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アメリカのブリンケン国務長官は7日、声明を出し、シンガポール人など2人と、マーシャル諸島の船舶関連会社など3つの団体に対し、北朝鮮への石油製品の密輸に関わったとして資産凍結などの制裁を科したと発表しました。

アメリ財務省によりますと、密輸はシンガポール人の男が調整し、北朝鮮近くの海上で船の位置情報を発信する装置を停止させたうえで、海上で積み荷を移す「瀬取り」の手口で、複数回、北朝鮮側に石油製品を引き渡していたということです。

また、少なくとも1回は、北朝鮮西部のナンポ(南浦)の港に、直接、石油製品を運び入れていたということです。

国連安保理の決議は、北朝鮮に対し、輸入できる石油製品の量を年間50万バレルに制限したうえで「瀬取り」を禁止していますが、密輸は後を絶ちません。

ブリンケン長官は、声明の中で「北朝鮮の兵器開発を直接支援する行為だ」と非難したうえで、責任を追及する構えを強調しました。

北朝鮮は8日、国家航空総局の報道官の名前で、民間の航空機に関するルールを定める国連の専門機関、ICAO=国際民間航空機関が総会で、北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイルの発射を非難する決議を採択した、として批判する談話を発表しました。

談話では「ミサイルの発射実験は、半世紀以上続くアメリカの直接的な軍事的脅威などから国の安全を守るための正常かつ、計画的な自衛的措置だ」として発射を改めて正当化しています。

また、ICAOに対しても「加盟国への政治的な圧力をかける、アメリカなどの敵対勢力に便乗せず、公正な立場をとるべきだ」と批判しています。

そのうえでアメリカと敵対勢力らによるわが国を孤立、圧殺しようとする策動で、一切容認できない」として、より強硬な対応をとると反発しています。

北朝鮮としては、弾道ミサイルの発射を繰り返し、国際的な非難が高まる中、アメリカの脅威から国の安全を守るための自衛措置だと強調することで、みずからの正当性をアピールしたいねらいがあるとみられます。

北朝鮮弾道ミサイルの発射を繰り返す中、日本海ではアメリカ軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」が9月下旬に続いて再び展開し、アメリカ軍と韓国軍による機動訓練が7日から2日間の日程で行われています。

これについて北朝鮮国防省は8日、国営の朝鮮中央通信を通じて報道官の談話を発表し「地域情勢に及ぼす否定的な影響はとても大きい。わが軍に警告を送ろうとする軍事的な虚勢だ」と非難しました。

そのうえで「わが軍は、非常に憂慮すべき今の事態を厳重に注視している」として、抑止力の強化を図る米韓両国に警告しました。

北朝鮮は6日、アメリカ軍の原子力空母が日本海に再展開したことなどを非難する外務省談話を発表したうえで、短距離弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射していて、関係国は警戒を続けています。

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