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日銀の黒田東彦総裁は28日、衆院予算委員会で、女性や高齢者の労働参加の増加ペースが鈍化する中、経済回復で労働需給が引き締まりやすくなると述べた。マクロ的な需給ギャップ改善に伴い、賃金上昇圧力が次第に強まっていくとの見通しを示した。政府が取り組む介護士や保育士の賃上げが全体の賃金上昇にプラスになるのは事実だとも指摘した。

藤岡隆雄議員(立憲民主党・無所属)の質問に答えた。

黒田総裁は2013年の政府・日銀の共同声明について、声明に盛り込まれた政府と日銀の役割を現時点で見直す必要があるとは思っていないと述べた。

日本銀行保有する国債の評価損益は9月末に8749億円のマイナスとなった。米欧がインフレ対応で利上げを進める中、日本の国債金利も上昇(価格は下落)したためで、2013年4月の異次元緩和導入以降、含み損への転落は初めて。22年度上期決算を28日に発表した。

  日銀はイールドカーブコントロール(長短金利操作)政策の下で長期金利をゼロ%程度に抑制するため、低利回り・高価格の国債買い入れを続けてきた。最近の海外金利上昇につれて、日本の長期金利も事実上の上限に設定する0.25%程度に上昇。誘導対象ではない超長期債の利回りも大きく上昇している。

  会計上、日銀の保有国債の評価方法は償却原価法となっており、時価が変動しても損益には反映されないが、発行済み国債の半分程度を日銀が保有しており、日銀財務の健全性に関する議論が高まる可能性がある。保有国債が含み損になるのは、量的緩和政策の解除で金利が上昇した06年3月末以来となる。

 帳簿価額   時価  評価損益
21年9月末 528兆 295億円 537兆9020億円 9兆8725億円
22年3月末 526兆1736億円 530兆5471億円 4兆3734億円
22年9月末 545兆5211億円 544兆6462億円  ▲8749億円

  上場投資信託ETF)の評価益は9月末で11兆1151億円となり、3月末の14兆6854億円から縮小した。最終利益に当たる当期剰余金は円安進行などを受けて1兆5924億円と前年同期の1兆529億円から増加し、1998年施行の新日銀法下で最高となった。

他のポイント
総資産残高は685兆7902億円、前年同期は724兆579億円
保有国債残高は545兆5211億円、前年同期は528兆295億円
経常利益は3兆59億円、前年同期は1兆3061億円
国債利息収入は6003億円、前年同期は5525億円
自己資本比率は9.90%、3月末は9.29%

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日銀が発表したことし4月から9月までの中間決算によりますと、日銀が保有する国債時価は、9月末の時点で544兆6462億円となりました。

時価が帳簿上の評価額を下回る形となり、8749億円の含み損が発生しました。

欧米の利上げに伴って日本の長期金利にも上昇圧力が強まった結果、国債の価格が下落したためです。

日銀は国債を満期まで保有するとしているため、直ちに財務に問題が発生するわけではないとしていますが、含み損の発生は16年半ぶりで、黒田総裁が就任して以降で初めてです。

黒田総裁は今の物価上昇は一時的だとして、金融緩和を続ける姿勢を示していますが、金融緩和を縮小するいわゆる「出口戦略」の際には、さらに金利が上昇し、保有する国債の含み損が拡大する懸念も出ていて、難しいかじ取りが続くことになります。

一方、日銀が発表したことし9月末時点での総資産の額は、685兆円余りとなり、国債の買い入れは増えたものの、新型コロナの支援策に関連した貸し出しが減少したため、去年の同じ時期から38兆円余り減りました。

日銀が28日に発表した2022年度上期の財務諸表などによると、金利上昇で保有国債は8749億円の評価損となり、評価損としては現行の会計制度となった1998年以降で最大となった。上期末時点の資産は685兆7902億円。21年度末の736兆2535億円を下回り、半期ベースで11年ぶりの減少。新型コロナウイルス対応特別オペの制度縮小で貸出金が大幅に減った。一方、最終利益に当たる当期剰余金は前年同期比1.5倍の1兆5924億円で過去最高。大幅な円安で為替差益が膨らんだ。

<貸出金が大幅減>

9月末の資産残高は、前年同期末に比べて5.3%減少した。貸出金は42.1%減の80兆1415億円。このうち、コロナ対応特別オペの残高は10兆8006億円と、前年同期末と比べて約67兆円減った。

一方、国債は3.3%増の545兆5211億円。時価は544兆6462億円で8749億円の評価損となった。評価損となるのは福井俊彦総裁(当時)の下で量的緩和の解除を模索していた2006年3月末以来。

上場投資信託ETF)は1.9%増の36兆9057億円となった。時価は48兆0208億円で、11兆1151億円の評価益。評価益は3月末の14兆6854億円を下回った。

このほか、不動産投資信託(REIT)は0.4%増の6669億円。

上期末の自己資本比率は9.90%と前年同期末の8.87%を上回った。

<為替差益、歴史的円安で53.8倍>

22年度上期決算では、経常利益が前年同期比2.3倍の3兆0059億円。大幅な円安で為替差益が1兆5063億円と前年同期の280億円の53.8倍に膨張した。保有するETFからの分配金も1兆0153億円と前年同期の7718億円から増加した。国債の利息収入は6003億円だった。

地域金融強化のための特別当座預金制度の付利額は410億円だった。22年度上期、付利の対象は地方銀行と信用金庫合わせて256先となった。