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先の臨時国会では、旧統一教会との関係や政治とカネをめぐる問題などで、閣僚3人が相次いで辞任し、秋葉復興大臣も政治資金をめぐる問題などが相次いで明らかになりました。

野党側は、秋葉大臣を更迭するよう求めていましたが、岸田総理大臣は秋葉大臣本人が説明責任を尽くすべきだという考えを繰り返し示してきました。

しかし、自民党衆議院議員だった薗浦健太郎氏が22日、政治資金規正法違反の罪で略式起訴されたこともあり、政府・与党内では、来年1月に召集される通常国会でも引き続き「政治とカネ」の問題が議論になるといった見方が出ています。

そして、今の体制のまま、通常国会に臨めば、来年度予算案の審議などに影響しかねないとして、1月の召集前に秋葉大臣を交代させるべきだという声が強まっていて、今後、具体的な調整が進められる見通しです。

秋葉復興大臣は、閣議のあとの記者会見で「私が決めることではないのでコメントできない。とにかく復興が実感できるように、しっかり施策を前に進めていくことに尽きる」と述べました。

また、秋葉復興大臣は、臨時閣議のあとの記者会見で「人事については、私が権限を持っているわけではない。この4か月余りで27回、被災地に足を運んだ。私自身が被災地出身の議員でもあるので、被災3県の実情は誰よりも詳しいと自負している。とにかく復興が目に見える形で先に進むよう、職責に全力投球することに尽きる」と述べました。

岸田総理大臣は、総理大臣官邸を出る際に記者団から「一部閣僚の交代や内閣改造が近々あるとの報道があるが、考えを聞かせてほしい」と声をかけられ「私は考えていません」と答えました。

共産党の小池書記局長は、記者団に対し「大臣の資格がないことははっきりしているので辞任させるのは当然だが、辞めさせれば済む話ではない。任命権者である岸田総理大臣の責任は明確にあり、次から次へと大臣が辞任して内閣の体をなしておらず、総辞職して退陣すべきだ」と述べました。

自民党の二階元幹事長は、TBSのCS番組「国会トークフロントライン」の収録で、内閣支持率の低迷が続く岸田政権の局面打開策として、来月召集される通常国会の前に、内閣改造を行うことも選択肢の1つになるという認識を示しました。

この中で自民党の二階元幹事長は、内閣改造について「目先を変えて、局面や流れを変えるという意味ではいいかもしれない。1つの手だ」と述べました。

そのうえで、内閣改造に踏み切る場合は、来月召集される通常国会の前が望ましいという考えを示しました。

一方で「思い切った人材の登用などを行えばいいが、派閥順送りのようなことをやったのでは国民は見抜く。『ボー』とやったのではダメだ」と指摘しました。

また、衆議院の解散・総選挙について「サミットは歴史的な行事なので、これを区切りにするのも1つの考え方で、大いにチャンスだ」と述べ、来年5月の「G7広島サミット」後の実施も選択肢の1つだという認識を示しました。

このほか、防衛費増額の財源を賄うための増税について「唐突という感じがあるが、防衛はしっかりやらないといけないという気持ちは国民の奥底にみんなあるので、丁寧に協力を呼びかけていけば分かってもらえる。『防衛費が必要だ、行くぞ』というような調子で進めるのはまずい」と述べました。

NHK党のガーシー参議院議員は、UAEアラブ首長国連邦に滞在しているとして、当選後、一度も国会に登院していないことから、参議院議院運営委員会の石井委員長は、欠席の理由を書面で回答するよう求めました。

ガーシー議員は、回答期限の23日までに石井委員長に書面を提出しました。

書面では「海外で政治活動をするという公約を掲げて当選した。海外でSNSを利用してあらゆる不正を暴露し裁くことで、この国の不満を解消していくことが私に投票した皆様との約束で、海外から国会議員の仕事は可能だ」としています。

また、来年は帰国して通常国会への出席を検討しているものの、時期は未定だなどとしています。

立花党首は記者会見で「本音としては日本に戻ってきてほしくないし、戻ってくることはないと考えている。私が選挙に立候補してほしいとお願いしたので、すべての責任は私にある」と述べました。

政府は23日、歳出総額が11年連続で過去最大となる2023年度一般会計予算案を閣議決定した。新設の防衛力強化資金を一括計上することで防衛関係費が膨らみ、年度当初比での増加幅は歴史的な水準となる。年初からの急ピッチな円安を反映し、外交・防衛予算の為替前提は1ドル=137円と、比較可能な2010年度以降でもっとも円安に振れた。

同日夕の臨時閣議で正式決定した。歳出のうち、一般歳出は年度当初比5兆3571億円増の72兆7317億円とした。

新たな防衛力整備計画初年度となる23年度の防衛関係費を増やすほか、財源確保法の整備を踏まえて創設する防衛力強化資金への一括繰り入れが歳出を押し上げた。歳出の3割を占める社会保障関係費は36兆8889億円とした。

国債発行残高の累増で利払い負担が増えることも響き、歳出全体の伸びは、直近ではリーマン危機後の2009年度当初(5兆4867億円増)を超える異例の規模となる。年明けの通常国会に予算案を提出し、年度内の成立を目指す。

