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韓国軍は4日、南北軍事境界線と西北島しょに沿って全ての軍事活動を再開すると発表した。これに先立ち、尹錫悦大統領は北朝鮮が飛ばす汚物風船に対抗するため、南北軍事合意の停止を承認した。

国防省当局者は緊急ブリーフィングで「韓国軍は北朝鮮の挑発行為に対し、国民の生命と安全を守るため必要なあらゆる措置を取ることを明確にする」と表明。大規模な汚物風船の散布は「国民の安全を著しく脅かし、財産面で損害をもたらした」と述べた。

軍事合意の下、両国は軍事的緊張の原因となっている「あらゆる敵対行為を互いに完全停止する」としていた。

北朝鮮がごみや汚物をぶら下げた風船を韓国側に飛ばしたことなどを受け、韓国政府は、6年前に前の政権が南北の緊張緩和を目指すとして北朝鮮と結んだ軍事合意の効力をすべて停止することを正式に決定しました。

北朝鮮は、先月末以降、ごみや汚物をぶら下げた多数の風船を韓国側へ飛ばしたほか、朝鮮半島西側の黄海GPSの作動を妨害する電波を発信するなど、挑発行為を続けてきました。

これを受けて、韓国政府は2018年に南北の軍事的な緊張緩和を目指すとして、前の政権が北朝鮮と結んだ軍事合意の効力を、信頼が回復されるまですべて停止することを、4日の閣議で正式に決定しました。

そして、この方針をユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が承認し、今後の対応について、韓国国防省の関係者は、軍事境界線付近や島しょ部一帯での訓練を再開する方針を示しているほか、軍事境界線近くでの大音量のスピーカーによる北朝鮮に向けた宣伝放送について「状況しだいでいつでも実施できるよう準備している」としています。

韓国政府が3日、軍事合意の効力停止の方針を確認して以降、北朝鮮は反応を見せていませんが、韓国側の決定を受けて、北朝鮮がさらなる挑発に出ることも予想されます。

一方、韓国の脱北者団体は、北朝鮮の体制を批判するビラを再び飛ばす意向を示していますが、韓国統一省の関係者は「自制を求めない」としていて、応酬が続く可能性も指摘されています。

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