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5月停止説
米インフレ鈍化を示す証拠が今後さらに得られれば、FOMCは3月21、22両日の会合後に利上げ停止の可能性を検討する方向にあると考えられる。その次の会合は5月2、3両日に予定されている。これは特に注目されているタカ派の当局者であるウォラーFRB理事が先に提示した目安をベースにしたものだ。マクロポリシー・パースペクティブズのジュリア・コロナド社長は「今回の会合に向けてハト派寄りの当局者とハト派以外の当局者のいずれも0.25ポイントで問題ないとしているのは特筆すべきだ」と論評。利上げペースを一段と落とすことで、金融当局者はリスク管理モードに政策を移行することができ、需要に対する圧力は維持しながら、引き締め過ぎのリスクを減らすことになる。

信任投票
インドの資産家ゴータム・アダニ氏は、アダニ・グループの中核企業であるアダニ・エンタープライゼスの公募増資を成し遂げた。注目されていた25億ドル(約3300億円)の公募増資は、米空売り投資家ヒンデンブルグ・リサーチが指摘した不正疑惑に揺れたが、アダニ氏はそれを完遂したことで一息ついた格好だ。公募増資の完了はアダニ氏に勝利をもたらしたものの、アダニ・グループのガバナンスに対する投資家の不安を完全に払拭したわけではなさそうだ。公募増資の大部分はアブダビ首長国のIHCを含めた既存の株主や機関投資家が引き受けており、リテール投資家のプレゼンスは著しく弱かった。

後継問題
2008年にロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に対する警鐘を鳴らしたスコット・ペン氏は今、後継指標金利である担保付翌日物調達金利(SOFR)について警告している。アドボケート・キャピタル・マネジメントの最高投資責任者(CIO)を務める同氏によれば、SOFRに連動するデリバティブ金融派生商品)を利用できる投資家を制限するような指針が、銀行のバランスシートに意図せぬリスクを積み上げている。指針が変更されなければ、金融市場の円滑な機能に対する大きなリスクになり得るとペン氏は主張。「現時点では頭痛の種という程度だが、リスクポジションがどんどん大きくなれば、ある時点でシステミックな問題になる」とペン氏は述べた。

オリジナル
著書「ブラック・スワン」で2008年の金融危機を予言したナシーム・ニコラス・タレブ氏は「ディズニーランドは終わり、子供は学校に戻る」と投資家に警告を発した。超低金利時代が巨大な資産バブルをつくり出し、不平等を加速させたと主張。投資家は高金利の世界に戻る用意がほとんど整っていないとの見解を示した。金融危機で緩和マネーがあふれたため、過去15年で投資家はキャッシュフローの重要性を忘れたと論じ、仮想通貨は低金利時代が続いた市場の甘さを表していると指摘。「この数年、資産は恐ろしく膨張した。腫瘍のようにだ。この表現が最も適していると思う」と語った。

水の泡
ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は、投資家がインフレリスクを過ぎ去ったものとして見なすのは時期尚早で、金融環境の緩和がインフレを再燃させかねないと懸念を示した。「市場が先走り過ぎているのではないかとやや不安になる」とブルームバーグテレビジョンで語った。「市場はインフレが終わったかのような価格設定になっているが、これは自ら実現を阻む予言かもしれない」と指摘した。「インフレの脅威が過ぎ去ったという認識から金融市場の環境は大きく緩んだが、これは実際にある程度のインフレを再燃させ得る」と分析した。

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