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袴田巌さん(86)は、昭和41年に今の静岡市清水区で一家4人が殺害された事件で死刑が確定しましたが、無実を訴えて再審を求めています。

東京高裁で5日に開かれた三者協議では、弁護側の証人として物理化学が専門の北海道大学の石森浩一郎教授への尋問が非公開で行われました。

弁護団によりますと、石森教授は、最大の争点となっている犯人のものとされる衣類についた血痕の色の変化について「時間がたつと赤みはなくなる」とする弁護側の鑑定書の内容に異論はないと証言したということです。

「証拠はねつ造された」という弁護側の主張を後押しした形です。

3回にわたって行われた証人尋問は5日で終わり、来月の協議では最終的な意見書の提出時期が示される見通しで、11月上旬には、検察側が行っている実験を裁判官が視察するということです。

弁護団の間 光洋弁護士は「最高裁判所が高裁に与えた『血痕の色の変化を化学的に証明しろ』という課題は、今回で決着がついたと思う」と話していました。

東京高裁の協議では弁護側と検察側が提出した鑑定書などについて意見を聞くため、先月22日と今月1日、それに5日の3回にわたり、法医学や物理化学の専門家5人の証人尋問が行われました。

このうち、弁護側から要請を受けて鑑定を行い、法廷で証言した旭川医科大学の奥田勝博 助教NHKの取材に応じました。

えん罪が疑われている裁判で専門家として真相解明に役立ちたいと、鑑定や証人尋問に協力したということです。

高裁の協議では、現場近くのみそタンクから発見された犯人のものとされる衣類についた血痕の色の変化が最大の争点となっています。

これについて、奥田助教は、みそと同じような塩分濃度とpH・酸性の度合いになるよう調製した水溶液を血液と混ぜて、色がどのように変わるか、観察する実験を行いました。

その結果、翌日には赤から黒っぽい色に変化し、日を追うごとにより黒くなっていく様子が確認できたということです。

みそ特有の高い塩分濃度と弱酸性の性質によって、血液の赤みの原因であるヘモグロビンの性質が変化したと考えられるとしたうえで「血液が1年以上みそに漬けられていれば、間違いなく赤みは残っていないと言える。化学的なメカニズムとともに説明できたのは、決定的な証拠になったと思う」と話しています。

一方、検察側の証人として証言した別の法医学の専門家は、この実験について「『血液』について行ったもので、布に血液を付けた『血痕』でも同じ結果になるかは疑問だ」と指摘し「1年たっても赤みが残る可能性はある」としています。

#法律