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自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件で、東京地検特捜部は、政治資金規正法違反の虚偽記載の罪で安倍派と二階派の会計責任者を在宅起訴し、岸田派の元会計責任者を略式起訴しました。また、安倍派から5000万円を超えるキックバックを受けたとされる大野泰正参議院議員を在宅起訴し、谷川弥一衆議院議員らを略式起訴しました。一方、安倍派の幹部7人や二階元幹事長など派閥の幹部については会計責任者との共謀は認められないとして、立件しない判断をしました。

派閥側で在宅起訴されたのは▽安倍派「清和政策研究会」の会計責任者、松本淳一郎被告(76)と▽二階派志帥会」の会計責任者、永井等被告(69)で、略式起訴されたのは▽岸田派「宏池政策研究会」の佐々木和男・元会計責任者(80)です。

東京地検特捜部によりますとおととしまでの5年間で、安倍派の松本・会計責任者は合わせて6億7503万円、二階派の永井・会計責任者は合わせて2億6460万円のパーティー収入などを派閥の政治資金収支報告書に収入として記載していなかったなどとして、また、岸田派の佐々木・元会計責任者は、2020年までの3年間で、合わせて3059万円のパーティー収入などを派閥の政治資金収支報告書に収入として記載していなかったとして、それぞれ政治資金規正法違反の虚偽記載の罪に問われています。

一方、特捜部は安倍派の幹部7人や二階元幹事長など派閥の幹部からも任意で事情を聴いてきましたが、いずれも派閥の会計責任者との共謀は認められないとして、立件しない判断をしました。

議員側で在宅起訴されたのは▽安倍派に所属する自民党参議院議員大野泰正被告(64)と▽秘書の岩田佳子被告(60)で、略式起訴されたのは▽安倍派に所属する自民党谷川弥一衆議院議員(82)と▽谷川議員の娘の三宅浩子秘書(47)、▽二階俊博・元幹事長の事務所の梅澤修一秘書(55)です。

特捜部によりますと大野議員は岩田秘書と共謀し、おととしまでの5年間に安倍派から5154万円のキックバックを受けたにもかかわらず、みずからが代表を務める資金管理団体の収入として記載していなかったとして、谷川議員は三宅秘書と共謀し、おととしまでの5年間に安倍派から4355万円のキックバックを受けたにもかかわらず、みずからが代表を務める資金管理団体の収入として記載していなかったとして、それぞれ政治資金規正法違反の虚偽記載の罪に問われています。

また梅澤秘書は、おととしまでの5年間で3526万円のパーティー収入を二階派に納入せず、二階・元幹事長の資金管理団体の収支報告書に派閥側からの収入として記載していなかったとして、政治資金規正法違反の虚偽記載の罪に問われています。

関係者によりますと特捜部に対し、大野議員は関与を否定していますが、3つの派閥の会計責任者や谷川議員、梅澤秘書はいずれも虚偽記載を認めているということです。

また、特捜部は今月7日、4800万円余りのキックバックを受けたとみられる衆議院議員池田佳隆容疑者(57)と政策秘書を逮捕していて、勾留期限の今月26日までに刑事処分を判断する見通しです。

#法律(自民党派閥政治資金パーティーキックバック不記載事件・東京地検特捜部・派閥会計責任者/議員/秘書・起訴)

自民党二階派は19日午後、東京・千代田区の派閥の事務所で緊急の議員総会をおよそ1時間開き、その後、会長を務める二階・元幹事長らが記者会見を行いました。

この中で二階氏は「『志帥会』の政治資金パーティーの収支に関して、きのう収支報告書の訂正を行い、きょう刑事処分が出た。派閥を預かる会長として責任を痛感し、心より国民とご支援頂いた多くの同志の皆さんに心からおわびを申し上げる」と陳謝しました。

そして、派閥の活動について「これまで政策集団として国土強じん化、観光立国、地方創生、平和外交などさまざまな政策提言を行い、実行し、一定の成果を上げてきた」と述べました。

その上で「政治への信頼を取り戻すため『志帥会』を解散するという結論になり、さきほど所属議員の了承を得た」と述べ、派閥を解散する意向を表明しました。

一方、岸田総理大臣が岸田派の解散の検討を表明したことが影響したのかと問われ「影響がまったくないといえば、うそというか、おかしいが、岸田総理大臣から相談を受けたわけでもアドバイスがあったわけでもない。われわれの判断だ」と説明しました。

また、派閥を解消したあとの活動については「人は自然に集まってくるものだ。そこは自然体で、常識の範囲でやっていきたい」と述べました。

さらに、みずからの秘書が略式起訴されたことへの対応を問われたのに対しては「地元の同志とよく相談して決める」と述べるにとどめました。

大岡敏孝 元環境副大臣「けじめのとり方を勉強した」
二階派に所属する大岡敏孝・元環境副大臣は記者団に対し「潔く解散しようというのが『志帥会』という政治学校の最後の授業だった。けじめのとり方をしっかり勉強した」と述べました。

宮内秀樹 元農林水産副大臣「信頼回復のため大きな判断」
二階派宮内秀樹・元農林水産副大臣は記者団に対し「信頼を回復するための大きな判断を二階会長がしたということだ。『自民党が再出発し、新しいものをつくっていくため、がんばるぞ』という話だった」と涙を流しながら述べました。

官房長官「申し上げる立場にない」
官房長官は午後の記者会見で「それぞれの政策集団のありようについて申し上げる立場にはない。政策集団のあり方に関するルール作りを含め、自民党の政治刷新本部で議論が深められるものと考えている」と述べました。

