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内閣府が15日に発表したことし4月から6月までのGDPの速報値は、物価の変動を除いた実質の伸び率が前の3か月と比べてプラス1.5%となりました。

これが1年間続いた場合の年率に換算するとプラス6.0%で、3期連続のプラスです。

項目別に見ると

主な項目を見ると、「輸出」は前の3か月と比べて3.2%のプラスでした。

半導体不足の緩和で自動車の輸出が伸びたほか、統計上「輸出」に計上される外国人旅行者によるインバウンド消費が増加しました。

「輸入」は原油などの輸入が減ってマイナス4.3%でした。

この結果、輸出から輸入を差し引いた「外需」がGDPを大きく押し上げました。

一方、GDPの半分以上を占める「個人消費」は、マイナス0.5%となりました。

ことし5月に新型コロナが5類に移行したことで旅行や外食などサービス消費が伸びたものの、長引く物価上昇の影響で食料品の販売が振るわなかったほか、冷蔵庫などいわゆる白物家電の販売が減少しました。

このほか、企業の「設備投資」はソフトウエアの投資が増えましたが、研究開発投資などが減ってプラス0.03%とほぼ横ばいにとどまりました。

GDPを実額ベースにすると、年換算で560兆円と、データが比較できる1994年以降では最も大きくなりました。

物価の変動を加味した名目のGDPの伸びは、年率換算でプラス12.0%と、物価の上昇を反映して高い伸び率となりました。

後藤経済再生相「個人消費は持ち直しが続くことが期待される」

後藤経済再生担当大臣は、15日に発表されたことし4月から6月までのGDP国内総生産個人消費が3期ぶりのマイナスとなった要因について、「飲食や宿泊など対面サービスが回復している一方、物価上昇の影響もあり食料品や家電などで弱さが見られる」と指摘しました。

そのうえで「足もとを見れば消費者マインドの持ち直しが続いており、経済活動の正常化が進む中でコロナ禍で積み上がった貯蓄が取り崩されて消費に向かうことも期待され、個人消費は持ち直しが続くことが期待される」と述べました。

また、物価上昇の影響や世界経済の下振れには引き続き注意することが必要だとしたうえで景気の先行きについて、「実質雇用者報酬が前期比で7・四半期ぶりにプラスとなり、今後も30年ぶりの高水準となった春闘の結果の賃金への反映などを通じ、改善が続くと見込まれる。また、企業の設備投資計画でも高い投資意欲が見られるので、これらを背景に景気の緩やかな回復が続くことが期待される」と述べました。

海外 各国のGDP伸び率は

アメリカやユーロ圏、それに中国では、ことし4月から6月までのGDPの実質の伸び率はいずれもプラスとなっています。

ただ、中国の景気が減速しているほか、欧米でも金融引き締めによる影響が懸念されています。

アメリカ +2.4%

アメリカのことし4月から6月までのGDPは、前の3か月と比べた実質の伸び率が年率に換算してプラス2.4%でした。

プラス成長は4期連続で、伸び率は前の3か月のプラス2%から拡大し、市場の予想も上回りました。

企業の設備投資や個人消費が増加し、経済の底堅さを示す内容となりました。

ただ、中央銀行にあたるFRB連邦準備制度理事会がインフレを抑え込むために利上げを再開し、政策金利は22年ぶりの高い水準となっていて、今後、企業活動や個人消費にどのような影響が及ぶのかが焦点となります。

