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原材料価格の上昇などを背景に、企業の間で取り引きされるモノの価格の上昇が続いています。日銀が発表した先月の企業物価指数の速報値は、前の年の同じ月と比べて9.3%上昇しました。

指数は2020年の平均を100とした水準で118.5と、8か月連続で過去最高を更新し、幅広い品目で値上げが進んでいます。

日銀によりますと、
▽電気・ガス
▽鉄鋼、それに、
▽飲料や食品などの価格が上昇したことが主な要因です。

対象となった515品目のうち、8割以上の438品目で値上がりし、企業の間で原材料費の上昇分を販売価格に転嫁する動きが広がっています。

また、円ベースでみた輸入物価の指数は、前の年の同じ月と比べて28.2%上昇したものの、急速な円安がいったん落ち着いたこともあって、前の月と比べて上昇幅は縮小しました。

日銀は「幅広い品目で価格転嫁の動きが見られるものの、原油価格などが下落している影響も一部では出てきている。引き続きウクライナ情勢や為替の動向、企業の価格転嫁の動きを注視したい」としています。

財務省などが発表した「法人企業景気予測調査」で、ことし10月から今月にかけての大企業の景況感を示す指数は、プラス0.7ポイントと2期連続のプラスでした。
製造業では、中国など海外経済の減速が懸念された一方、コロナ禍から経済活動の再開が進み、サービス業が改善しています。

この調査は、財務省内閣府が3か月ごとに行っていて、今回は1万1000社余りから回答を得ました。

景気の受け止めについて、前の3か月より「上昇」と答えた企業の割合から「下降」と答えた企業の割合を差し引いた指数で表していて、12日に発表されたことし10月から今月にかけての大企業の景況感を示す指数は、プラス0.7ポイントと2期連続のプラスでした。

業種別にみますと、
▽非製造業はプラス2.7ポイントで、コロナ禍から経済活動が正常化に向かいつつあること、旅行支援策の影響などでサービス業や運輸業で客足が回復するという見方がプラス要因となりました。

一方、
▽製造業は、マイナス3.6ポイントと悪化し、半導体関連のメーカーで中国を中心に海外経済の減速が懸念されたことなどが押し下げ要因となりました。

財務省は「企業の通期決算は増収増益を見込む企業が多く、先行きもプラスを維持する見通しでゆるやかに景気は持ち直している」としています。

企業のオフィス選びに関する調査で、再生可能エネルギーの活用など環境に配慮した物件であれば、いまより賃料が上昇しても入居したいと考える企業が、東京都内では4割以上に上ったことがわかりました。

この調査は、日本政策投資銀行が、ことし8月から9月にかけて都内に本社を置く従業員が10人以上の企業、およそ200社を対象に行いました。

このうち、新型コロナをきっかけとしたリモートワークの定着などを受けて、オフィスを見直した企業や見直す予定があるなどとする企業は37%にのぼりました。

また、環境に配慮したオフィスに入居する場合、賃料の上昇を許容できるか尋ねたところ、環境対応を理由に賃料の上昇を受け入れると回答した企業は42%にのぼりました。

投資家や顧客などが企業を評価する際に環境への対応が重視されていることから、環境に配慮した物件に入居したいと考える企業が増えているということです。

日本政策投資銀行の岡井覚一郎都市開発部長は、「調査対象の9割は中小企業だったが、ビルのオーナーなどが想定する以上に企業の規模にかかわらず環境対応へのニーズが高いことが分かった。ゼネコンなどが取り組む脱炭素の建物作りの動きがさらに進むことが期待される」と話しています。

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