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財務省は昨年度・2022年度の貿易統計を発表し、原油などエネルギー価格の上昇や記録的な円安の影響で貿易赤字は20兆円を超えて過去最大となりました。

発表によりますと昨年度1年間の輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、21兆7285億円の赤字となりました。

赤字額は2021年度の3.9倍に拡大し、16兆1000億円あまり増えて比較が可能な1979年度以降で最大となりました。

これまで最大だった2013年度の赤字額と比べても7兆9000億円あまり多くなっています。

ロシアによるウクライナ侵攻を背景に原油LNG液化天然ガスなどが値上がりしたことに加えて、一時、1ドル=150円を超える水準まで進んだ記録的な円安もあり、円建ての輸入額が押し上げられました。

このため、昨年度の輸入額は120兆9550億円と過去最大となりました。

一方、輸出額は、自動車や半導体などの電子部品が伸びて99兆2265億円とこちらも過去最大となりました。

それでも、輸入額の増加が大きく上回った結果、貿易赤字が膨らみました。

また、先月・3月の貿易収支は、7545億円の赤字となりました。

貿易赤字は20か月連続で、赤字額は去年の同じ月よりも2896億円増えました。

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#経済統計(日本・貿易収支)

#経済統計(日本・実質輸出入)

日銀は全国の景気の現状を3か月ごとにまとめている「地域経済報告」を公表し、9つの地域のうち「東海」で景気判断を引き上げ、「東北」で引き下げました。
一方、北海道、北陸、関東甲信越、近畿、中国、四国、九州・沖縄の7つの地域で景気判断を据え置きました。

#経済統計(日本・さくらレポート

植田和男総裁に交替したことで、大多数の市場関係者が何となく、日銀の金融政策を歓迎するムードになっている。このムードは、黒田緩和が抱えてきた問題を見過ごしやすくさせている。

黒田東彦総裁時代の後半に問題だったのは、為替レートが円安方向に向かいやすくなることだった。これは、円安バイアスと言い換えられる。円安バイアスは、輸入物価をさらに上昇させやすくして、日本国内の食料品やエネルギー価格の上昇に拍車をかけた。この傾向は、植田総裁の下であっても、当面は続いていく可能性が高い。

<「安い日本」が進む>

植田総裁が円安バイアスについてどう考えるか、という問題は後に置いておいて、まずは黒田時代にどれだけ「安い日本」が進んだのか確認しておきたい。

黒田総裁の就任前(2013年2月)とその10年後(2023年2月)を比べると、消費者物価指数(CPI)はわずか10.5%%しか上昇していない。同じ期間にドル/円レートは47.2%%も円安に振れた。

米国のCPIは、円ベースで計算して、この10年間に1.91倍も上昇している。日米物価格差は何と1.72倍まで拡大した計算になる。この倍率は、日本人が米国の物価に対して、どれだけ割高に感じるようになったかという格差でもある。

裏返して見れば、米国人は日本の物価を10年間で42%も割安に感じるようになった。「安い日本」を演出したのが、黒田緩和のもう1つの顔なのだ。

<全面安になった円>

「安い日本」は対米国だけで進んだわけではない。対欧州連合(EU)ではどのくらいかを計算すると、日本とEUの格差は1.37に拡大している。欧州の人々は、27%ほど日本を安く感じている。

日本と中国の格差は1.43倍。中国人は、30%ほど日本を安く感じている。ほかにも、英国や韓国も日本を割安に感じている。日本は全面安になっているのだ。

この差は、日本人が海外に旅行や出張、留学などに行ったときに「何だか高いな」と感じさせる要因となる。これは円の購買力の割安感とイコールなのである。

この格差が著しく広がったのは、コロナ禍の2020年春以降である。海外では物価上昇が進んだ。ドル/円レートは、2022年春から急激に円安に向かった。

当初、海外でインフレになると、通貨は下落するから、円安ではなく円高になるはずと考える人もいただろう。購買力平価という考え方ではそうなる。

しかし、実際は、金利差の方に為替は反応する。日本だけがイールドカーブ・コントロール政策(YCC)で長短金利を低位にくぎ付けにしていた。その間、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが進み、2022年春以降に急激な円安を生み出した。

あえて言えば、このときに黒田総裁は一貫して緩和継続を強調した。それが円安バイアスを生んで、「安い日本」に拍車をかけたのだ。

<慎重な植田総裁>

国会での所信表明を聞き、就任会見を経て、植田総裁の政策姿勢が次第にわかってきた。安定的な2%の物価上昇の達成に意欲を示しつつも、政策修正には少し時間をかける意向だ。米銀不安など外的ショックも加わって、就任早々の4月末に長期金利の上限引き上げは行いそうにない。

すると、ドル/円レートは再び円安バイアスが働きやすくなる。3月上旬に米銀不安が起こり、1カ月くらいは円高方向に戻すことはあった。しかし、不安が後退していくと、130円台後半へと動かされていく。背景には、植田総裁の政策修正への慎重さが徐々に伝わってきたことがある。

植田総裁が緩和継続を強調することは、円安を通じて、輸入物価を押し上げるだろう。 輸入物価は、黒田総裁の時代から大きな内外価格差があり、日本にとっては物価上昇圧力になる。そこに円安がさらなる上昇圧力をかける。

植田総裁は、2023年度後半に2%の上昇率を割り込んでくる可能性を示唆してきたが、円安が促されると今度は2%以上になっていくこともあり得る。

そこで、すぐに2%の達成を宣言せずに「見極めに時間を要する」と慎重姿勢を述べれば、CPI上昇率は2%以上で推移するだろう。実は、そうした政策運営は、円安をテコにして物価上昇を演出した黒田総裁とあまり差がないことになる。「安い日本」も続くということだ。

