温室効果ガス排出量などの開示求める国の制度 本格的に始まるhttps://t.co/cxTbdEPTcH #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) April 22, 2024
企業などに温室効果ガスの排出量や、化石燃料に依存しない電力の使用割合の開示を求める国の制度が、今年度から本格的に始まりました。情報の“見える化”により脱炭素や省エネを企業に促すとともに、先進的な企業への投資を呼び込むねらいです。
去年4月に改正された「省エネ法」では、エネルギーを多く使用する大規模な企業などおよそ1万2000の事業者を対象に、温室効果ガスの排出量や、化石燃料に依存しない電力の使用割合など10項目について、毎年国に報告するよう求めています。
さらに今年度からは報告内容の開示を求める制度も本格的に始まり、経済産業省では、報告を行っている企業すべてに開示を働きかけることにしています。
開示するかどうかは企業の判断となりますが、これまでに356の事業者が開示を決めています。
また、経済産業省は、省エネ関連の補助金の支給にあたって、情報の開示を条件とすることにしています。
企業ごとの情報はことしの秋ごろに開示される見通しで、経済産業省では情報の“見える化”によって、脱炭素や省エネを企業に促すとともに、先進的な企業への環境関連の投資を呼び込みたいとしています。
情報を開示した鉄鋼メーカーは
国の制度に基づき、情報の開示を始めた愛知県の鉄鋼メーカーでは、化石燃料に依存しない電力を使用する割合を高めたり、製造工程の一部の燃料を水素に転換したりするなど、脱炭素に向けた対応を加速させています。愛知県に本社がある鉄鋼メーカーの「愛知製鋼」は、制度の試験運用が始まった昨年度から、脱炭素や省エネの取り組みに関する国への報告内容を開示しています。
この企業では、2030年度に使用する電力の60%を化石燃料に依存しない再生可能エネルギーなどへと転換する目標を定めていて、毎年度の実績を公表することにしています。
太陽光や風力など再生可能エネルギーで作られた電気を使ったと見なされる「非化石証書」という証明書を購入し、国内7つの工場のうち、5か所の使用電力を化石燃料に依存しない形としました。
さらに鋼材を板状に薄くのばす圧延を行ったあとの熱処理の工程で使う燃料を、都市ガスから二酸化炭素を排出しない水素にできないか検討していて、地元のガス会社と共同で実証実験を行う予定です。
鉄鋼業界は、国内全体の二酸化炭素の排出量でおよそ1割を占めていますが、会社ではこうした取り組みの公表を通じて環境意識の高い投資家を呼び込むだけでなく、脱炭素などの取り組みでほかのメーカーとの連携にもつなげたいとしています。
愛知製鋼サステナビリティ推進室の乗木尚隆室長は、「業界全体の脱炭素社会の取り組みを後押しする一助になればと思っています」と話しています。
ダリオ氏考案の戦略、成績低迷で投資家が逃避-かつての人気から一転 https://t.co/waFHz0bDK4
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) April 23, 2024
それは魅力的な売り文句だった。レイ・ダリオ氏が率いるブリッジウォーター・アソシエーツや他のヘッジファンドの幹部は、長期的に利益を生むことが確実な戦略だと約束して投資家から資金を集めた。しかし今、5年間ものリターン低迷の後、「リスクパリティー」ファンドに多額の資金を投じた機関投資家の多くが、資金返還を求めている。
ニューメキシコ州、オレゴン州、オハイオ州の公的年金をはじめとする投資家が資金を引き揚げ、3年前のピーク時からこの種のファンドの運用資産は推定700億ドル(約10兆8000億円)も縮小した。時間を与えてほしい、次の10年はこれまでとは違うというファンド側の訴えは、多くの投資家にはむなしく響く。
約170億ドル規模のニューメキシコ州公務員年金のアドバイザーを務めるベルス・インベストメンツのマネジングディレクター、アイリーン・ニール氏は「長い間失望してきた。リスクパリティーが本当に成功したのは金融危機のときだけで、そのときが全盛期だった」と話した。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後のブームと破裂を通じた成績低迷は、ダリオ氏が考案した資産配分手法への信頼を揺るがした。この戦略は、各資産のボラティリティーの高さに基づく分散投資に重点を置き、しばしばレバレッジを利用して、取ったリスクとの比較で最適のリターンを得ようとする。
