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北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、新型コロナウイルス対策に関連し「全国非常防疫総括会議」が首都ピョンヤンで10日に開かれ、キム・ジョンウン総書記が演説したと伝え、会議の映像を放送しました。

この中でキム総書記は「全国の感染者は12日間連続でゼロを記録している。われわれの領土を悪性ウイルスがない、清潔な地域にするという目標が達成された」と述べ、新型コロナを抑え込む「防疫大戦に勝利した」と宣言しました。

北朝鮮は、ことし5月、新型コロナの感染者が初めて確認されたと発表し、一日当たりの発熱者はピーク時には39万人を上回りましたが、先月29日からはゼロだと主張していました。

また、キム総書記は都市の封鎖などの措置を緩和するとしていて、来月の建国記念日を前にみずからの成果としてアピールする思惑もあるとみられます。

一方、キム総書記は国内でワクチンの接種は1回も行われていないことを明らかにしました。

感染の再拡大の懸念もある中、早期に収束を宣言した背景には、国境封鎖などで影響を受ける外国との貿易を本格的に再開し、経済の立て直しを図りたいねらいもあるとみられます。

キム・ジョンウン総書記の妹、キム・ヨジョン(金与正)氏は、新型コロナウイルス対策を総括する会議で演説し、ウイルスの感染源だとみなす、ビラなどが付いた風船が、引き続き韓国から飛んできていると指摘し「極めて強力な報復を加えるべきだ」と述べ、韓国に対抗措置をとることを示唆しました。

韓国の脱北者団体などは、これまでに、キム総書記を非難するビラや1ドル札などを北朝鮮側に飛ばしていて、ヨジョン氏は「敵が危険な行為を続ける場合、ウイルスはもちろん、南の当局も撲滅することで応える」と述べ、ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権を威嚇しています。

一方、ヨジョン氏はキム総書記について「防疫戦争の日々で、ひどい高熱にかかりながらも休むことはなかった」と述べ、キム総書記が発熱していたことを明らかにしたうえで「1700件、2万ページ以上の資料をもとに防疫対策の指導にあたった」とたたえ、忠誠を呼びかけました。

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