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ドイツの自動車メーカーが、18日に開幕した世界有数の自動車展示会「上海国際自動車ショー」に全精力を注いでいる。電気自動車(EV)時代に優位に立つには、中国で成功できるかが勝負の分かれ目になるとみているためだ。

今年の上海国際自動車ショーは、フォルクスワーゲン(VW)が取締役会メンバー全員に加えて従業員100人余りを現地入りさせるなどドイツ勢の存在感が際立ち、日本勢やフランス勢と対照的だ。コンサルティング会社オートモーティブ・フォーサイトのエール・ツァン氏は、ドイツメーカーが課題を深刻に受け止めている証左だと指摘する。

ドイツメーカーは乗用車販売の3分の1を中国に依存しており、ここで敗北した場合の打撃も最も大きい。

BMWのオリバー・ツィプセ最高経営責任者(CEO)は記者会見で「われわれの車は機能の多くが中国に触発されたものだ」とし、中国市場は世界の潮流の先を行っていると述べた。

内燃機関の全盛時代、中国でドイツ車は技術的に世界の頂点にあるとみなされていた。ツィプセ氏の発言は、圧倒的なスピードでEV技術の開発を進めた中国メーカーにドイツメーカーが学ぶ時代へと、業界の勢力図が大きく変わったことを示している。

VWの経営陣は、他を圧倒する事業規模が低価格EVの販売競争を勝ち抜く上で追い風になるとみている。しかし、販売で負ければ生産能力の大きさは足かせになり得る。中国のEV大手、比亜迪(BYD)は今年に入り、中国でのシェアがVWブランドを上回っている。

ドイツメーカーは中国のEV市場でシェアが上昇しているが、まだまだ小さい。ロイターが中国汽車工業協会(CAAM)の販売統計をもとに計算したところ、中国EV市場におけるアウディBMW、VW、メルセデス・ベンツのドイツメーカー4社の合計シェアは2022年が4.8%で、20年の2.2%から拡大した。しかし、4ブランドのEV販売を全て合わせてもBYDの4分の1にすぎない。

ドイツ自動車工業会(VDA)のデータによると、ドイツメーカーの中国でのシェアは2015年の19.9%から19年に24.6%に上昇したが、その後19.1%に下がった。

コンサルタント会社カーニーのパートナー、トーマス・ルク氏は「中国市場はドイツメーカーにとって、もう以前のように安定してはいない」と言う。「より速くなるだけでは追いつけない。企業文化を変えるべきだ」

<思考の変革>

アナリストは、ドイツメーカーは新型EVを内燃機関車の電動版として販売する傾向があり、まだEV化を第1に考えるという意識改革ができていないようだと指摘する。

ツァン氏は「EVを内燃機関車の延長線上ではなく、新世代の製品として捉えることが重要だ」と話す。「上海自動車ショーでこの誤解が解けることを期待している」と語る。

中国の自動車メーカー、広州汽車集団(GAC)の馮興亜社長は「海外ブランドが自らの考え方に固執すれば、徐々に消えゆくだろう」と述べた。

ドイツメーカーは中国での販売てこ入れの一環として、中国人のEVブロガーやマーケティングの専門家などに声を掛けていると、実際に接触を受けたブロガーの1人が明らかにした。

中国ブランドは欧州進出のために新たな販売戦略を採っており、アナリストは欧州で既に地歩を築いているブランドがデジタル時代に対応するために、こうした動きから学ぶべきだとしている。

上海蔚来汽車(NIO)、吉利汽車ボルボ傘下のLynkはコミュニティースペースやカフェ、バーを設置している。NIOによると、こうした取り組みは口コミの拡散を通じて販売につながる。

また、多くのメーカーが直接販売も導入しつつある。BMWメルセデス・ベンツなどドイツメーカーもこの数カ月、直接販売を行う意向を示した。

しかし、消息筋によると、中国ブランドは欧州で積極的な戦略に打って出る前に、まず国内市場の足固めに注力している。欧州ではアジアのバッテリーメーカーが既に確固たる地位を築いている。

ある消息筋によると、中国のEVブランドは価格を引き下げることができるにもかかわらず、中国メーカーによる市場支配を懸念する欧州の政策当局者を動揺させないため、今のところ価格を高く設定しているという。

BYDは今週、航続距離300キロを超えるEV「シーガル」を発売。最低価格はわずか1万1000ドルと、欧州の多くのエントリークラスの内燃機関車よりも安い。BYDは今年後半に新たな新型EV「シール」と「ドルフィン」を欧州市場に投入する予定だ。

ルク氏によると、中国メーカーは欧州で慎重に事を進めている。

一方、中国市場における戦いは熾烈を極めている。

オートモーティブ・インサイトのツァン氏は「以前は『絶望的』という言葉を使うことに慎重だった。しかし今は、少なくとも中国では、外国ブランドの時代は着実に終焉を迎えつつあると確信している」と話した。

#電気自動車(中国市場・ドイツ車)

上海に住むバイオレット・ジューさんは今年、ルビーやダイヤモンドに投資するために宝石の競売に参加し、ソーシャルメディアのフォーラムでその話題についてチャットしている。

株式投資には詳しくないし、持っている投資信託が収支トントンになったら解約するつもりだ。それまでの間と思って宝石を買い続けている」とジューさん。探しているのは、いずれ価格上昇が見込めそうな珍しい形の高級ルビーだ。そうした人はジューさんだけではない。

18日の公式統計によると、中国では今年3月、宝石と貴金属の消費が前年比で37.4%増え、第1・四半期では13.6%の増加となった。

同期の中国経済の成長率は予想を上回り、小売売上高も予想の7.4%を超えて10.6%増加。これを押し上げた品目の筆頭が、宝石と貴金属だ。

ただ、貴金属人気は、国内消費を通じて経済を回復させようとする中国当局の取り組みがうまく行っていない可能性を示す心配な兆候でもある。中国は昨年末、新型コロナウイルス封じ込めのための厳しい制限措置を数年ぶりに解除した。

MUFG銀行(中国)の首席金融アナリスト、マルコ・サン氏は「高額消費(の堅調ぶり)には少し驚かされたが、経済全体の回復が鈍いという状況に変わりはない」と言う。

宝石と金の人気は、米シリコン・バレー銀行の破綻やクレディ・スイスの救済劇といった世界的な銀行危機により、投資家の信頼感が揺らいだ後に高まった。

チャイナ・マーケット・リサーチ・グループのマネジングディレクター、ベン・キャベンダー氏は「消費者が貴金属に関心を寄せているのは、安全資産およびインフレヘッジになり得るとの考えからだ。多くの消費者は中国で低インフレが続くとは予想していない」と語った。

中国の家計ではリスクに備えるため、貯蓄も増やしている。家計貯蓄は昨年、17兆8000億元増と過去最大の伸びを示したが、今年第1・四半期には、さらに9兆9000億元増えた。2021年の1年間の伸びに匹敵する。

ナンジン・リスクハント・インベストメント・マネジメントの調査ディレクター、パン・シーチュン氏は「経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)、リスク回避、国内消費の回復、これら全てが宝石と貴金属への投資需要を駆り立てている」と述べた。

#中国人マネー

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