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サッカーJ1への昇格をかけたプレーオフの決勝が国立競技場で行われ、東京ヴェルディが終了間際に同点ゴールを決めて清水エスパルスと1対1で引き分け、16年ぶりのJ1昇格を決めました。

来シーズンのJ1昇格をかけたプレーオフは2日、国立競技場で決勝が行われ、Jリーグ発足当初から加盟する「オリジナル10」のヴェルディエスパルスが対戦しました。

今シーズンのリーグ戦の順位が上のヴェルディは引き分けか勝ちで、下位のエスパルスは勝てばそれぞれ昇格が決まります。

ヴェルディは0対0の後半に、キャプテンの森田晃樹選手のプレーがゴール前でハンドの反則を取られて相手にペナルティーキックを与え、これを決められて先制を許しました。

このあとは人数をかけて攻め込みチャンスを作りましたが、守備を固める相手から得点を奪えないまま、終盤に入りました。

それでも終了間際に、ゴール前へ抜け出したフォワードの染野唯月選手が相手の反則を招いてペナルティーキックを獲得した後、みずから落ち着いて決めて土壇場で同点に追いつきました。

試合はこのまま1対1で引き分けとなり、ヴェルディは16年ぶりのJ1昇格を決めました。

これで来シーズンのJ1への昇格は、J2で優勝した町田ゼルビアと2位のジュビロ磐田、それにヴェルディの3チームとなりました。

東京V 城福監督「ここからがスタートだと思っている」
16年ぶりとなるJ1昇格を決めたことについて東京ヴェルディ城福浩監督は、「ここにいるサポーターとこの瞬間を味わえたのは本当に最高だ」と目に涙をためながら振り返りました。

そして、「春先には見向きもされなかったチームだが、選手たちが歯を食いしばって頑張ってきた。3位になったのは何か意味がある」と話し、選手たちをねぎらっていました。

その上で来シーズンに向けては「これからはJ1に定着し、さらに優勝を目指せるチームにならないといけない。ここからがスタートだと思っている」と意気込みました。

東京V 森田「本当に長く待たせた」
東京ヴェルディのキャプテンで生え抜きの森田晃樹選手は「本当にうれしい。やっとだなという感じだ」と涙を流しながら話しました。

また、16年ぶりとなるJ1昇格で、応援し続けてきたサポーターに向けて「本当に長く待たせたと思う。来年ようやくJ1で戦えるので一緒に戦ってください」と呼びかけていました。

東京V 染野「自分が昇格を決めるという思いで蹴った」
試合終了間際に、同点に追いつくペナルティーキックを決めた染野唯月選手は「自分がJ1昇格を決めるという思いで蹴って、入ったのですごくうれしい。やっとの思いでここまで来ることができた。サポーターの応援は、僕たちのモチベーションになって活力になった」と振り返りました。

また、ヴェルディについては「人間として選手として成長させてくれたチームで、最後の最後に恩返しできてよかった」と話していました。

東京ヴェルディのこれまで
東京ヴェルディは、1969年「読売サッカークラブ」として誕生しました。

1993年に始まったJリーグには川崎市を本拠地とする「ヴェルディ川崎」として参入し、リーグ発足当初から加盟する10チーム「オリジナル10」の1つです。

1993年に初代チャンピオンに輝き、次のシーズンでリーグ連覇を達成しました。

当時はカズ、三浦知良選手やラモス瑠偉さんなど多くのスター選手を抱え、攻撃的なスタイルのサッカーで初期のJリーグを支える人気クラブでした。

その後、成績が低迷し、2001年ホームタウンを東京に移してクラブの名称を「東京ヴェルディ1969」に変更しました。

2006年シーズンに初めてJ2降格
2006年のシーズンに初めてJ2に降格し、2008年にはJ1に復帰して名称を「東京ヴェルディ」に変更しましたが、2009年に再びJ2に降格して以来、昇格できない苦しい時期が続きました。

この間、経営面で資金繰りが悪化し、Jリーグ主導による経営が行われることもありました。

今シーズンは堅守光る 失点はJ2最少
前のシーズン9位だったヴェルディは今シーズン、第3節から5試合連続無失点とするなど、序盤から持ち味の堅い守りを発揮しました。

好調をキープして上位につけると、シーズン中盤からは、ジュビロ磐田清水エスパルスなどとJ1に自動昇格となる2位以内をめぐって、激しい争いを繰り広げました。

そして、8月末の第32節にホームでファジアーノ岡山に敗れて以降、リーグ最終節まで10試合連続負けなしで21勝9敗12引き分けとして、2位のジュビロと勝ち点「75」で並び、得失点差で3位となりました。

シーズンを通してゴールキーパーマテウス選手などを中心とした堅守が光り、リーグ戦の失点は31とJ2の22チームの中で最も少なくなりました。

3位から6位のチームがJ1昇格の残り1枠を争うプレーオフでは、準決勝でジェフ千葉、決勝で清水エスパルスとともにJリーグ発足当初から加盟していたチームと対戦し、16年ぶりのJ1復帰を決めました。

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