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国連の安全保障理事会で、今月の議長国、日本が主催して、核軍縮・不拡散をテーマにした閣僚級会合が開かれ、各国から核軍縮の必要性を訴える意見が相次ぐ一方で、核保有国のアメリカとロシアや中国が互いを非難する応酬となりました。

国連安全保障理事会は15の理事国が1か月ごとに交代で議長を務め、今月、議長国である日本は、日本時間の18日夜から19日未明にかけて核軍縮・不拡散をテーマに閣僚級会合を開きました。

会合には、核兵器国である常任理事国5か国と、非常任理事国10か国の外相や国連大使らが出席しました。

冒頭、グテーレス事務総長が「核保有国は対話のテーブルについてない。戦争の手段への投資が平和への投資を上回っている」と述べ、核軍縮が停滞する現状に強い危機感を示しました。
議長を務めた上川大臣は「国際社会の分断が深まり、核軍縮をめぐる状況も一層厳しくなっている。『核兵器のない世界』の実現に向けて、現実的で実践的な取り組みを着実に進めることが重要だ」と強調しました。

そして、核戦力の透明性の向上や、核兵器の減少傾向の維持などに危機感を持って取り組むよう訴えました。

また、核兵器の原料となる物質の生産を禁じることなどを目的としたFMCT=兵器用核物質生産禁止条約の交渉開始に向けて、日本が主導し、関心のある国が議論を行うグループを立ち上げることを表明しました。

このほか、ロシアによる核の威嚇や北朝鮮の核・ミサイル開発、中国を念頭にした核戦力の急速な増強などについて、「核兵器のない世界に逆行する動き」だと指摘し、国際社会が一致して声をあげるよう呼びかけました。

閣僚級会合では、各国からも核軍縮に取り組む必要性を訴える意見が相次ぎました。

その一方で、核保有国どうしの対立もみられ、アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は「ウクライナへの侵攻以降、ロシアは無責任に危険な核をめぐる主張を続け、核の軍備管理の義務も放棄してきた。その間に中国は急速かつ不透明に核兵器を蓄積し多様化させてきた」と述べ、ロシアと中国を非難しました。

これに対して、中国の張軍国連大使は「アメリカの主張は全く根拠がない」と反発したうえで、より多くの核兵器保有するアメリカこそ核軍縮を進めるべきだと主張しました。
また、ロシアのポリャンスキー国連次席大使は「いまや西側諸国は、わが国を戦略的に敗北させようとする意図を隠していない。アメリカとその同盟国の反ロシアの政策がエスカレートすれば、核保有国どうしの直接対決に発展しかねない」と述べ、アメリカを強くけん制しました。

米の国連大使 宇宙に核配備しないよう求める決議案提出の考え
国連安全保障理事会の会合で、アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は、宇宙空間に核兵器やその他の大量破壊兵器を配備しないよう求める決議案を、日本とともに提出する考えを明らかにしました。

トーマスグリーンフィールド国連大使は「地球の周回軌道上に核兵器をおくことはこれまでなかったことで、危険であり容認できない」と述べ、決議案では、地球の周回軌道上に配備するための核兵器やその他の大量破壊兵器を開発しないよう、国連加盟国に呼びかけると強調しました。

アメリホワイトハウスの高官はことし2月の会見で、ロシアが人工衛星を標的にした軍事計画を進めているとして、宇宙空間の平和利用などを定めた「宇宙条約」に違反していると指摘していました。

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