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日銀の植田新総裁は10日夜、就任の記者会見を開き、長期金利短期金利に操作目標を設けて金融緩和策を行う今の枠組みについて、「継続するということが適当であると考えている」と述べ、大規模な金融緩和を継続し、2%の物価安定目標の実現を目指す方針を示しました。

また、目標達成の時期について植田新総裁は、現時点では見通せないとしつつも、「賃金でも少しよい動きが出ている。目標の達成につながる可能性は十分ある」と述べ、任期中の目標達成に向け全力をあげる考えを示しました。

任期が始まったばかりの植田新総裁は、このあと今週12日と13日にアメリカ・ワシントンで開かれるG20=主要20か国の財務相中央銀行総裁会議に出席し、海外の中央銀行のトップらと、欧米で広がった金融不安への対応などについて意見を交わすことにしています。

さらに今月27日と28日には、就任後初めてとなる金融政策決定会合に臨みます。

市場の一部には、日銀が総裁の交代を機に金融緩和策を修正するのではないかという観測も出ているだけに、植田新総裁が今後の金融政策について、さらに具体的な方針を示すかどうかが焦点となります。

日銀の植田和男総裁は10日夕、岸田文雄首相と会談後に記者団の取材に応じ、2013年に発表した政府・日銀の共同声明について「直ちに見直す必要はないという点で一致した」と述べた。

植田総裁は、岸田首相との会談内容について、日銀と政府が不確実性が高い現在の情勢の中で意思疎通を密にし、経済情勢に応じた機動的な政策運営を行っていく点を確認したと説明。13年の共同声明に関して、「政府・日銀それぞれで適切な施策をおこなってきた結果、デフレでない状況を作り出している。従って共同声明の考え方は適切であって直ちに見直す必要はないという点で一致した」と語った。

岸田首相は会談後、記者団に「(政府・日銀で)これからも緊密に連携していくことを確認した」と述べた。

#日銀(植田総裁・新体制始動)
#アベノミクス#リフレ#金融政策#円安政策(植田日銀総裁・継続)

帝国データバンクが10日に公表した調査によると、2022年度の「物価高倒産」は463件と、前年度の136件から3.4倍に増加したことが明らかになった。22年度の物価高に起因し、価格転嫁が難しい企業を中心に倒産が確認された。

法的整理企業のうち、原材料などの仕入れ価格上昇、価格転嫁ができない値上げ難などで収益が維持できずに倒産した企業を集計した。

業種別にみると、製造業(96件)、建設業(94件)、運輸・通信業(83件)など、価格転嫁率の低い業種が目立った。負債規模別にみると、「1億─5億円未満」が205件となり、中規模以上の倒産が目立った。要因別では、原材料が37.4%と最多で、エネルギーコスト(23.7%)、包装・資材(20.4%)と続いた。

また、物価高による23年3月単月の倒産件数は67件と前月より急増し、9カ月連続で最多を更新。今後も増加傾向で推移していくと予想している。

22年度の全国企業倒産は前年比14.9%増の6799件と、リーマン・ショック時の2008年度以来14年ぶりに前年度から800件以上大幅増加した。負債総額は前年度比97.7%増の2兆3385億9100万円と、2017年度以来5年ぶりに2兆円台となった。

業種別では14年ぶりに全業種で前年度を上回り、サービス業が最多となったほか、小売業も続き、コロナ関連の倒産が目立った。主因別にみると、「不況型倒産」が5249件と全体の77.1%を占めた。「経営者の病気、死亡」は過去20年間で最も多かった2021年度を上回り過去最多を更新、0.7%増の277件だった。

#経済統計(日本・物価高騰倒産)