https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

京都の夏を彩る祇園祭は24日、後祭の「山鉾巡行」を迎え、祇園囃子が奏でられるなか、豪華に飾られた山鉾が都大路を進みました。

後祭の山鉾巡行は午前9時半から始まり、京都市中心部の烏丸御池の交差点から橋弁慶山を先頭に11基の山鉾が順番に出発しました。

交差点にさしかかると、大きな車輪の下に竹を敷いて、水をまきながら直角に方向転換する「辻廻し」が披露され、大勢の曳き手が掛け声とともに重さがおよそ10トンある山鉾の向きを変えると、沿道の人たちから盛んに拍手が送られていました。

巡行の途中では、決められた順番で山鉾が進んでいるか確かめる「くじ改め」の儀式が行われ、黒主山では小学5年の塚本龍之介君が担当しました。

塚本君はくじが入った箱にかかったひもを手を使わず、扇子だけで解き、奉行役の京都市の門川市長にくじを確認してもらっていました。

塚本君は「大変だったけど練習した成果が出せたのでよかったです。今後も伝統の祭りを守っていきたいです」と話していました。

祇園祭は、疫病退散を願って平安時代に始まったと伝えられている京都の代表的な夏祭りで、警察によりますと、24日午前11時半の時点で、およそ5万人が見物に訪れたということです。

京都市内から訪れた40代の男性は「毎年楽しみにしていて、きょうは会社に休みをもらってきました。辻廻しは迫力があるので、スマートフォンで動画を撮影しました」と話していました。

京都の祇園祭では、毎年7月17日と24日に懸装品と呼ばれる豪華な装飾で飾られた山鉾が都大路を進む山鉾巡行が行われます。

それぞれの巡行の前には「宵山」と呼ばれる前夜祭が3日間行われ、道路上に建てられた山鉾の近くでは「ちまき」などを買い求める人でにぎわいます。

この「ちまき」は食べられるものではなく、祭りを主催する八坂神社の神が疫病や災難から守ってくれるとされる厄よけの縁起物です。

1本あたり800円から1000円ほどでそれぞれ山鉾で買い求めることができ、京都の民家などでは玄関に飾られています。

ところが、ここ数年は祇園祭の人気が高まるにつれてインターネットのフリーマーケットアプリやオークションサイトなどでちまきの転売が相次いでいます。

ことしもフリマアプリで「祇園祭」と「ちまき」のワードを入れて検索すると、たくさんの出品が見つかり、実際の値段の2倍から3倍ほどで売られているものもあります。

祭りを八坂神社とともに主催する祇園祭山鉾連合会の木村幾次郎理事長は「ちまきは1年間健康でありますようにという願いを込めてお渡ししている。それを商売として考えられるのは非常に残念。(転売されたちまきを)買う人には『第三者を通して買うのは本来の意味とは違うのではないか』と考え直してほしい」と話しています。

購入数を制限する山鉾も

祇園祭の後祭に参加している山鉾の1つの鷹山は去年、江戸時代以来、196年ぶりに巡行に復帰して、話題を集めました。

ことしも7月21日に前夜祭にあたる宵山が始まると朝早くからちまきを買い求める人の列ができるなど人気を集めました。

こうした中、鷹山ではネットでの転売を防ぎ、多くの人に買ってもらおうと、ことし、ちまきの販売を1人あたり最大10本までに制限しました。

鷹山保存会の山田純司理事長は「ネットで安易に買うのは疑問を感じます。そうして買ったちまきに御利益があるとは思えません。直接、山鉾に足を運んで買い求めてほしいです」と話しています。

「現場の対策には限界がある」

祇園祭の後祭の山鉾巡行で最後尾を務めた大船鉾も人気の山鉾です。

大きな船の形が特徴で、幕末の「蛤御門の変」で焼けて以来、巡行に参加していませんでしたが、9年前に再建されて150年ぶりに復帰したことで話題を集めました。

ちまきも前夜祭にあたる宵山期間が終わるまでに用意した数が売り切れるほど人気があるということです。

しかし、ことし転売対策として販売数を制限することなどはしませんでした。

四条町大船鉾保存会の木村宣介理事長は「転売は悲しいことですが、仮に制限をしても転売目的の人はアルバイトを雇って並ぶ可能性もあり、いたちごっこだと思います。現場の対策には限界があるので、フリーマーケットサイトの運営会社などがちまきが出品されたら転売できないようにしてほしい」と話しています。

フリマサイト メルカリ “ちまきの出品 禁止ではない”

多くの「ちまき」が出品されているフリーマーケットサイトの「メルカリ」は、ちまきの出品は現在、禁止されていないとしたうえで、NHKの取材に対し「出品物は、多様な価値観によるさまざまな意見があるものと認識しています。法令やユーザー保護の観点からガイドラインの改定、アップデートは随時行ってまいります」とコメントしています。

専門家「営利目的 高値で転売は問題だ」

ちまきの転売が相次いだことについて、祇園祭綾傘鉾保存会で理事も務める佛教大学歴史学部八木透教授は「ことしは予想以上になくなるのが早く、転売されていると聞いて驚いた。営利目的で高値をつけて転売するのは問題だ」と指摘しました。

そのうえで「コロナ禍でオンラインでの授与が普遍化したが、できれば実際に足を運んで、ちまき祇園祭の営みの中の一部だということを感じてもらいたい」と話していました。

d1021.hatenadiary.jp

#アウトドア#交通