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大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が、今シーズン、最も活躍した選手に贈られるMVP=最優秀選手に選ばれました。
大谷選手は、2021年に続いて投票した記者30人全員が1位票を入れる満票で受賞が決まり、大リーグ史上初めて満票で2回目のMVP受賞となりました。

目次
大谷選手 “投打のバランスが良かった”

過去MVP3回受賞 トラウト選手“誇りに思う”

【関連記事】大谷選手 MVP発表時一緒に映っていた犬も話題に
大リーグのMVPはレギュラーシーズンに最も活躍した選手に贈られ、全米野球記者協会に所属する記者30人の投票によって選ばれます。

16日、ことしの受賞者が発表され、アメリカンリーグは投打の二刀流で活躍し、ホームラン王のタイトルを獲得した大谷選手が選ばれました。

大谷選手のMVP受賞はおととし以来、2年ぶり2回目で、日本選手では2001年に受賞したイチローさんの1回を超えて最多となりました。

また、大谷選手はおととしに続いて投票した記者30人全員が1位票を入れる満票での受賞となり、満票で複数回MVPを受賞するのは大リーグ史上初の快挙となりました。

▼2位は打率3割2分7厘、ホームラン33本をマークしたレンジャーズのシーガー選手、▼3位は同じくレンジャーズでリーグ最多の185本のヒットを打ったシミエン選手でした。

大谷選手は大リーグ6年目の今シーズン、バッターとしてホームラン44本を打ってアジア出身の選手として初めてホームラン王を獲得し、ピッチャーとしても10勝をあげて大リーグ史上初となる2年連続での「ふた桁勝利、ふた桁ホームラン」を達成しました。

4月 今シーズン初勝利
シーズン終盤は右ひじと脇腹のけがで1か月近くの欠場を余儀なくされましたが、それまでの投打の圧倒的なパフォーマンスが評価された形で、また新たに大リーグの歴史にその名を刻みました。

大谷選手 “投打のバランスが良かった”
大谷選手はMVPが発表されるアメリカの番組の中継に出演し発表前のインタビューに応じました。

私服姿で登場した大谷選手はことし9月に右ひじを手術しましたが、ソファーに一緒に座っていた犬を右手でなでるなどリラックスした様子で、「投打のバランスがよかったと思うし、高いレベルでこなせた。ただ、最後までで試合に出続けられなかったことが心残りだ」と話しシーズンを振り返りました。

そして、プレー以外での自分の魅力についてどのように考えているかと尋ねられると「野球に集中したいというのが自分のスタイルなのでそのほかのところは後からついてくると思っている。特にシーズン中は野球に集中したいと思っている」と答えていました。

MVPを発表した番組の中で、大谷選手は2位で受賞を逃した昨シーズンをふまえて今回、受賞した心境を聞かれると「去年も獲得したかったがジャッジ選手がすばらしかったし、ことしもシーガー選手やシミアン選手がワールドシリーズで優勝してすばらしい年だった。それに負けないようなシーズンにしたかったけれど、個人的に取れて特別なことだと思う」と笑顔を見せながら話しました。

そして、ことし9月に2回目の手術を受けた右ひじの状態については「けがは順調で1回目の手術をしたときよりもスムーズに来ている感覚はあるので、スムーズに来シーズンに入っていけると思う。焦らずにやりたいという反面しっかりシーズンまでに間に合わせてプレーしたいと思う」と話していました。

過去MVP3回受賞 トラウト選手“誇りに思う”
大谷選手とともにプレーし、過去にMVPを3回受賞しているエンジェルスのトラウト選手は、自身のSNSで「おめでとう。MVPにふさわしいすばらしい1年だった。誇りに思うよ、兄弟」と投稿し2人がユニフォーム姿で写る写真を添えて大谷選手の受賞をたたえました。

