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日本銀行黒田東彦総裁は10日、気候変動対応に向けて中央銀行が取る措置は、権限の範囲内で市場の中立性を損なわないよう慎重に調整する必要がある、との見解を示した。

スウェーデン中銀の主催イベントにネットで参加した同総裁は、気候変動対策へ「何ができるか、何をするか」を国民に説明する準備も必要と指摘。「政府から独立した中央銀行は、無条件に気候変動に対応することはできない」とし、長期的観点から「責務の範囲内で自律的に措置を決定」しなければならないと述べた。

気候変動対応は持続可能エネルギーか化石燃料かの区別を必然的に伴うが、中銀は選挙で選ばれていないため、特定の産業ではなく経済全体に影響するようにしなければならないとの見方を示した。

日銀は金融政策で政府と協力すべきと定められており、これは気候変動に対しても適用されると黒田総裁は指摘。気候変動を巡る日銀に特定の責務はないが、対応は政府の措置に沿ったもので、「一般にも受け入れられている」と語った。