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セ・リーグ首位のヤクルトはマジックナンバーを「2」として、25日夜、本拠地の神宮球場で2位のDeNAと対戦しました。

試合は、ヤクルトの小川泰弘投手とDeNAの今永昇太投手の両チームの先発による投手戦となり、締まった展開となりました。

ヤクルト打線は中盤までヒット1本に抑えられましたが0対0で迎えた7回、この試合初めての連続ヒットとフォアボールで2アウト満塁と、今永投手からようやく大きなチャンスを作りました。

しかし、1番・山崎晃大朗選手がファーストゴロに打ち取られ、先制点を奪えませんでした。

それでも両チーム無得点のまま迎えた9回1アウト二塁のチャンスで途中出場のルーキーの丸山和郁選手がDeNAの3人目、エスコバー投手からツーベースヒットを打ってヤクルトが1対0でサヨナラ勝ちしました。

ヤクルトは2年連続9回目の優勝で、球団としてのリーグ連覇は平成5年以来、29年ぶりです。

この試合で4番の村上宗隆選手はノーヒットに終わり、日本選手最多となるシーズン56号ホームランは持ち越しとなりました。

村上選手は今月13日に55号ホームランを打ち、昭和39年に巨人の王貞治さんが打った、日本選手のシーズン最多記録に並んでいます。

しかし、このあとの8試合はホームランはなく打率は1割台前半と打撃不振に陥っています。

優勝へのマジックナンバーを「2」としているチームは、今夜、本拠地の神宮球場で2位・DeNAと対戦し、村上選手は4番・サードで先発出場しました。

村上選手は2アウト一塁で迎えた1回の第1打席でDeNAの先発、今永昇太投手と対戦し、空振り三振。

3回の第2打席は2アウト二塁のチャンスでファーストゴロ、6回の第3打席は153キロのストレートに空振りの三振に倒れました。

そして、8回の第4打席はDeNAの2人目、伊勢大夢投手と対戦し、レフトフライに打ち取られました。

試合は、ヤクルトがサヨナラ勝ちし、2年連続9回目のリーグ優勝を決めましたが、村上選手は4打数ノーヒットに終わり、56号ホームランは持ち越しとなりました。

2年連続9回目のリーグ優勝を決めたプロ野球ヤクルトの高津臣吾監督は胴上げで7回宙を舞ったあと、優勝監督インタビューに臨みました。

本拠地で優勝を決めたことについては、「みなさんと同じくらいうれしいです。チームスワローズとして挙げた大きな大きな1勝なんじゃないかと思います」と喜びを語りました。

また、4番としてチームをけん引した村上宗隆選手については「最近は後ろ姿が小さくなっているが、7月の大変な時を頑張ってくれた」とねぎらいの言葉を口にしました。

そのうえで、クライマックスシリーズに向けては「1つ壁を破ったのかなと思います。まだまだこれから高い山が待っていると思うが、頂点に立つためにこれからも頑張ります」と意気込みを話しました。

ヤクルトのリーグ連覇をけん引したのは不動の4番、そして球界を代表する4番として大きな成長を遂げた22歳の村上宗隆選手でした。(※数字は試合前※)

「22歳とは思えない」村上選手を語るとき、誰もが口にしてしまうことばです。

今シーズンの村上選手の打点はここまで「132」。

12球団トップとなるチーム打点「582」のうち4分の1を村上選手が1人でたたき出しています。

体調不良で欠場した1試合を除いた135試合にすべて4番として出場。

打率、打点、ホームランの3部門でリーグトップで“令和初の三冠王”の視野にとらえています。

なかでも光るのが勝負強さです。

交流戦の優勝がかかったソフトバンクとの直接対決で試合を決める逆転の満塁ホームランを打つなど今シーズンだけで満塁ホームランは4本。

ここぞという場面でチームを勝利に導いてきました。

今シーズンの自身について、「悪いスイングもいいスイングも引きずらずに打席に立てている。チームを引っ張ることは苦ではない」と4番としての自覚たっぷりに語る村上選手。