<学者らしくあった方がよい>

過剰とも思える円安バイアスは、「安い日本」を生み出し、日本人の購買力を海外流出させてしまった。これは、交易条件の悪化として、あまり歓迎できない。

筆者は、「円高が好ましい」と言っているのではなく、行き過ぎた円安も行き過ぎた円高と同様によろしくないと考えている。植田総裁は、こうしたゆがみの是正にまで歩を進めていくのだろうか。

植田総裁は、就任会見で興味深いことを述べていた。「学者の場合、学者として面白いこと、正しいことを書かないといけない。これに対して、政策担当者は関係する全てのことを考慮していかないといけない」と答えていた。

これは正論なのだが、多くの人が植田総裁に求めているのは、むしろ前者の学者らしさの方だと感じる。実務家は、すでにある前提や状況に縛られて、何もできずに任期を終わることが多い。植田総裁には学者らしく正しいことを大胆に行ってほしい。

学者時代の植田総裁は、日本経済の潜在成長率を上げなくてはいけないと語っていた。そして、政策金利が低過ぎるとと、金融政策の効果がほとんど発揮できないとも語っている。

植田総裁に求められることは、黒田総裁の時代に縛られた金融政策から「できるだけ早期」に脱却することだろう。そして、潜在成長率を引き上げるような提言も積極的に行った方がよい。状況に縛られると何もできなくなると思う。

#アベノミクス#リフレ#金融政策#円安政策(熊野英生・安い日本)

玉木林太郎・元財務官はロイターとのインタビューで、新体制が始まった日銀の金融政策について、現行の大規模緩和の修正に早めに着手すべきと指摘した。中でも長短金利操作(YCC)の見直しが最優先で、秩序を保ちつつも市場が織り込まないよう不意を突く形で打ち出す必要があるとした。

現在は国際金融情報センター理事長を務める玉木氏は、日銀について「新総裁就任でモメンタム(勢いが)あるが、半年や1年たつと消えてしまう。ずるずると現行の政策が抱えている課題を蓄積しないように多少の痛みあってもやるべきことをやる必要がある」と述べた。

米銀2行の破綻などで金融システムへの不安が広がり、政府や与党からは日銀による政策修正の先送りを望む声も聞かれる。しかし、玉木氏は「新発国債を日銀が買い上げ、無理な政策を続けることで金融機関は利回り追求行動に走らざるをえなくなり、債券 株式市場もスポイル(甘やかせて駄目に)されたままだ」と指摘。先送りすべきではないとの考えを示した。

日銀は黒田東彦前総裁下で国債の大量購入に始まり、上場投資信託ETF)の買い入れ拡大やマイナス金利、YCCなど新たな緩和策を次々と導入した。ETF買いで日銀は日本株の最大の保有者となり、マイナス金利は金融機関の利益を圧迫、YCCは国債市場の機能を低下させたと副作用が指摘されている。

玉木氏は「全部一緒に解決はできない」とした上で、当面の課題は「時系列的に一番最後に日銀が導入したYCCをどのように秩序だって修正できるか」と語った。修正のタイミングには触れなかったが、事前に報道が出るなどすると市場が織り込むため、「多少のサプライズも日銀の芸のうち」と語った。

金融システム不安を理由に緩和修正を先送りすべきではないとする一方で、シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの経営危機は特殊ケースとみるべきではないとした。「事態を小さく見過ぎるリスクがある」とし、「根っこには長い金融緩和で大量のマネーが流れ出たことの反動で、リスクは決して特殊なものでない」と語った。

2009年から2年間財務官を務めた玉木氏は、スリランカなど新興国の債務問題にも言及。中国が日米欧で構成する主要債権国会議(パリクラブ)への参加を明言しないのは、「西側の利害を体現したメカニズムだから」と指摘。「2国間の債権を複数国の債権に劣後させるのは、米国中心の国際通貨基金IMF)体制を守ろうとのメッセージだ」と中国は主張していると説明した。

玉木氏は「中国やインド、ロシアなどいくつかの国々は、米欧主導の国際金融体制にチャレンジしようとの考え方を明確にしており、戦後国際金融処理体制の肝のところに、議論の焦点が迫っている」と解説した。

#アベノミクス#リフレ#金融政策#円安政策(YCC)
#経営破綻(銀行・シリコンバレーバンク)
#経営不安(銀行・クレディ・スイス
#戦後国際金融処理体制(玉木林太郎元財務官)
#アベノミクス#リフレ#金融政策#円安政策(玉木林太郎元財務官)

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#アベノミクス#リフレ#金融政策#円安政策(岸田首相・実質賃金)

日本証券業協会は毎月、日本国債などの売買状況を投資家別にまとめています。

このうち、外国人投資家が日本国債を買った額は売った額を大きく上回り、短期国債を除くと6兆830億円の買い越しとなりました。

買い越し額は2004年4月以降では最大になったということです。

買い越し額が増えたのは、アメリカで銀行破綻が相次ぐなど欧米の金融不安が広がったことで、比較的安全な投資先として日本国債に買い注文が膨らんだことが要因です。

日銀が近く、金融緩和策を修正するのではないかという観測を背景に、去年から日本国債の売り圧力が強まっていましたが、日銀が先月、金融緩和の維持を決めたことで売り注文の勢いが鈍ったことも影響したとみられます。

ただ、昨年度1年間の売買状況を見ると、外国人投資家は、13兆2000億円余りの大きな売り越しとなっています。

市場関係者は「海外の投資家の間では、日銀がいずれ政策を修正するという観測がくすぶっている」と話しています。

#日本国債(売買状況)