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26日に開業した宇都宮市と隣接する芳賀町を結ぶLRT=次世代型路面電車は、28日に初めての平日を迎え、通勤・通学の時間帯には座席はほぼ満席となりました。

LRTの始発駅である「宇都宮駅東口」停留場では、午前7時半すぎ、会社員や高校生などが列を作り、電車の到着を待っていました。

平日の通勤・通学の時間帯はおよそ8分間隔で運行され、電車が到着すると乗客が次々と乗り込み、午前8時ごろまでは50席ある座席はほぼ満席でした。

沿線の高校に通う3年生の女子生徒は「これまではバスで通っていました。LRTは遅れることがあまりないと思うので早く学校に着けたらいいなと思います」と話していました。

通勤で上り線を利用した男性は「時間もぴったり来るので安心して乗れました。揺れもなく駅に止まる時もスムーズで乗り心地がよかったです」と話していました。

終点まで40分あまり乗って通勤する会社員の男性は「会社のシャトルバスが無くなりLRTに変えました。終点まで立ったままだと結構つらいので席に座れるのか心配です」と話していました。


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#LRT=次世代型路面電車(宇都宮)

6年前の九州北部豪雨で被災したJR日田彦山線のうち、福岡県添田町大分県日田市の間の区間が28日、BRTと呼ばれるバスを走らせる方式に転換して開業しました。

28日は午前5時半から、福岡県東峰村の「筑前岩屋駅」で「一番バス」の出発式が行われ、眞田秀樹 村長が運転手に花束を手渡しました。

一番バスには、地元の人などおよそ20人が乗り込み、60代の女性客は「開業を待ちに待っていました。みんなで利用したい」と話していました。

午前中は東峰村の別の駅で開業を祝う催しも開かれ、旗を振ってバスを出迎える人たちの姿が見られました。

北九州市大分県日田市を結ぶJR日田彦山線は、6年前の九州北部豪雨で大きな被害を受け、福岡県の添田駅大分県日田駅の間のおよそ40キロの区間をバスを走らせる方式に転換し、「BRTひこぼしライン」として28日に開業しました。

このうち、およそ14キロは線路跡に専用道を整備し、添田・日田間を直行ルートではおよそ1時間半で結ぶということです。

また、利便性向上のため
▽通勤・通学の時間帯を中心に増便したほか
▽バスが止まる駅の数を全線で36と、鉄道のときと比べて3倍に増やしました。

人口減少が進む中、JR九州と沿線の自治体は利用客を増やす取り組みを連携して進め、BRTの開業を地域の活性化につなげたいとしています。

「BRTひこぼしライン」とは

バス高速輸送システム「BRTひこぼしライン」は、JR九州が6年前の九州北部豪雨で被災した日田彦山線の一部区間に導入しました。

名前には「日田“彦”山線の“星”になってほしい」という願いが込められています。

導入した6台のバスのうち、4台は電気バスで、災害時には非常用の電源としても活用できるということです。

BRTは福岡県添田町の「添田駅」と大分県日田市の「日田駅」を結び、走行区間の全長はおよそ40キロです。

このうち、添田町の「彦山駅」と福岡県東峰村の「宝珠山駅」の間のおよそ14キロは線路跡に専用道を整備しました。

一般道も含めた添田~日田間の所要時間は直行ルートでおよそ1時間半と、鉄道に比べて30分余り長くなりました。

一方、生活に密着したエリアを中心にBRTの駅を新設し、駅の数は全線で36と、鉄道のときと比べて3倍に増やしたということです。

JR九州は、朝の通勤・通学の時間帯や夕方の帰宅の時間帯に増便したり、添田駅の同じホームで列車とBRTに乗り換えられたりするなど、利便性の向上を図ったとしています。

開業までの経緯
2017年7月の「九州北部豪雨」で、北九州市大分県日田市を結ぶJR日田彦山線は大きな被害を受けました。

特に、福岡県添田町添田駅から南のおよそ29キロの区間は、橋の損傷のほか、トンネルや駅構内への土砂の流入などが合わせて63か所確認され、上下線で運転できない状態が続いていました。

復旧のめどが立たない中、福岡県や大分県を含む沿線の自治体とJR九州は、災害の翌年の2018年4月、「日田彦山線復旧会議」を設置し、復旧のあり方についての検討を行いました。

自治体側が鉄道の存続を求めたのに対し、JR九州は、鉄道で復旧するにはおよそ56億円の費用がかかると見込まれる上、運転を再開したとしても赤字が避けられないとして、年間で合わせて1億6000万円の財政支援を要請しました。

協議は平行線をたどりましたが、2020年7月にJRが示した、専用道などを整備してバスを走らせるBRT=バス高速輸送システムに転換することを、自治体側が受け入れる形で双方が合意しました。

その後、BRTは添田駅日田駅を結ぶおよそ40キロの区間で導入すること、開業日は2023年8月28日とすることなどが決まりました。

開業を目前に控えた先月、記録的大雨によってBRTの専用道の一部に被害が出ましたが、急ピッチで復旧工事を進めた結果、28日に予定どおりの開業にこぎつけました。

“BRTをどう活用していくか”地元の人の思い
BRTの開業を、人口減少が続く村の活性化につなげたいと取り組む男性がいます。

福岡県東峰村の片岡拓之さん(55)は村で唯一の酒蔵を営んでいます。

創業は125年前の明治31年で、片岡さんは4代目の社長です。

6年前の九州北部豪雨では、大量の土砂が酒蔵にも流れ込み、酒の入った数千本の瓶を失うなど、大きな被害を受けたと言います。

当時について、片岡さんは「もう終わったと思った。商売どころではない、諦めざるをえないという気持ちだった」と振り返りました。

片岡さんを勇気づけてくれたのは、村の外から駆けつけ、酒蔵から泥をかき出す作業などを手伝ってくれた友人たちでした。

地元の友人からも「村のお酒を一緒に造ろう」と声をかけてもらい、片岡さんはBRTをみずからの再起と重ね合わせ、新たな酒の開発に乗り出します。

その第一歩として、友人たちと高齢農家から水田を借り受け、酒用のコメの栽培を本格的に開始。

酒の品質を左右する重要な工程で、こうじを造る「製こうじ」についても、知り合いの酒蔵に技術を教わりました。

こうして生まれた新たな酒に、片岡さんは東峰村にちなんで「東峰一献」という名をつけました。

BRTが開業した28日、片岡さんは東峰村大行司駅で、利用客にこの季節ならではの地酒を配ってPRしました。

瓶を受け取った北九州市の80歳の女性は「記念になります」と話し、地元の58歳の男性は「改めて応援したいという気持ちになりました」と話していました。

片岡さんはみずから造った酒をBRTとともに地域のシンボルに育て、人口減少が続く村の活性化につなげたいと考えています。

酒を配り終えた片岡さんは「『ようこそ』と『また来てください』という思いを込めました。BRTはひとつのツールにすぎず、それをどう活用していくかだと思います。BRTに何を期待するかというより、僕らの覚悟が問われているという気持ちです」と話していました。

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#BRT=バス高速輸送システム
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