ホームランは現在、巨人の王貞治さんに並ぶ55本。

チームをリーグ連覇に導いた4番は残り試合でどれだけホームラン数を伸ばすのかにも目がはなせません。

さらに野手では若手も台頭しました。

去年出場5試合だった高校卒業3年目の長岡秀樹選手がショートのレギュラーに定着。

131試合に出場し、プロ第1号を含むホームラン8本とブレークしました。

高校卒業2年目の20歳、内山壮真選手もほぼ年間を通して1軍でプレーし、チームの底上げにつながりました。

さらにリーグ連覇の原動力となったのはことしもリリーフ陣でした。

昨シーズン11月の日本シリーズまで戦い抜いたヤクルト。

選手たちの“勤続疲労”が心配される中、高津監督はコンディションを最優先にするため、リリーフ陣については特別な場合を除いて極力3連投を避ける采配を行いました。

その結果、勝ちパターンを担う清水昇投手や抑えのマクガフ投手いった去年、リーグ優勝と日本一を経験したメンバーが今シーズンもフル回転。

清水投手は防御率1点台、マクガフ投手は12球団トップに並ぶ37セーブをマークしました。

加えて若手も台頭しました。

ことしプロ初マウンドを踏んだ去年のドラフト1位で2年目の木澤尚文投手が1軍に定着。

課題のコントロールが改善したことで競った場面で多く起用され、中継ぎではチーム最多の54試合に登板し8勝を挙げ、リリーフ陣を支えました。

チームは夏場に新型コロナウイルスの影響で多くの主力が離脱するアクシデントに見舞われましたが不動の4番と去年に引き続きリリーフ陣がチームをけん引。

チームをリーグ連覇に導きました。

セ・リーグ連覇、2年連続日本一を目指すヤクルトは阪神との開幕戦。

4回までに1対8とリードされる劣勢をひっくりかえす劇的勝利を挙げそこから3連勝。

これぞ王者という戦いぶりで今シーズンのスタートを切りました。

しかし、その後は去年11月まで戦い抜いた“後遺症”に悩まされます。

去年、先発ローテーションの一角を担った3年目の奥川恭伸投手や開幕から5番を任され、好調だったサンタナ選手がけがで離脱。

日本シリーズでMVPに輝いたキャッチャーの中村悠平選手も出遅れて波に乗れず、4月が終わった時点の順位は3位でした。

そのヤクルトが抜け出すきっかけとなったのが交流戦でした。

中でも活躍が光ったのが22歳の4番・村上宗隆選手でした。

延長となった交流戦の初戦のサヨナラツーランや、交流戦の優勝がかかったソフトバンクとの直接対決での逆転の満塁ホームランなど勝負どころで試合を決める1打でチームをけん引し、打率3割5分1厘、ホームラン6本をマーク。

さらに、リリーフ陣も奮起。

清水昇投手やマクガフ投手など去年のリーグ優勝と日本一の原動力となったメンバーに加え交流戦では新外国人のコール投手などもフル回転し、6月に入ってからは誰も失点することなく僅差の試合を制しました。

投打でパ・リーグのチームを圧倒したヤクルトは全チームに勝ち越して交流戦で4年ぶりに優勝。

この時点で2位の巨人とのゲーム差は「7」となりました。

その後も勢いは止まらず、6月19日には今シーズン最長の8連勝。

先月29日の広島戦では13カード連続の勝ち越しを決め。

7月2日には2位巨人に13.5ゲーム差をつけ、早くも優勝へのマジックナンバー「53」を点灯させました。

リーグ連覇に向け死角なしと思われたヤクルトでしたが、7月上旬、チームに激震が走ります。

新型コロナウイルスへの感染が相次ぎ、高津監督に加え、キャプテンの山田哲人選手、ベテランの青木宣親選手など多くの中心選手が離脱。

ベストメンバーが組めず、7月18日の巨人戦で6連敗を喫するなど苦戦を強いられました。

後半戦に入っても投打ともにチーム状態は上向かず7月29日にはマジックナンバーが消滅。

8月5日から12日にかけて今シーズン最長の7連敗を喫し、2位に浮上したDeNAの猛追を受けます。

そして、DeNAと最大で「17.5」もあったゲーム差はわずか「4」となり、先月26日からの直接対決3連戦を迎えました。

結果によっては優勝への流れを渡しかねないこのカードで大活躍したのが、またしても4番の村上選手でした。

カードの初戦でホームラン2本を打つなど、3連戦でホームラン4本を含む11打数9安打9打点と大暴れしヤクルトが3連勝。

再びゲーム差を「7」に広げてDeNAを突き放しました。

そして、今月11日にマジックナンバー「11」が再点灯。

その後は1度もマジックを消滅させることなくリーグ連覇に向け突き進みました。

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