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スナク英首相は1日、首相官邸前でスピーチし、多様な民族から成る英国の民主主義がイスラム教や極右の過激派による計画的な攻撃にさらされていると述べ、ヘイトスピーチや犯罪行為の増加を踏まえて、抗議行動に対してより厳しい態度で臨むよう警察当局に求めた。

スナク氏は「世界で最も成功を収めた多民族・多宗教の民主主義を構築したという偉大な成果が計画的な攻撃を受けていることに強い懸念を抱いている」と発言。深刻な混乱と犯罪行為が衝撃的な増加を見せていると危機感を示した。

国民には、抗議を行い、ガザ市民の生活を守るよう求める権利があるが、それを口実に、過激組織であるハマスへの支持を正当化することはできないと強調。警察に対して、こうした抗議行動については単に活動を抑制するのではなく、取り締まりを行うよう要請した。

  英国ではイスラム過激派ハマスと戦闘状態にあるイスラエルへの支持を表明した一部の議員が脅迫を受けたことから、議員に対して今週、セキュリティー対策用に新たな資金が支給された。

英国のハント財務相は報道機関とのインタビューで、総選挙を控えた大型減税への期待をけん制する発言を繰り返し、6日予定の春季財政報告(春の予算編成方針)で景気の先行き見通しの悪化を理由に大型減税に慎重な方針を打ち出す考えを示した。

ただ、国民保険料の引き下げには継続的に取り組んで国民の理解を得たいとの考えをほのめかした。

今年後半とみられる総選挙を控え、世論調査で与党保守党の支持率は野党労働党に水をあけられている。保守党内では、支持率回復の最後のチャンスが大型減税を盛り込んだ予算案だとの声が高まっており、スナク首相とハント財務相に実現を迫る圧力がかかっている。

ただ、政府の債務管理は急務。新型コロナウイルスパンデミック(世界的大流行)とエネルギー価格の高騰に伴って公的債務残高が国内総生産(GDP)比でほぼ100%にまで急増したためだ。

財務相は英紙サンデー・テレグラフのインタビュー記事で、予算案の根拠となる経済見通しが「昨年11月の秋季財政報告ほど楽観的でない」と述べ、景気の下振れ懸念を表明した。

その上で「予算案では、インフレ抑制で進展があったことに加え、財政に責任を負う重要性も強調する見通しだ」と指摘。国民の税負担が第2次世界大戦以降で最も重い状態だが、軽減までには「長い道のり」があると述べた。

ただ、3日の英スカイニュースとのインタビューでは「昨年の秋季財政報告が転機となった国民保険料の引き下げは、一定の進歩を念頭に置いている」と踏み込んだ。一方で「借入を増やして減税するのは保守党の理念に反する」と念を押した。

英債券市場はスナク政権の財政政策を注視している。トラス前政権が18カ月前、財源のない大型減税計画を国民に公表した際に金利が急上昇したためだ。後継のスナク政権では、ハント財務相が直ちに撤回しなければならなかった。

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