2008年の金融危機の後、投資家が次の大災害から身を守る方法を求めたため、この戦略は隆盛を極めた。しかし、投資家が再び株式に投資するようになると、株価上昇期に出遅れてしまった。そして22年、米国債のような安全資産が下落すると、リスクパリティーファンドはさらに大きな打撃を受けた。
業界の広範な指数によると、リスクパリティーファンドは19年以降毎年、株式6割債券4割の「60/40ファンド」に後れを取っている。
イーベストメントのデータから作成されたベルスの推計によると、リスクパリティーファンドの資産は21年ピーク時の約1600億ドルから23年末には約900億ドルまで減少している。
1996年にダリオ氏の信託財産を運用するために始まったリスクパリティーは、深掘りした経済調査を用いて可能な限り最高のポートフォリオを構築する方法として宣伝された。
大きなリターンを追い求めるためにリスクを積み上げるのではなく、この戦略では一般的に、コモディティーや債券など幅広い資産に分散投資し、それぞれがポートフォリオのボラティリティーを等しく左右するようにする。リスクのバランスを保つため、価格変動幅に応じてエクスポージャーの増減が可能で、暴落時の保険になる戦略だ。
厳しい環境
この戦略の支持者に言わせれば、株価が最高値を更新した直後に資金引き揚げを決断するのは典型的な投資ミスだ。
リスクパリティーで約150億ドルを運用するマンAHLのコア戦略担当ディレクター、オットー・ファンヘマート氏は、その決定は「本当に過去10年からの推論であり、私はその10年は例外的だったと考える」と述べた。
この10年間は低金利が続き、株式と債券が上昇した。リスクパリティーはプラスのリターンをもたらしたが、株式により多く投資する単純なポートフォリオほどではなかった。
その後、米連邦準備制度が22年に利上げを開始すると、ほとんどのモデルが対応しきれないうちに債券が暴落。分析会社のマルコフ・プロセシズ・インターナショナルによると、多くのファンドでボラティリティーが目標水準や前回の金融危機時の最高値をも超えて急上昇した。
最大のリスクパリティーファンド運用会社であるブリッジウォーターは、インディアナ公的退職制度に対する昨年9月のプレゼンテーションで、同社の「オール・ウェザー」ファンドが期待リターンを下回ったことを認めた。しかし同社は、特に株式の上昇が停滞するリスクを考慮すると、リスクパリティーは10年という長期的な視野で現金を配分する優れた方法であることに変わりはないと主張した。
オール・ウェザーの最も人気のあるタイプは、ボラティリティー10%を目標にしたもので、22年には22%の損失となり、ほとんどの同業他社に後れを取った。マルコフ・プロセシズのマイケル・マルコフ氏によると、これは短期的な市場の変動や相関関係の変化に対する反応性が低いためであるようだ。
ブリッジウォーターはコメントを控えた。
オレゴン州投資評議会は20年7月までに、ブリッジウォーターとマン・グループ、パナゴラ・アセット・マネジメントが運営するリスクパリティーファンドに10億ドル以上を振り向けた。しかし、年約6%の損失を受けて22年後半には方針を転換し、リスクパリティーへの投資を停止した。パナゴラはコメント要請に応じなかった。
債券がここ数年で最も高い利回りを提供している一方で、株式のバリュエーションが高騰していることを考えると、この戦略の支持者にとっては、この動きは近視眼的に思われるかもしれない。
リスクパリティー投資で137億ドルを運用するAQRキャピタル・マネジメントのジョーダン・ブルックス氏は「分散投資の宿敵はFOMO(乗り遅れ恐怖症)だ。一日の終わりに投資家がするべき仕事は、後方ではなく前方を見て、次の10年を乗り切るための最良のポートフォリオを考えることだ」と論じた。
原題:Ray Dalio’s Famous Trade Is Sputtering and Investors Are Bailing(抜粋)
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