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インド政府は、長年パキスタンと領有権を争うカシミール地方のうち、実効支配してきたジャム・カシミール州について、70年にわたり認めてきた自治権を3年前の8月に撤廃し、その後、政府の直轄地として統治を強化してきました。

自治権の撤廃から5日で3年となりますが、インド政府は、住民の多数を占めるイスラム教徒の反発を警戒して街なかに治安部隊を配備するなど厳戒態勢をとり続けています。

一方、領有権を争うパキスタンでは5日、首都イスラマバードの中心部でインドに対する抗議デモが行われ、集まった数百人が「インドのモディ首相からカシミール地方の独立を勝ち取ろう」などとシュプレヒコールをあげて行進しました。

参加した女性は「インドの行いに対し、声をあげるために参加しました。カシミールの人たちが抑圧から解放されることを強く望んでいます」と話していました。

この問題をめぐっては、国内問題だとするインド政府と国際社会の関与を求めるパキスタン政府の対立が続いていて、事態の打開に向けた道筋は見えていません。

ジャム・カシミール州の自治権が撤廃された3年前、中心都市スリナガルでは、インターネットや携帯電話の通信が遮断されるなど市民生活に影響が出ていました。

その後、現地では徐々に日常生活が取り戻され、先月下旬には買い物をする市民や新型コロナウイルスの影響で途絶えていた観光客の姿が見られたほか、インターネットや携帯電話の通信も復旧しています。

一方で、インド政府は住民の多数を占めるイスラム教徒の反発を警戒して街なかに治安部隊を配備し、厳戒態勢を続けています。

インド政府は、自治権の撤廃についてカシミール地方の経済の発展と治安の安定化に向けた措置だとしていて、モディ首相はことし4月に現地を訪問し、この地域の開発に力を入れる考えを強調しています。

インド政府が現地で反政府的な動きに警戒を続ける中、住民の多数を占めるイスラム教徒の中には、拘束される人も出ています。

このうち、中心都市スリナガル近郊に住むイスラム教徒のグルザル・ワニさん(35)は、反政府的な活動に関わったとして1年半前に突然、警察当局に拘束されました。

グルザルさんの妻タスリーマさん(30)は、日雇いの仕事をして4人の子どもを1人で育てながらグルザルさんの帰りを待ち続けていますが、生活は苦しくなるばかりです。

タスリーマさんは「夫がいないため、生計を立てていくのが困難な状況になっています。子どもの教育のためのお金をどのように工面したらよいのでしょうか」と話し、グルザルさんの早期解放を訴えています。

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