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将棋の八大タイトルの1つ、「王座戦」五番勝負の第4局は11日京都市で行われ藤井さんがタイトルを持つ永瀬拓矢さん(31)に挑戦しました。

対局は互いに持ち時間を使い切って「1分将棋」となり、一進一退の攻防が続く熱戦となりましたが、最終盤で藤井さんが逆転勝ちをおさめ、3勝1敗で「王座戦」を制して将棋界で史上初の八大タイトル独占を達成しました。

藤井八冠は対局を終えた11日夜10時半すぎに記者会見し「このような結果を出せるとは自分自身でも思っていなかったのですごくうれしく思っている。プロになってから振り返ってみてもあっという間で、特にタイトル戦に出られるようになってからは自分が思っている以上にいい結果を残せたと感じている」と振り返りました。

そして今後については「今回の王座戦も苦しい将棋が多く、実力としてまだまだ足りないところが多いということは変わらず感じているので、その地位に見合った実力をつけられるように今後いっそう取り組んでいかなくてはいけない」と話していました。

その上で「まずは実力をつけて、おもしろい将棋を指したいという気持ちがある。羽生善治九段は七冠を達成したあともずっとトッププレーヤーとして活躍されているので、自分も息長く活躍できるよう目指していきたい」と話していました。

藤井さんの師匠の杉本昌隆八段はNHKのインタビューに「『ここまで強くなるとは』と思いました。すばらしいです。よくやってくれました。」と喜びを語りました。

杉本八段は、永瀬拓矢王座から逆転勝ちを決めた11日の「王座戦」第4局について、「師匠としては、きょうで決めてほしいという気持ちがありました。永瀬王座は非常に強敵なので、最終戦までもつれ込むと危ないという思いもありました。ただ、同時に永瀬王座にも勝ってほしかったという思いもあるんです。今期は『名誉王座』がかかっていましたし、本当に内容がよかったんです。フルセットまでいって、最終局で決着を見たかった思いもあります」と振り返りました。

また、2人の王座戦での戦いぶりについては、「改めて、人と人の勝負の素晴らしさ、そして将棋の楽しさと、恐ろしさも感じました。将棋は逆転する競技なんです。その逆転した瞬間を見逃さない藤井八冠の強さも光りました。八冠と名誉王座をかけた勝負にふさわしい五番勝負だったと思います」と語り、両者をたたえました。

そして、弟子である藤井さんが将棋界で史上初の「八冠」を達成したことについては、「『ここまで強くなるとは』と思いました。すばらしいです。八冠全冠制覇というのは、これはもう理屈ではないので、この領域までたどりつくのかという驚きはあります。よくやってくれました」と喜びを語りました。

偉業を達成した藤井さんにどんなことばをかけたいかと尋ねると、「『お疲れさん』と言いたいです。でもだいたい、『ありがとうございます』って言われて、話がそこから発展しないのがいつものことなので、今回もそうなんだろうなと。そして、『こないだの将棋は危なかったね』という話をふると、凄く楽しそうにその話にのってくるんじゃないかという気がします」とねぎらいのことばを贈っていました。

そのうえで、今後の藤井さんの活躍については「一つの大きな区切りであるのは間違いありませんし、これからまた新たなステージに向かって、藤井八冠は進んでいくと思います。ただ、将棋というものは人間では解明できないほど奥が深いもので、今回もミスは出ているわけです。ということは、いくらでも反省材料がある。それがある以上、藤井八冠は目標を持って、これからも将棋の道にまい進していくと思う」と期待を語っていました。

最後に、藤井さんにはこれからどんな棋士になってほしいかを尋ねると、「彼の役目は『勝ちまくること』。そして楽しい将棋、人が見て感動する将棋を指すことです。その姿勢はこれからも変えずに勝ち続けてほしいし、今までのような将棋が好きな“将棋少年”の気持ちを忘れないで、これからも将棋に向かってほしいと思います」と笑顔で語っていました。

#囲碁・将棋(藤井聡太八冠・記者会見)

11日に行われた将棋 王座戦五番勝負の第4局では最終盤、勝敗を決定づける”運命の一手”がありました。

終盤、互いに時間を使い切り、1分未満で次の手を指す「1分将棋」となる中、永瀬九段は敵陣をねらう「香」を打ったり、「銀」や「と金」を活用したりして藤井八冠の玉に迫り、AIの評価値も永瀬九段有利に傾きます。

122手目、藤井八冠が「5五銀」と打った局面で、AIの評価値は永瀬九段が圧倒的に有利な「99%」となり、勝利はほぼ確実とみられていました。

ところが永瀬九段は123手目に、「勝ち筋」の「4二金」という手ではなく、「5三馬」という意外な手を指しました。

これはプロ棋士やAIの予想にはなかった指し手です。

この手を指したことでAIの評価は一気に永瀬九段の不利に傾き、10%を切る数値にまで低下します。

読みの誤りに気付いた永瀬九段は何度も頭をかきむしり、天を仰ぎました。この結果、藤井八冠に反撃に転じる余裕が生まれ、形勢は一気に逆転。永瀬九段は劣勢を覆すことができず、敗れました。

深浦九段 “永瀬九段には詰みが見えたはずだが 幻だった”
この一手について棋士深浦康市九段は「永瀬九段には勝ちが見えて、詰みが見えたはずだが、それは幻だった。非常につらい失着になってしまった」とこの一手が最終的な勝敗を決めたと評価しました。

そのうえで「将棋は怖いもので『勝ちだ』と思った瞬間に隙が生まれる。永瀬九段が優位な時間が長かったし、対局前のインタビューでも『人間の一面を捨てないと勝てない』と言っていたので覚悟を感じていたのだが、藤井八冠からどこでひっくり返す手が出てくるのか怖くて思い切って踏み込めないところもあったと思う。藤井さんの持っている力を警戒してしまって、思うように勝ちを見いだせなかったというのが、藤井さんの隠れた力だと思う」と話していました。

森下九段“信じられない大逆転 AIにはない藤井八冠のすごさ”
この一手について棋士森下卓九段は「中盤まで一進一退の攻防が続いたが、藤井八冠にミスが出てきて、一時は永瀬拓矢九段が、AIの評価値で大差で有利になる局面もあった。しかし、『千慮の一失』といえる信じられないミスで大逆転が起きた」と振り返りました。

読みを誤った原因については、森下九段は「いちばん大きな理由は、持ち時間が無くなり、『1分将棋』になっていたからだと思う。さらに、藤井八冠が相手だとこれでもかというくらい手を読まなければならず、初手から疲労が積み重なっていた。勝ちが見えていたのに、こうした負の相乗効果で悪夢のような大逆転負けになったのではないか」と分析しました。

そして、「これまでタイトルを独占してきた棋士には奇跡としか言えない勝ちが多くあり、それは強さ故に相手がプレッシャーやおそれを感じて、語弊があるが『相手が負けてくれる』ということが起きるからだと思う。最後にきっちりと勝ちきるのは実力だが、信じられない大逆転を続けて起こしてしまうのがAIにはない藤井八冠のすごさだ」と話していました。

#囲碁・将棋(対局前・永瀬王座「人間の一面を捨てないと勝てない」・王座戦第4局・AI99%→10%切る・大逆転)

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