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韓国軍によりますと、北朝鮮は今月2日、東部のウォンサン(元山)付近から日本海に向けてミサイル3発を発射し、このうち1発は、国連軍が設定した海上の境界線であるNLL=北方限界線を越えて、韓国東部の沖合の日本海にあるウルルン(鬱陵)島の北西167キロの公海上に落下しました。

韓国軍は、現場海域を調査して、今月6日にこの残骸とみられるものを回収し、9日、その分析結果を発表しました。

残骸は、ミサイルの後部とみられるもので、長さ3メートル、幅2メートルで、形などの特徴から、地対空ミサイルの「SA5」だったと結論づけたということです。

北朝鮮は7日に、アメリカ軍と韓国軍の空軍による大規模訓練に対応するために「軍事作戦」として、さまざまなミサイルを発射したと発表し、公開された写真の中に「SA5」に似たものも含まれていました。

韓国軍は「今回の発射は計画的な挑発であることは明らかだ」と非難するとともに、「わが国の生命と安全を脅かすいかなる挑発も容認しない。米韓同盟の圧倒的な能力で断固対応していく」としています。

浜田防衛大臣は、午後4時すぎ、防衛省で記者団に対し、北朝鮮が午後3時31分に西岸付近から弾道ミサイル1発を東の方向に発射したと明らかにしました。

最高高度50キロ以下の極めて低い高度で250キロ程度飛行し、朝鮮半島東側の日本のEEZ排他的経済水域の外側に落下したと推定されるとしています。

これまでのところ、航空機や船舶などへの被害は確認されていないということです。

浜田大臣は「北朝鮮はことしに入ってから、かつてない高い頻度でミサイルの発射を繰り返し、朝鮮半島と地域の緊張を著しく高めている。急速に挑発をエスカレートさせる一方的な行動は、わが国、地域、国際社会の平和と安全を脅かすもので断じて容認できない」と非難しました。

そして、北朝鮮側に対し、北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議したことを明らかにしました。

韓国軍の合同参謀本部によりますと、北朝鮮は9日午後3時31分ごろ、西部のピョンアン(平安)南道スクチョン(粛川)付近から、日本海に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射したということです。

飛行距離はおよそ290キロ、高度はおよそ30キロで、音速の6倍、マッハ6で飛行したとしています。

北朝鮮は、今月2日から5日にかけて、ICBM大陸間弾道ミサイル級の可能性がある1発を含む弾道ミサイルなどを30発以上発射していました。

これについて北朝鮮軍は今月5日まで6日間行われた米韓空軍の大規模な共同訓練に対応するための「軍事作戦」だったと発表しています。

北朝鮮はその後、10日まで行われている韓国軍の指揮所演習についても「軍事的な妄動がいかなる高い代価を支払うかをはっきりと思い知るだろう」として、対抗措置を示唆していました。

韓国メディアは、北朝鮮が指揮所演習に反発して短距離弾道ミサイルを発射した可能性を指摘していて、米韓両軍が警戒を続けています。

政府は、総理大臣官邸の危機管理センターに設置している官邸対策室に関係省庁の担当者をメンバーとする緊急参集チームを招集し、情報の収集と被害の確認などにあたっています。

防衛省などによりますと、北朝鮮弾道ミサイルなどを発射したのはことしに入って32回目です。

これまでに、1月に7回、2月に1回、3月に3回、4月に1回、5月に4回、6月に1回、8月に1回、9月に3回、10月に7回、11月に3回、それぞれ弾道ミサイルなどの発射を繰り返しています。

特に9月下旬から11月にかけては合わせて13回とこれまでにない頻度で相次いで発射しています。

北朝鮮は先月、弾道ミサイルなどを7回発射したのに続き、今月も相次いで行い、過去にない異例の頻度で発射を繰り返しています。

▽今月2日には、南北の分断後初めて、海上の境界線を越えた1発を含めて、20発余りのミサイルを発射しました。

▽また、3日にはピョンヤン郊外のスナン(順安)付近からICBM大陸間弾道ミサイルの可能性がある1発と、ピョンアン(平安)南道ケチョン(价川)付近から短距離弾道ミサイル2発を発射しました。

▽さらに、同じ日の夜には、内陸部のファンヘ北道コクサン(谷山)付近から短距離弾道ミサイル3発を発射しました。

▽5日にも北西部のピョンアン北道トンリム(東林)付近から短距離弾道ミサイル4発を発射していました。

弾道ミサイルなどの発射を繰り返す北朝鮮に対し、日米韓3か国は連携して抑止力の強化を進めています。

アメリカはことし9月に続いて先月も、原子力空母を日本海に再び展開し、日本や韓国とともに共同訓練を行いました。

先月17日から28日にかけては、韓国軍の定例の野外機動訓練が一部アメリカ軍も参加して実施されたほか、今月5日までの6日間、最新鋭のステルス戦闘機やB1爆撃機などを投入して米韓空軍による5年ぶりの大規模訓練が行われました。

また、韓国軍は、今月7日から10日までの日程で北朝鮮の核・ミサイルなどの脅威を想定した定例の指揮所演習を行っています。

一方、北朝鮮は、先月9日までの15日間、キム・ジョンウン金正恩)総書記の立ち会いのもとで、戦術核運用部隊の訓練を実施し、弾道ミサイルを7回発射しました。

また今月2日に、南北の分断後初めて、海上の境界線を越えて落下したミサイル1発を含め20発余りのミサイルを発射しました。

その後も、ICBM大陸間弾道ミサイル級の可能性がある1発を含む弾道ミサイルを相次いで発射し、北朝鮮軍は、今月2日から5日にかけて、米韓空軍の大規模訓練に対応するための「軍事作戦」を行ったと発表していました。

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