サンドバル投手“活躍見られて光栄”
ことしのキャンプでキャッチボール相手を務めるなど大谷選手と交流のあるエンジェルスのサンドバル投手は自身のSNSで「おめでとう。最前列でこの活躍が見られることを光栄に思うよ」と投稿し、2人がユニフォーム姿で写る写真を添えて大谷選手の受賞をたたえました。

ヌートバー選手“MVPだと思っていた”
WBCでチームメートとして日本の世界一に貢献したカーディナルスのヌートバー選手は大リーグの日本公式アカウントのSNSに動画で祝福のメッセージを寄せ、「翔平、おめでとう。紛れもなく君がMVPだと思っていた。僕もとてもうれしい。1日も早い回復を祈っているがきょうは『おめでとう』と言わせてください」などと話しています。

投票した記者は
MLB.com」でエンジェルスを担当するレット・ボリンジャー記者は、ことしのMVPの投票権を持っていて大谷選手に1位票を投じました。

ボリンジャー記者は「欠場があったとはいえ、大谷は総合的に最高の数字を残し、誰よりも最高のシーズンを送った。だから、私にとっては本当に簡単な決断だった」と投票に至った経緯を話しました。

その上で「ことしで言えば、7月か8月にはすでに大谷がMVPレースに勝利していたと思う。2019年のトラウトも、最後の1か月近くをけがで欠場したもののMVPを受賞したが、このようなことが起きるのはまれなことだ。大谷が投打両面で成績を残したことで、常にアドバンテージを持っていたと思う」と分析しました。

そして、バッターに専念する来シーズンに向けては「指名打者は守備がない分、誰よりも打たなければいけない。MVPになるには、おそらく50本近いホームランを打たなくてはいけないだろう。レッドソックスで活躍したデビッド・オルティーズが1度もシーズンMVPを受賞していないことから分かるように、指名打者だけでMVPをとるのは本当に難しい」と話し、これまでと違い指名打者1本でMVPを受賞するハードルの高さを指摘していました。

ナショナルリーグMVPはブレーブスのアクーニャJr.選手
大谷選手が圧倒したアメリカンリーグとは対照的に、WARでは大接戦となったのがナショナルリーグです。

リーグトップだったのはドジャースのベッツ選手のWAR8.4で、MVPを受賞したブレーブスのアクーニャJr.選手のWARは8.1でした。

打撃成績では打率、ホームラン、盗塁などでアクーニャJr.選手がベッツ選手を圧倒しましたが、外野手でライトを守ったアクーニャJr.選手に対し、ベッツ選手はライトのほかにセカンドでも70試合、ショートも16試合で守り、守備の指標で上回ったためWARでは接戦となりました。

しかし、実際の投票では大リーグ史上初となる「ホームラン40本、70盗塁」を達成したアクーニャJr.選手の歴史的な活躍が高く評価され、初のMVP受賞をアメリカンリーグの大谷選手と同じく満票で決めました。

両リーグのMVPがいずれも満票で決まるのは大リーグ史上初です。

大リーグのMVPの投票は?
大リーグのMVPの投票は全米野球記者協会に所属する記者30人が、それぞれMVPにふさわしい選手として上位10人を記入する形で行われます。

1位に14ポイント、2位に9ポイントが与えられ3位以下は1ポイントずつ減っていき10位が1ポイントとなります。

この投票の結果、大谷選手は30人全員が1位としたため420ポイントを獲得しました。

過去の満票での受賞者には2002年のバリー・ボンズさん、1997年のケン・グリフィーさん、1956年のミッキー・マントルさんなどその時代の大リーグを代表する選手たちがいて、今回、大谷選手のMVP受賞を発表したレジー・ジャクソンさんも1973年に満票で受賞しています。

〈投票結果詳細:ポイント順〉
1位:大谷翔平 420
2位:シーガー(レンジャーズ)264
3位:シミエン(レンジャーズ)216
4位:ロドリゲス(マリナーズ)197
5位:タッカー(アストロズ)178
6位:ディアス(レイズ)137
7位:ウィット Jr.(ロイヤルズ)83
8位:ヘンダーソンオリオールズ)77
9位:ラッチマン(オリオールズ)50
10位:ラミレス(ガーディアンズ)40
(以下略)

