https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

去年1年間の働く人1人当たりの実質賃金は前の年と比べて2.5%減少しました。現金給与の総額は増えたものの物価上昇に追いつかず、実質賃金は2年連続でマイナスとなりました。

厚生労働省は従業員5人以上の事業所3万あまりを対象に「毎月勤労統計調査」を行っていて、6日、去年1年分の速報値を公表しました。

それによりますと、基本給や残業代、ボーナスなどを合わせた働く人1人当たりの現金給与の総額は月の平均で32万9859円となり、前の年に比べて1.2%増え、3年連続でプラスになりました。

内訳では、フルタイムが43万6849円、パートタイムが10万4570円で、いずれも統計を取り始めた平成5年以降最も高くなりました。

しかし、物価の上昇率が3.8%と42年ぶりの高い水準となり、物価変動を反映した実質賃金は前の年に比べ2.5%減少しました。

実質賃金が前の年を下回るのは2年連続です。

去年12月分の速報値も公表され、現金給与の総額は前の年の同じ月と比べて1%増え、過去最長となる24か月連続のプラスになりました。

しかし、実質賃金は1.9%減少し、21か月連続のマイナスとなっています。

厚生労働省は「去年の春闘で30年ぶりの賃上げ率になったことや人手不足の影響で給与総額が引き上げられたとみられるが物価の上昇に追いついていない状態が続いている。ことしの春闘でベアの水準がどれほど引き上げられるか注目したい」としています。

総務省が発表した去年1年間の家計調査で、2人以上の世帯が消費に使った金額は、物価の変動を除いた実質で前の年より2.6%減少しました。
前年を下回るのは3年ぶりで、物価高を背景に食費や教育費の支出を抑える動きがみられました。

総務省が6日に発表した去年1年間の家計調査によりますと、2人以上の世帯が消費に使った金額は、月間の平均で1世帯あたり29万3997円と、物価の変動を除いた実質で前の年より2.6%減少しました。

前年を下回るのは新型コロナの感染拡大で外出の自粛が広がった2020年以来、3年ぶりとなります。

内訳を見ますと、「食料」が2.2%減少したほか、学費や塾などの「教育」は9.8%減るなど、物価高を背景に支出を抑える動きがみられました。

また、年末の暖冬傾向の影響で暖房器具の購入が伸びず「家具・家事用品」は7.4%減少したほか、家賃やリフォーム代などの「住居」も6.9%減りました。

一方で、新型コロナの感染症法上での位置づけが去年5月に5類に移行し、旅行需要が回復したことでホテルや旅館などの「宿泊料」は9.4%伸びました。

このほか、去年12月に2人以上の世帯が消費に使った金額もあわせて公表され、1世帯あたり32万9518円と、物価の変動を除いた実質で前の年の同じ月を2.5%下回り、10か月連続で減少しました。

日銀の植田総裁は衆議院予算委員会に出席し、大規模な金融緩和策のうち、ETF=上場投資信託の買い入れ方針について「2%の物価目標が持続的・安定的に見通せるようになったときに継続することがよいかどうかを検討する」と述べ、マイナス金利政策とともに見直しの議論を進めていく考えを示しました。

日銀はマイナス金利政策とともに、市場から国債ETF=上場投資信託などの資産を買い入れる大規模な金融緩和策を行っていますが、市場では日銀が今の緩和策を転換する時期が近づいているという見方が強まっています。

日銀の植田総裁は6日、衆議院予算委員会に出席し、ETFの買い入れ方針の見直しについて問われると「2%の物価目標が持続的・安定的に見通せるようになったときに、ほかの手段も含めて継続することがよいかどうかを検討する」と述べ、マイナス金利政策とともに見直しの議論を進めていく考えを示しました。

そのうえで、すでに買い入れているETFの売却を含めた処分については「もう少し先で考える時間的余裕があると思っている」と述べました。

日銀の先月の金融政策決定会合では、委員の間から金融緩和策の転換に向けて、前向きな発言が相次いでいたことが明らかになっていて、日銀の政策対応の行方に関心が集まっています。

#日銀(植田総裁「(ETFの買い入れ方針の見直し)2%の物価目標が持続的・安定的に見通せるようになったときに、ほかの手段も含めて継続することがよいかどうかを検討する」「(すでに買い入れているETFの売却を含めた処分)もう少し先で考える時間的余裕があると思っている」)