ユーロ圏 +1.1%

ドイツやフランスなどユーロ圏20か国のことし4月から6月までのGDPの伸び率は、年率換算でプラス1.1%でした。

ユーロ圏では、根強いインフレに加えて、ヨーロッパ中央銀行による利上げが1年にわたって続き、企業活動や個人消費の重荷となっています。

企業の景気見通しが悪化し銀行の貸し出しも減るなど、利上げの実体経済へのマイナスの影響も広がりつつあります。

中国 +3.2%

内閣府の試算によりますと、中国のことし4月から6月までのGDPは、年率換算でプラス3.2%となりました。

いわゆる「ゼロコロナ」政策の終了で飲食などのサービス業は回復した一方、節約志向も根強く、家電や家具など耐久財の消費は低調でした。

主要産業である不動産市場の低迷が長期化しているほか、輸出が減少し、企業の生産も伸び悩むなど景気は一段と減速しています。

中国では、先月の消費者物価指数が2年5か月ぶりのマイナスとなるなど景気の先行きに不透明感が広がる中、デフレを懸念する声も出始めています。

“輸出が好調” 海外向け製品の生産増やす企業

輸出が好調なことを受けて、海外向けの製品の生産を増やしている企業があります。

茨城県龍ケ崎市に本社がある建設機械メーカーの主力製品は、土砂や資材を運ぶ特殊な車両です。

コロナ禍には半導体不足の影響などで欧米向けの売り上げが大きく落ち込みましたが、半導体不足が緩和されたことに加え、アメリカの公共事業向けの需要が増えたことで最近は主力製品の輸出が伸びているということです。

また、円安も追い風となり、会社によりますとことし4月から6月までの四半期の海外向けの売り上げはコロナ前の2019年の同じ時期を上回ったということです。

一方で、国内では建設現場の人手不足もあって製品の販売は伸び悩んでいるということです。

建設機械メーカー「諸岡」の諸岡正美代表取締役CEOは「今は円安や欧米向けの需要で業績が支えられているが、今後は、中国や東南アジアなど欧米以外での販売を増やしたい。さらに農業や環境など新たな分野の事業も伸ばしていきたい」と話していました。

中国の景気減速 先行きに懸念も

「輸出」がけん引役となった今回のGDP

一方、日本にとって最大の貿易相手国である中国の景気減速で、事業の先行きを慎重に見ている地方企業もあります。

福岡市に本社を置く「八洲産業」は工場用の機器などを扱う、社員数50人余りの専門商社です。

輸出事業の年間の売り上げは4億円余りに上り、その6割を中国向けが占めています。

しかし、中国経済の減速の影響を受けてことし3月ごろから受注が減っているということで、先月までの3か月間の中国向けの売り上げは去年の同じ時期と比べて40%ほど落ち込みました。

倉庫には、機械の電圧を制御するための部品や、生産ラインに設置する専用の信号機など、仕入れた製品が在庫として置かれていて、田島一義常務取締役は「中国は欠かすことのできない販売先で、注文の急激な落ち込みは想定外だ」と話していました。

会社では8月9日、中国南部の広東省・広州にある現地法人とオンラインで打ち合わせを行いました。

中国人の男性社員は「全体的に経済の力が不足していると感じる。以前は取引先から1日に3、40件の注文があったが、いまは数件しかない」と報告しました。

中国向けの売り上げが減る中、会社では今後、インドでの販路開拓を目指す方針です。

田島常務取締役は、「中国経済の減速は私どもの海外営業部のみならず、国内の主要なビジネスにも関係してくる。社員の努力によって取り扱い商品を増やしたり、販売先を拡大したりすることでカバーしてきたい」と話していました。

ことし4月から6月までのGDP国内総生産は、前の3か月と比べた伸び率が物価の上昇を除いた実質の年率換算でプラス6.0%と市場の予想を上回る伸びとなりました。

ただ、GDPの半分以上を占める「個人消費」は前の3か月と比べてマイナス0.5%と3期ぶりにマイナスになりました。

中でも、
白物家電の販売減少で「耐久財」がマイナス3.3%と落ち込みが大きかったほか、
▽食料品や日用品など「非耐久財」もマイナス1.9%と、物価上昇で消費者の節約志向が強まっていることをうかがわせる結果となりました。

一方、GDPとあわせて発表された従業員が受け取った賃金などを示す「雇用者報酬」は、前の3か月と比べて実質でプラス0.6%と7期ぶりに増加に転じています。

こうした動きについて「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」の小林真一郎主席研究員は、「今後のGDP個人消費次第だ。少しずつ持ち直している賃金が伸びていくのかどうかが、今後の景気の大きな流れを左右する」と指摘し、持続的な成長に向けて賃上げを通じた消費の底上げが重要だという見方を示しています。

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