恒例の電話会見は中止に
受賞決定のおよそ40分後には恒例の電話会見が予定されていましたが、急きょ中止になりました。

中止の理由について主催者の全米野球記者協会の担当者は技術的な問題が発生したためと説明し、「大谷選手がコントロールできることではなく、彼に責任はありません」と繰り返し説明していました。

評価指標WARでも大谷選手が圧倒
2回目も満票で受賞し、文字どおり「満場一致」だった大谷選手のMVP。

総合的に評価する指標として大リーグで一般的な「WAR」で最終候補の3人を比べても、大谷選手の優位が圧倒的な結果となりました。

WARは、「WinsAboveReplacement」の略で、代替可能な選手に比べて(Replacement)どれだけその選手が勝利を上積み(Above)できたかを表しています。

打撃、守備、走塁、投球を総合的に評価し、データ会社によっていくつかの計算方法があります。

多く用いられているものの1つ、BaseballReference算出のWARだと、平均的なレギュラー選手で2.0以上、オールスターゲームに選ばれるクラスの選手が5.0以上、8.0を超えるとMVP級とされます。

この指標ができたことで、これまで同じ土俵で比べられなかった投手と野手などを比べられるようになったとされ、MVP争いで参考にされるケースが増えています。

2021年の大谷選手はピッチャーとして4.9、バッターとして4.1、合計9.0としてWARで大リーグ全体トップに立ちました。

MVP投票で2位だったブルージェイズゲレーロJr.選手は6.8で大谷選手が圧倒する形となり、満票でMVPを受賞しました。

去年はホームラン62本を打ったヤンキースのジャッジ選手がWAR10.6で大リーグトップ。

大谷選手はピッチャーとして6.1、バッターでは3.5の合計9.6で2位となり、MVPの投票でもジャッジ選手がトップ、大谷選手が2位でした。

ことし、大谷選手のWARはピッチャーとしては規定投球回に到達しなかったこともあり4.0、ホームラン王を獲得したバッターとしては自己最高の6.0で大リーグトップの合計10.0でした。

MVP投票で2位だったレンジャーズのシーガー選手は6.9、3位だった同じくレンジャーズのシミエン選手は7.4でWARの比較でも大谷選手が圧倒したことが分かります。

WARだけで見ると、サイ・ヤング賞を受賞したヤンキースのコール投手が大谷選手に次ぐリーグ2位の7.5でしたが、コール投手はMVP投票では11位でした。

これは、ピッチャーにはサイ・ヤング賞が設けられていることを理由に近年はMVPでの票を得にくいことが背景にあります。

奥州市役所ではPVや横断幕
大谷翔平選手の出身地、岩手県奥州市の市役所にはパブリックビューイングが設けられ、多くのファンなどが詰めかけMVP受賞の瞬間を見届けました。

奥州市役所に設けられたMVP発表のパブリックビューイングは、午前7時45分に開場となりましたが、大谷選手の受賞を見届けようと朝早くからおよそ20人が列を作っていました。

開場2時間前から並んだという90歳の男性
「MVP受賞は絶対に大丈夫だと思う。大谷選手は地元の誇りです」

パブリックビューイングには、大リーグ・エンジェルスの赤いTシャツを着たファンなどおよそ200人が集まり、発表前から盛り上がりを見せていました。

そして午前8時半ごろ、大谷選手が大リーグ史上初となる満票で2回目のMVPを受賞すると会場に集まった人たちは、赤いスティックバルーンをたたいて喜びに沸いていました。

