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石川県の護憲派市民グループ「石川県憲法を守る会」は6年前、憲法施行70年の憲法記念日に市役所前の広場で集会を開こうと金沢市に申請をしましたが許可されず、「憲法が保障する集会の自由の侵害にあたる」と主張して、市に賠償を求めました。

1審と2審は「市役所前の広場は庁舎の一部に当たり、使用許可の判断は庁舎管理権のある市長の裁量に委ねられる」として、不許可の決定は憲法には違反しないと判断し、訴えを退けました。

21日の判決で最高裁判所第3小法廷の長嶺安政裁判長は、広場は市役所と一体的に管理されているとしたうえで「庁舎はあくまでも公務を行う施設であり、政治的対立がみられる論点の集会が開かれることで中立性に疑いが生じて、業務の遂行に支障が出るおそれがある」と指摘しました。

そのうえで金沢市の庁舎管理の規定は集会に使うことが目的に含まれている施設まで使用を禁止しているわけではなく、集会の自由の制限は限定的だ」として、広場の使用を認めなかったことは憲法に違反しないと判断し、市民グループの上告を退けました。

裁判官5人のうち1人は「2審で審理をやり直すべきだ」とする反対意見を述べました。

判決に反対する意見を述べたのは、学者出身の宇賀克也裁判官です。

宇賀裁判官は「広場は市民の憩いの場としての利用を目的に整備されたことがうかがわれ、集会にも使われている。市役所の庁舎に隣接しているとはいえ、壁や塀で囲われておらず、広場という名称からも『公の施設』の性格を失ったとはいえない」として、判断にあたっては、庁舎の管理規定ではなく公の施設に関する規定を適用するべきだと指摘しました。

そのうえで「集会は祝日に開かれる予定で市の業務への影響はない。市が不許可にしたのは中立性に疑問を持たれるという、抽象的なおそれに尽きていて、正当な理由には当たらない」と述べ、2審判決を取り消し、審理をやり直すべきだとしています。

さらに「集会で発言される可能性がある内容を理由に不許可にすることは言論の自由の事前抑制になるので、ヘイトスピーチや特定の個人を侮辱するおそれがある場合以外は認められない」と述べました。

#法律(最高裁・集会の自由・金沢市役所前広場護憲集会不許可事件)