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イギリスのジョンソン首相が、相次ぐ不祥事を受けて辞意を表明したのに伴う与党・保守党の党首選は、候補者を絞り込むための5回の投票でスナク前財務相とトラス外相が決選投票に進むことになり、25日、2人によるテレビ討論が行われました。

この中で、物価の上昇率が9%を超え、市民生活に影響が広がっている記録的なインフレへの対策について、トラス氏は、国民保険料を引き下げるなど、直ちに減税を行うべきだと主張しました。

これに対しスナク氏は、インフレが落ち着いたあとに減税を検討すべきだなどと反論しました。

また、中国との関係をめぐっては、いずれも中国の企業などに厳しい姿勢で臨む姿勢を強調しましたが、「中国が安全保障上の脅威であることを認識する必要がある」と述べたスナク氏に対し、トラス氏は、「1か月前までスナク氏は中国との貿易関係を緊密にしようとしていた」などと批判しました。

2人の候補者は、このあとも遊説などを行う予定で、9月5日には党員による投票で新党首が決まり、後任の首相に就任することになります。

英与党・保守党の党首選で決選投票に進んだスナク前財務相とトラス外相は25日、テレビ討論会で税財政政策を巡り激しい舌戦を繰り広げた。

トラス氏はスナク氏が財政均衡を重視していることについて、景気後退(リセッション)を招く結果になると強調。「債務を早く返すために経済を破綻させるのは大きな間違いだ」と述べた。

スナク氏はトラス氏の減税計画について、英経済にとって「砂糖の過剰摂取」に過ぎず、その後に崩壊が待っていると批判した。

ジョンソン首相の後任を選ぶ決選投票は9月5日に結果が発表される予定で、勝者はインフレ率が11%に迫る中で経済成長が停滞し、労働争議が増え、通貨ポンドが対ドルで歴史的な低水準に近付くという困難な状況下で首相に就任することになる。

この日両氏が交わした激論は、経済運営を巡る保守党内の分裂を浮き彫りにした。トラス氏はジョンソン氏の財政出動主導型の政策を踏襲する構えで、スナク氏は党の古典的な財政タカ派寄りの立場だ。

調査会社サーベーションが1032人の有権者を対象に行った緊急世論調査では、テレビ討論会でスナク氏が優勢と回答した人が全体の39%を占め、トラス氏は38%だった。保守党の有権者では47%がトラス氏優勢と答え、スナク氏は38%だった。

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