#自民党二階派二階俊博元幹事長「政治への信頼を取り戻すため『志帥会』を解散するという結論になり、さきほど所属議員の了承を得た」)

安倍派は19日夜、党本部で座長を務める塩谷 元文部科学大臣や「5人衆」と呼ばれる有力議員で事務総長の高木 前国会対策委員長、常任幹事会のメンバーの松野 前官房長官らが出席しておよそ1時間半、議員総会を開き、派閥を解散する方針を決めました。

このあと塩谷氏と高木氏が記者会見し塩谷氏は「長年にわたる事務的なミスリードにより、議員の所属事務所に誤った処理をさせたことに対して幹部としておわびする。あたかも違法な支出のために、裏金づくりをしたと報道されていることに対し、議員たちは心を痛めているが、決して不正な使い方をしたわけではないと思う」と述べました。

その上で清和政策研究会の総会を開き、今回の経緯について説明をする中で、われわれ幹部の責任のとり方や派閥の今後について十分に意見をいただき、結果的に清和政策研究会を解消することを決定した。発言したほとんどの議員が派閥解消を主張した」と述べました。

そして「誠に残念で断腸の思いだ。しかし国民に対して政治の信頼を大きく失った責任などを考えたとき、派閥を解散することが再スタートになるのではないかという多くの意見があった。区切りとしてけじめをつけなければならない」と強調しました。

また、議員へのキックバックについては「いつ、どういう形で始まったかはまったく分かっていない。収支報告書への不記載もまったく知らなかった。派閥内で具体的に問題にしたことも一切なかった」と述べました。

このほか塩谷氏と高木氏はみずからの議員辞職や離党については否定しました。

下村 元政調会長「国民の不信増長 派閥解散は当然」
安倍派の下村元政務調査会長は記者団に対し「多くの同志の議員がいるが、国民の大きな失望とともに、不信を増長させた責任をとらなければならない。派閥の解散は当然で、きょう決めるべきだと私も話をした。国民の信頼を回復できるよう、派閥を解散して終わりではなく、私自身も説明責任を果たしていきたい」と述べました。

柴山 元文部科学相「残念だがやむをえない」
安倍派の柴山元文部科学大臣は、記者団に対し「解散は非常に残念だがやむをえない。私自身も『解散はやむをえない』と発言した。きょう派閥の存続を訴えた議員は皆無だったと思う。政治のあり方を抜本的に改めなければならず、私自身も含めてしっかりと肝に銘じたい」と述べました。

宮下 前農林水産相「『解散すべし』が圧倒的」
安倍派の宮下前農林水産大臣は記者団に対し「解散が決まったことは大変残念だが、いたしかたない。多くの議員が『解散すべし』と発言し、反対意見はなかった。検察による捜査も踏まえたうえで、『解散すべし』という意見が圧倒的になったのだと思う」と述べました。

衛藤征士郎衆議院副議長「もっと早く説明すべきだった」
安倍派の最高顧問を務める衛藤征士郎衆議院副議長は、記者団に対し「解散は当然だ。ほぼ全員が解散すべしという意見だった。まず解散して、国民に政治不信を引き起こしたことに心からおわびと反省をし、政治の信頼を取り戻すために出直そうということだ」と述べました。

また「今夜の会合では派閥幹部から『大変責任を感じている』とおわびがあったが、もっと早く事実を説明し、対応しておくべきだった。派閥からの資金の還流を知らない議員もいるし、それに対する説明が全くないままきょうを迎えたので、みんな大変、困っている」と指摘しました。

宮沢博行 前防衛副大臣「解散は当然のこと」
パーティー券収入のキックバックについて、かつて派閥から「収支報告書に記載しなくてもよい」と指示があったことを明らかにしていた、安倍派の宮沢博行・前防衛副大臣は記者団に対し「派閥の解散は、国民のみなさんへのけじめとして必要で、当然のことだと思っている。国民のみなさんに改めておわび申し上げる」と述べました。

また、総会での議論について「還流が始まったことへの説明はほとんどなく『慣行だった』という言い方だった。幹部に対して『経緯について、自分の口で話すことが国民に対する説明責任ではないか』と申し上げた」と述べました。

杉田水脈 衆院議員「非常に悲しく寂しいような気持ち」
安倍派の杉田水脈 衆議院議員は「当選以来、お世話になった派閥なので、解散と聞くと非常に悲しく寂しいような気持ちだが、国民が不信を抱いてしまっている以上、信頼回復に向けてまずはゼロからやり直すという意味で、これがいちばんではないか」と述べました。

その上で、自身についても、派閥からパーティー券収入のキックバックを受け政治資金収支報告書に記載していなかった可能性があるとして、派閥側での確認が終わり次第、説明する考えを示しました。

#自民党(安倍派・塩谷立座長/高木毅事務総長「清和政策研究会の総会を開き、今回の経緯について説明をする中で、われわれ幹部の責任のとり方や派閥の今後について十分に意見をいただき、結果的に清和政策研究会を解消することを決定した。発言したほとんどの議員が派閥解消を主張した」)

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#自民党(岸田総裁「宏池会=岸田派の解散についても検討している。政治の信頼回復に資するものであるならば、そうしたことも考えなければならない」)

「極端に言えば、予算を使わなくても、農業産出額を大きくすることはできる」。こう断言するのは、農水省の事務方トップである事務次官を2018年まで務めた奥原正明さん。

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#政界再編・二大政党制