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日銀は31日までの2日間、金融政策を決める会合を開き、長期金利が0%程度で推移するよう大量の国債を買い入れて短期金利はマイナス金利を続ける、今の大規模な金融緩和策の維持を賛成多数で決めました。

ただ、経済と物価の動向を改めて点検した結果、海外経済の減速や消費税率引き上げの影響もあって成長率は鈍くなり、先行きも下振れリスクのほうが大きいと判断しました。

さらに物価上昇率の見通しも下振れリスクが大きく、来年度、再来年度とも1%台と、目標の2%には届かず、物価上昇の勢いが損なわれることに引き続き注意が必要な情勢にあるとしています。

このため日銀は、今後の政策金利について「現在の水準、またはそれを下回る水準で推移することを想定する」と声明文に明記し、必要な場合には、今のマイナス金利をさらに引き下げる可能性を示しました。

また、これまでは大規模な金融緩和策を続ける期間を「来年春ごろまで」としていましたが、今回からは期間を定めず、粘り強く緩和を続ける姿勢を強調しました。

日銀は3か月に一度経済と物価の見通しをまとめています。

31日公表した最新の見通しでは、海外経済の減速の影響で経済成長率、物価上昇率ともにこれまでよりも引き下げました。

このうち物価について日銀は、年2%の上昇率を目標にしていますが、今年度の生鮮食品を除いた消費者物価指数の見通しは、これまでのプラス1.0%からプラス0.7%に、引き下げました。

また来年度はプラス1.3%からプラス1.1%に、再来年度はプラス1.6%からプラス1.5%にそれぞれ引き下げ、2%の目標には届かないと見ています。

一方、実質のGDP=国内総生産の伸び率の見通しについては、今年度はこれまでのプラス0.7%からプラス0.6%に、来年度はプラス0.9%からプラス0.7%に、再来年度はプラス1.1%からプラス1%ちょうどにそれぞれ引き下げました。

海外経済の回復がこれまでの想定よりも遅れ輸出が伸び悩む状況が続くと見ているほか、個人消費に消費税率の引き上げの影響が及ぶと見ています。

日銀は31日まで開いた金融政策を決める会合で、今の大規模な金融緩和策の維持を決めるとともに、今後の政策金利について「現在の水準、またはそれを下回る水準で推移することを想定する」と声明文に明記し、必要な場合には今のマイナス金利をさらに引き下げる可能性を示しました。

今回の決定について記者会見した黒田総裁は「海外経済の下振れリスクが高まり、物価上昇の勢いが損なわれるおそれに注意が必要な情勢にあることは事実だ。金融緩和の方向を意識して政策運営を行うという日銀のスタンスを明確にした」と述べ、今回の決定のねらいを説明しました。

また日銀はこれまで今の緩和策を「少なくとも来年春ごろまで」続けるとしていましたが、黒田総裁は「2020年春ごろまでには終わらない。相当長い期間で続く」と述べ、海外経済が減速するリスクを考慮すると、すでにマイナスとなっている政策金利をさらに引き下げることも含め、大規模な金融緩和は長期化が避けられないという見通しを示しました。

#金融政策決定会合

東京証券取引所では31日、3月期決算の1部上場企業のおよそ17%に当たる250社余りが中間決算を発表し、ピークを迎えました。

証券大手の「SMBC日興証券」のまとめによりますと、30日までに決算発表を終えた「製造業」の経常利益は去年の同じ時期より19.1%減っています。

業種別では、建設機械などの「機械」が29.9%、電機メーカーなどの「電気機器」は19.6%、それに、自動車部品メーカーなどの「輸送用機器」が17%減益となっています。

米中の貿易摩擦の長期化で世界経済が減速し生産や輸出が低迷していることが大きな理由で、今年度の経常利益の見通しを下方修正した製造業は118社のうち41社に上っています。

その一方で、「非製造業」の経常利益は、去年の同じ時期と比べて3.7%増益となっています。

このうち先月末まで、消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要があったとみられる「小売業」は、2.9%の増益となっています。

SMBC日興証券で企業業績を分析している伊藤桂一チーフクオンツアナリストは、「今年度の後半は、駆け込み需要の反動で消費が落ち込み、小売業の業績に影響が出ないか注意が必要だ。米中の貿易摩擦など海外経済の行方も不透明で、多くの製造業にとって厳しい経営環境が続くだろう」と話しています。

証券大手の「SMBC日興証券」のまとめによりますと、3月期決算の1部上場企業の1年間の経常利益は昨年度まで7年連続で前の年度を上回る増益が続いていました。昨年度の経常利益は53兆2560億円で過去最高だということです。

しかし30日までに中間決算の発表を終えた1部上場企業の経常利益は去年の同じ時期と比べて5.1%減っています。

また今年度1年間の業績の見通しを下方修正する企業も相次いでいます。

このためSMBC日興証券ではこの状況が続けば8年ぶりに1年間の経常利益が減益に転じる可能性もあるとしていて、米中の貿易摩擦を発端とした世界経済の減速が日本企業の利益にもブレーキとなるおそれが出ています。

中間決算の企業業績について、大和総研の小林俊介シニアエコノミストは「アメリカと中国の貿易摩擦などが日本の製造業の減益決算につながっている。とりわけ影響を受けたのは電子機器関連でかなり苦しい状況を強いられてきた」と分析しています。

ただ次世代の通信技術5Gの普及をみすえ半導体の生産を強化する設備投資の動きが「明るい兆しだ」とも述べました。

一方で小林シニアエコノミストは「今まで堅調だった内需について先行きを警戒する必要がある。消費税率引き上げの駆け込み需要の反動に加え、世界経済の減速によって雇用や所得の伸びがすこし鈍化してきている。消費の行方がこの先の日本経済の注目材料になってくる」と述べました。

関西に拠点を置く大手メーカーの中間決算では、アメリカと中国の貿易摩擦を背景とした世界経済減速の影響を受けて利益の減少が相次ぎました。

このうち、京都市に本社がある「京セラ」は、ことし9月末までの半年間の中間決算で、売り上げは去年の同じ時期と比べ、ほぼ横ばいでしたが、本業のもうけを示す営業利益は27%下がって603億円となりました。

これは米中の貿易摩擦を背景に中国などの景気が減速し、スマートフォンや自動車工場向けなどの部品の需要が低迷していることが主な要因です。

また、京都府長岡京市に本社がある大手電子部品メーカーの「村田製作所」も、営業利益は去年の同じ時期と比べ12.9%減って、1213億円となりました。

中国などでスマホ向けのコンデンサーや電池の売り上げが減少したことが響いています。

半導体メーカーの「ローム」は去年の同じ時期と比べ営業利益が49.8%、電子機器メーカーの「オムロン」は営業利益が19.2%、それぞれ減少し、減収減益の決算となりました。

村田製作所の村田恒夫会長兼社長は、記者会見で「次世代の通信技術、5G関連の需要が下支えしているが、全体としてスマホや自動車の生産台数は減少し、消費マインドが落ち込んでいる」と述べました。