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去年1年間の出版物の推定販売額は、電子コミックの売り上げが好調だったものの、紙の書籍の落ち込みが大きく、紙と電子を合わせた全体では、2年連続で前の年を下回りました。

出版業界の調査や研究を行う出版科学研究所のまとめによりますと、去年1年間の出版物の推定販売額は、紙と電子の合計で前の年より2.1%少ない1兆5963億円と、2年連続で前の年を下回りました。

このうち「電子出版」の売り上げは前の年を6.7%上回る5351億円となり、中でも「電子コミック」は、1話ごとに購入できるサービスや、出版社と協力し、ほかより先行して配信する作品を強化するなど各ストアの戦略が活発で、電子出版の売り上げ全体の9割を占めています。

一方「紙」の出版物は書籍・雑誌ともに売り上げが落ち込み、全体で前の年を6%下回る1兆612億円となりました。

書籍では村上春樹さんの6年ぶりの長編小説や、42年ぶりに続編が出た黒柳徹子さんの本などの話題作で「文芸」や「学参」のジャンルが健闘しましたが「ビジネス」や「実用書」は振るいませんでした。

出版科学研究所は「紙の書籍の売り上げの落ち込みは新型コロナの巣ごもり需要が収束したのに加え、歴史的な物価高で本の価格が上がり、買い控えの動きが見られることが要因とみられる」としています。

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