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イランとサウジアラビアの両政府は10日、国営メディアを通じて互いの大使館を再開させて外交関係を正常化させることで合意したと発表しました。

それによりますと、両国は、中国の仲介のもと北京で協議を開いたということで中国も含めた3か国の共同声明で互いの主権を尊重することなどを確認したということです。

両国は2016年にサウジアラビアイスラムシーア派の指導者が処刑されたことをきっかけにイランにあるサウジアラビア大使館が襲撃され、外交関係を断絶していました。

中東の地域大国である両国が関係を正常化することで事実上の代理戦争の場となっていたイエメンの内戦の和平など地域の緊張緩和につながるかが焦点となります。

一方、中国としては原油の輸入などで関係を深めている両国を仲介することで中東での存在感を高める狙いもあるとみられます。

イランとサウジアラビアは長年、豊富な石油資源を背景に中東で影響力を持ち、それぞれが覇権を握ろうと、争ってきました。

いずれの国もイスラム教の国ですが、サウジアラビアではスンニ派、イランではシーア派が主流で、宗派が異なっています。

2019年にはサウジアラビアの石油関連施設が攻撃され、原油生産にも影響が出ました。この事件をめぐっては、サウジアラビア政府は、イランが関与したと主張していますが、イラン側は否定しています。

両国の対立の影響は周辺国にも広がり、このうち、イエメンではサウジアラビアが政権側を支援する一方、イランが反政府勢力を支援し、事実上の「代理戦争」となってきました。

その結果、食糧不足や医療体制の崩壊など人道状況の悪化を招いてきました。今回の共同声明ではイエメン情勢については言及されていません。
今回の合意を受け、イエメンの内戦についても終結に向かうかが焦点です。

また、アメリカは対立するイランを孤立させるため、いわゆる「イラン包囲網」の構築を図ってきていて、イランと敵対するイスラエルサウジアラビアとの関係改善を後押ししていました。

今回、サウジアラビアがイランとの関係正常化に踏み切ったことで、アメリカやイスラエル外交政策にどのような影響が出るかも注目されます。

イランメディアによりますと、両国の関係正常化について、イラン側の代表として協議に臨んだ最高安全保障委員会のシャムハニ事務局長は「両国間の誤解を取り除いて未来を見据えることは、地域の安定化やイスラム圏の国々の協力の強化につながる」と評価した上で、中国の果たした役割に感謝したということです。

中国外務省によりますと、イランとサウジアラビアの代表団は3月6日から北京で協議を行っていたということです。

協議最終日の10日は、外交を統括する王毅政治局委員が式典に立ち会い、中国外務省のホームページには、王氏が、両国の高官と手を取りあっている写真が掲載されています。

このなかで、王氏は「大きな成果が得られた。両国の外交関係の正常化は対話の勝利であり、平和の勝利だ。現在の激動する世界にとって大きな朗報だ」と強調しました。

そのうえで「中国は頼れる仲介者として責任を忠実に果たした。今後も世界の焦点となる問題を適切に対応するため建設的な役割を担い、大国としての役目を果たしていく」と述べました。

習近平国家主席は去年12月、中東のサウジアラビアを訪問しサルマン国王やムハンマド皇太子と会談したのに続いて、2月には北京でイランのライシ大統領とも会談しています。

産油国のイランとサウジアラビアはともに中東の地域大国で、中国政府としてはみずからの仲介により、7年にわたった断交を終わらせることで、アメリカの影響力が強かった中東地域における存在感を高める狙いがあるとみられます。

イランとサウジアラビアが外交関係を正常化させることで合意したことを受けてアメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は10日、記者団に対し「中東地域における緊張緩和につながるいかなる取り組みも歓迎する」と述べました。

その一方で、イランが合意を尊重するかどうかを注視していく必要があるとして懐疑的な見方も示しました。

また、今回の合意についてアメリカは事前にサウジアラビアから情報を得ていたものの、直接、関与していないとしています。

中国が仲介を務めたことについては「イランを交渉のテーブルにつかせたのは中国の呼びかけだけでなく、国内外からの圧力だと考えている」と述べました。

一方、アメリカが後押ししていた、イランと敵対するイスラエルサウジアラビアとの関係改善については「今回の合意がどのような影響を与えるかわからないが、引き続き関係改善を支援していく」と述べています。

また、バイデン大統領はこれに関連し「イスラエルアラブ諸国の関係がよくなれば皆にとってよいことだ」と述べました。

イランとサウジアラビアは10日、双方の安全保障関係高官が北京で会談し、外交関係の再開で合意した。

イラン、サウジ、中国が発表した声明によると、イランとサウジは外交関係を再開し、2カ月以内に大使館を再開させることで合意。国家主権の尊重と内政不干渉が強調されているという。

また、2001年に締結した安全保障協力合意のほか、通商・経済・投資に関する合意の始動でも合意した。

中国外交担当トップ、王毅氏は、今回の合意について対話と平和の勝利とし、中国は世界の困難な問題に対応するために建設的な役割を果たし続けると述べた。

ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は10日、サウジからイランとの外交再開に向けた協議について報告を受けていたが、米国は直接関与していなかったと指摘。今回の合意はイラクオマーンで行われた協議を含む数回の協議の結果との見方を示し、米国はイエメン内戦やイラン侵略の終結に向けたこの過程を支持し続けてきたと述べた。

また、ホワイトハウスは、イランなどからの攻撃に対するサウジの効果的な抑止を含む内外の圧力が最終的にイランを協議の場に着かせたと考えているとした。

イランは中東を代表するイスラムシーア派国家でサウジはイスラムスンニ派の大国。両国関係は、サウジによるシーア派聖職者の処刑を巡り緊張、2016年にテヘランのサウジ大使館が襲撃されたことを受けサウジがイランと断交した。

合意に署名したイランのアリ・シャムハニ氏は、中国の仲介を称賛した。またサウジとイランは21年と22年に協議を主宰したイラクオマーンにも謝意を示した。

イランのアブドラヒアン外相は、サウジ・イランの関係正常化は両国および中東に大きな展望をもたらすと指摘。ツイッターで「イラン政府の外交政策の重要な軸である近隣国に対する政策は、正しい方向に力強く進行しており、外交組織はより地域的な段階への準備を積極的に進めている」と述べた。

イラン高官は、サウジとの緊張関係に対する対応はここ数カ月でイラン政府にとって最優先事項となっていたと言及。これによりイランの核開発計画を巡る協議の解決につながるとし、「イランと核合意に達するよう西側諸国に促すことになる」とした。

また、イランの安保当局者はロイターに、サウジとの国交回復は、最高指導者、ハメネイ師の承認を得ていると述べた。

オマーンのバドル・アル・ブサイディ外相はツイッターで、サウジとイランの国交再開は「誰にとっても『ウィンウィン(相互利益)』であり、地域と世界の安全保障に恩恵をもたらす」と述べた。

#斯沙(外交関係正常化・中国)

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