歴史的な円安進行を受け、主に外交・防衛予算を編成する際の「外国貨幣換算率(支出官レート)」は137円に設定した。

22年度の108円からは29円の円安水準となるが、想定より円安に振れた場合には在外公館の経費や装備品購入で海外送金を行う際、円ベースでの支出が膨らみ、補填(てん)金などによる追加対応が必要になる。

<公債依存度は低下>

歳入では、税収を69兆4400億円と想定。22年度当初からは4兆2050億円の伸びで、4年連続で過去最大を更新する見込みだ。税外収入では防衛財源4兆5919億円も含め、9兆3182億円を計上する。

差額を埋める新規国債は22年度当初比1兆3030億円減の35兆6230億円とした。建設国債を6兆5580億円、赤字国債を29兆0650億円発行する。自衛隊施設整備に4343億円の建設国債を充てることも固めた。

予算案の公債依存度は31.1%(22年度当初は34.3%)に低下する。

【安全保障・外交】

・日本を取り巻く安全保障環境を踏まえ、新たな国家安全保障戦略などを策定。5年間で防衛⼒を抜本的に強化するため、43兆円の防衛⼒整備計画を実施。防衛⼒を安定的に維持するための財源を確保

・主要7カ国(G7)広島サミットや⽇本・ASEAN東南アジア諸国連合)友好協⼒50周年などを⾒据え、「新時代リアリズム外交」を展開するための予算を確保(外務省予算:5年度7560億円、4年度補正と合わせ1兆0233億円)

・地⽅交付税交付⾦は、リーマンショック後最⾼の18.4兆円を確保

【地⽅・デジタル⽥園都市国家構想】

・デジタル⽥園都市国家構想交付⾦(23年度1000億円+22年度補正800億円)により、⾃治体のデジタル実装の加速化や、デジタルの活⽤による観光・農林⽔産業の振興など地⽅創⽣に資する取り組みを⽀援

【こども政策】

・来年4⽉にこども家庭庁を創設

・出産育児⼀時⾦を42万円から50万円に引き上げ

・妊娠時から出産・⼦育てまで⼀貫した伴⾛型相談⽀援と、妊娠・出⽣を届出た妊婦・⼦育て家庭に対する経済的⽀援(計10万円相当)をあわせたパッケージを継続実施

【GX】

・「GX経済移⾏債」の発⾏により、⺠間のGX投資を⽀援する仕組みを創設

・2050年カーボンニュートラル⽬標達成に向けた⾰新的な技術開発やクリーンエネルギー⾃動⾞の導⼊などの⽀援を開始

【メリハリの効いた予算】

社会保障関係費+4100億円程度(⾼齢化による増、年⾦スライド分+2200億円程度除く)

社会保障関係費以外+4兆7400億円程度(税外収⼊の防衛⼒強化対応4兆5900億円程度を除き、+1500億円程度)

・新規国債発⾏額を減額(22年度当初36.9兆円→23年度35.6兆円)

政府は、自民・公明両党が今月16日にまとめた来年度の税制改正大綱を23日、閣議決定しました。

今回の税制改正大綱には、防衛力の抜本的な強化に必要な財源として、5年後の2027年度に1兆円余りを確保するとして、法人税所得税、たばこ税の3つの税目で増税などの措置を複数年かけて実施することが盛り込まれました。

このほか、個人投資家を対象にした優遇税制「NISA」は、非課税で保有できる期間の制限をなくしたうえで、限度額を1800万円に拡充します。

また、車検の際にかかる自動車重量税を減免する「エコカー減税」について、今の制度を来年末まで据え置いたうえで、その後は、対象となる車の燃費基準を段階的に引き上げながら、2026年4月まで延長します。

さらに、来年10月から消費税のインボイス制度が始まるのに合わせて、フリーランスなど年間の売り上げが1000万円以下の事業者が「課税事業者」になった場合、仕入れなどで払った消費税がいくらであろうと、売り上げにかかる消費税のうち、一律で2割だけ納めればよいという軽減措置を3年間導入します。

政府は、大綱の内容を盛り込んだ税制関連法案を年明けの通常国会に提出することにしています。

ことし10月、在日アメリカ軍横須賀基地での労災をめぐる裁判で、国の指定代理人を務める南関東防衛局の職員が、横浜地方裁判所横須賀支部で行われた「弁論準備」と呼ばれる非公開の手続きで、ICレコーダーを使って禁じられている録音を行っていたことが分かっています。

防衛省は23日に調査結果を公表し、この職員が去年7月からことし9月にかけて、ほかにも4つの民事訴訟で、合わせて20回、無断で録音を行っていたことを明らかにしました。

職員は調査に対し、「禁止行為と認識していたが、正確な記録を作成するために録音した。裁判を有利に進める意図はなかった」と話しているということです。

また、防衛省が国の指定代理人に指定されているすべての職員、およそ300人に聞き取りなどを行ったところ、ほかにも3人の職員が、平成27年10月からことし4月にかけて、合わせて4つの民事訴訟で8回、無断で録音をしていたことが分かったということです。

防衛省は「職員が規則に反する行為をしたことを厳粛に受け止め、処分については事実関係に基づき厳正に対処する」としています。

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