇と急速な円安を背景に、昨年度の運用実績が10兆円余りの黒字になったと発表しました。

それによりますと、昨年度・令和3年度の運用実績は、10兆925億円の黒字で、収益率はプラス5.42%になりました。

内訳は
▽外国株式が8兆4290億円
次いで
▽国内株式が1兆871億円
▽外国債券が1兆724億円の黒字だった一方
▽国内債券は4960億円の赤字でした。

GPIFでは、アメリカなど外国の株式や国債利回りの大幅な上昇と急速な円安が背景にあるとしています。

これによって
▽累積の収益額は105兆4288億円
▽運用資産の総額は196兆5926億円になりました。

一方、令和2年度末時点で、およそ2200億円と評価したロシア関連の資産は、国外の投資家に対する取り引き制限などから、今回は実質ゼロと評価しました。

記者会見した宮園雅敬理事長は「ロシアによるウクライナ侵攻やアメリカでの極めて高いインフレの進行など、ふだん起きないような大きな出来事が起きた。不確実性が高まっているため、しっかり状況を注視していきたい」と述べました。