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一般会計の総額が過去最大の114兆円あまりとなる新年度=令和5年度予算は、参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党などの賛成多数で成立しました。

新年度予算には、子ども子育て政策や脱炭素を推し進めるために必要な経費のほか防衛力の抜本的な強化に向けた費用も盛り込まれています。

重点施策などについて詳しくまとめました。

参院本会議で賛成多数で成立

新年度=令和5年度予算案は、28日に参議院予算委員会で締めくくりの質疑のあと採決され、自民・公明両党の賛成多数で可決されました。

これを受けて、参議院本会議では、まず討論が行われ自民党高橋はるみ氏は「出生数が80万人を下回り、国難ともいうべき少子化が進行する中、安心して結婚、出産、子育てができる社会づくりにつながる政策を推し進め、かつてないほど厳しさを増している安全保障環境の中、日本と日本国民を守り抜く意思を明確に示す予算となっている」と述べました。

一方、立憲民主党の村田享子氏は「防衛費は増額となる一方で、中小企業対策費や農林水産関係予算は前年比で減少となっている。総理は子ども予算を倍増すると公言してきたが、肝心の具体策については、国会の審議で明らかにせず、倍増の基礎となる予算の範囲についても不明なままだ」と述べました。

このあと採決が行われ、新年度予算は自民・公明両党などの賛成多数で成立しました。

岸田首相「速やかに執行に取り組む」

岸田総理大臣は、28日夜、総理大臣官邸で記者団に「早期成立に協力いただいた与野党をはじめとするすべての関係者に心より感謝申し上げたい。今後、速やかに予算の執行に取り組んでいく」と述べました。

また、28日の閣議で、物価対策などのため、今年度の予備費から総額2兆円余りの支出を決めたことについて「エネルギー・食料品価格の高騰などから国民生活と事業活動を守り抜くため、機動的かつ切れ目なく対応していく」と述べました。

一般会計の総額は過去最大

国会で成立した新年度・令和5年度予算は、防衛費の大幅な増額などで一般会計の総額が初めて110兆円を超え、過去最大の114兆3812億円となっています。

【歳出】防衛費が過去最大 社会保障費・国債費も

主な歳出では
▼防衛力の抜本的な強化のため「防衛費」が6兆7880億円と今年度を1兆4192億円上回って過去最大となったことに加えて、
▼これとは別に将来の防衛力強化にあてる「防衛力強化資金」に3兆3806億円を計上しました。

▼歳出の3分の1近くを占める「社会保障費」は高齢化などに伴って今年度より6154億円増えて過去最大の36兆8889億円。

地方自治体に配付する「地方交付税交付金」は、今年度より5166億円増えて16兆3992億円となっています。

また、
▼過去に発行した国債の償還や利払いにあてる「国債費」は、9111億円増えて25兆2503億円となりました。国債の発行残高の増加に伴ってこちらも過去最大です。

さらに
▼通常の予備費5000億円とは別に、新型コロナや物価高騰対策などに備えるため5兆円の予備費を計上しています。

【歳入】新たな国債発行は35兆円

歳入では▼税収が69兆4400億円と今年度の当初予算よりも4兆2050億円増えると見込んでいます。新型コロナで落ち込んだ企業の業績が回復傾向にあり、法人税の増収を見込んでいることなどが要因です。

また、▼9兆3182億円の税外収入を見込んでいるものの、それでも不足する▼35兆6230億円を新たな国債発行で賄います。

新規の国債の発行額は今年度の当初予算よりも1兆3030億円減りましたが、歳入全体に占める国債の割合は31.1%と依然として国債頼みの状況が続いています。

国債の発行残高は、新年度末には1068兆円となる見通しで、政府は、引き続き財政再建への取り組みが求められることとなります。

新年度予算の重点施策

新年度予算には、子ども子育て政策や脱炭素を推し進めるために必要な経費のほか防衛力の抜本的な強化に向けた費用も盛り込まれています。

【子ども子育て支援】「出産育児一時金」引き上げなど

まず子ども子育て政策です。

▼原則42万円が支給されている「出産育児一時金」を来年度から50万円に引き上げるため、国費による支援措置として76億円を盛り込みました。

また、▼保育士の負担を軽減するため規模の大きい保育所については追加で配置できる保育士を2人に増やすことができるよう従来の加算を拡充するため、13億円を盛り込みました。

【生活、暮らし】

暮らしに身近な予算ではマイナンバーカードを利用したコンビニエンスストアでの証明書の交付など、利便性を高める事業を推進するため500億円を計上しています。

このほか、旧統一教会に限らず幅広く霊感商法などの被害に対応するため、法律支援の充実や強化などとして、330億円を計上しています。

【脱炭素】「GX経済移行債」発行など

脱炭素に向けた取り組みを後押しするための施策も盛り込まれています。

▼政府は、脱炭素につながる民間投資を促すため、新たな国債、「GX経済移行債」を発行することにしていて、5061億円を予算に盛り込んでいます。

また、
▼長期固定型の住宅ローン「フラット35」で省エネ性能が特に優れた住宅を購入する人に融資する場合、金利を最大0.5%、引き下げる優遇措置を設けるなど、建物の脱炭素を進めるために、980億円を計上しています。

このほか、
▼国内の二酸化炭素排出量のおよそ2割を占める運輸部門の脱炭素化を進めるため、事業者による電動のトラックやタクシーの導入を支援する経費として136億円を盛り込みました。
【経済成長後押し】リスキリングの強化など
経済成長を後押しするため
▼新たな価値を生み出すスキルを身につける「リスキリング」の強化に向けた費用として1138億円を盛り込み、
▼従業員のデジタル技術などの習得に取り組む企業に年間最大1億円を助成します。

【防衛力強化】

防衛力の強化に向けて、「反撃能力」を行使するために敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」として
アメリカの巡航ミサイル「トマホーク」の取得に2113億円。

▼国産のミサイル「12式地対艦誘導弾」の改良開発・量産に1277億円が計上されました。

このほか、
▼装備品の維持整備費に今年度の1.8倍となる2兆355億円、
▼弾薬の取得に3.3倍となる8283億円、
自衛隊施設の整備費に3.3倍となる5049億円が計上されています。

後半国会の焦点は

後半国会では、物価高騰対策のほか、政府が今週中にもたたき台をまとめることにしている少子化対策の具体策や財源などをめぐって、与野党の論戦が行われる見通しです。

そして、原発の運転期間を実質的に延長できるようにする法案や、防衛費の増額に向け「防衛力強化資金」を創設するための法案などの審議も焦点となります。

一方、野党側は、放送法が定める「政治的公平」の解釈に関する総務省の行政文書についても追及を続ける構えです。

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