“祝MVP”とデザインされたTシャツを着ていた79歳の男性
「50歳年下の大谷選手に元気をもらっている。心の老化防止に最高だ。今夜は祝杯をあげたい」

40代の男性
「大谷選手はWBCも大リーグのレギュラーシーズンも活躍が続いて驚かされた。1日も早くケガを治してまた投打の二刀流でのプレーがみたいです」

午前10時ごろには、「祝 メジャーリーグ2度目のMVP受賞 大谷翔平選手」と書かれた縦1メートル20センチ、横10メートルの横断幕を職員およそ10人で掲げました。

奥州市役所には10月、大谷選手が日本選手、そしてアジア出身の選手としても大リーグ史上初めてホームラン王を獲得したことを祝福する横断幕もあり、MVP受賞とホームラン王を祝う2つの横断幕が掲げられた形となりました。

奥州市役所を訪れた人
「大谷選手のMVP受賞を知り大喜びで、市役所でも何かやるかなと思って来てみました。自分の子どものことのようでうれしくて皆でお祝いしてあげたいです。いい話がない世の中で大谷選手はテレビに映るだけでワクワクするような存在でありがたいです」

札幌市内では号外配布
大谷選手のMVP受賞を受けて、北海道札幌市の中心部では新聞の号外が配られ、ファンからは喜びの声が聞かれました。

プロ野球日本ハムで投打の二刀流を確立して大リーグに移籍した大谷選手が、2021年に続いて2回目のMVP受賞となったことを受けて、札幌市中央区にあるJR札幌駅につながる地下街では午前9時半すぎから新聞社が号外を配り、行き交う人々が次々と受け取っていました。

号外を受け取った60代の女性
「すごくうれしい。日本ハムで頑張っていた選手がアメリカで活躍してくれていることを誇りに思う」

50代の女性
「野球人としても選手としてもすごいが、子どもたちにグローブを贈ったりと人間的にもすばらしいと思う。けがの回復が心配だが来年はバッターで大暴れしてほしい」

別の50代の女性
「体をゆっくり休めて彼の理想とする夢やプレーに近づいていってほしい」

日ハム新球場の壁画前では祝福の声
大谷選手が所属していた日本ハムの新球場では、訪れた人たちが大谷選手の2回目のMVP受賞を祝福していました。

日本ハムの新球場、エスコンフィールド北海道では、レフトスタンドにある5階建てのタワーにチームの顔として活躍した大谷翔平選手とダルビッシュ有投手の壁画が縦5メートル50センチ、横7メートルの大きさで描かれています。

この壁画は、撮影スポットとして観光客などに人気があり、大谷選手が2回目のMVPを受賞した17日も、スマートフォンで記念撮影する人の姿が見られました。

東京から旅行で訪れた20代の女性
「受賞のタイミングでここに来られてうれしいです。日本人がメジャーリーグのトップで活躍していて伝説級だと思います。日本人でもここまでできるという可能性を証明してくれる存在だと思います」

60代の女性
日本ハムから出た選手なので誇りに思います。パワーをくれるし、偉大なことです」

校外活動で訪れていた中学1年の男子生徒
「なかなかできないことで、すごすぎて、ことばが出てこないです」

渋谷で号外配布 称賛の声が相次ぐ
大谷翔平選手が大リーグで史上初となる2回目の満票でMVPを受賞したこと受けて東京・渋谷では新聞の号外が配られ、受け取った人たちから称賛の声が相次ぎました。

東京・渋谷の駅前では午前10時半ごろから新聞の号外が配られ、行き交う人たちが次々と受け取りました。

60代の女性
「信じられないくらいうれしいです。活躍する姿は神に近い領域だと感じました。これからも大リーグで記録を作ってほしいです」

40代の女性
「失敗することを感じさせない姿がかっこいいと思います。来年もMVPを取ってほしいです」

20代の男性
「世界中から期待を背負いプレッシャーに負けずに活躍するのがすごいと思います。大谷選手のように世界で活躍するトップ選手が今後も育ってほしいです」と話していました。

60代の男性
「二刀流で活躍する姿が魅力的だと思います。早くけがを治してピッチャーとしても活躍してもらい、サイ・ヤング賞を取ってもらいたいです」

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