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ことし4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体「つばさの党」の代表ら3人がほかの陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で、警視庁は別の陣営に対しても「カーチェイス」と称して選挙カーを追い回すなどして選挙運動を妨害したとして公職選挙法違反の疑いで再逮捕しました。

根本容疑者、黒川容疑者、杉田容疑者
再逮捕されたのは、政治団体「つばさの党」の幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と、代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに組織運動本部長の杉田勇人容疑者(39)の3人です。

警視庁によりますと、根本容疑者らはことし4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙の期間中、立憲民主党の陣営に対し、およそ20分間にわたって拡声機を使ってどなりながら選挙カーを至近距離で追い回して警察署に避難させるなど「交通の便」を妨げたほか、街頭演説中に割り込み演説を中止に追い込んだとして公職選挙法違反の疑いがもたれています。

3人は、告示日に別の陣営の候補者が演説する前で拡声機を使ってどなるなど、演説が聴き取れないように妨害したとして先月、公職選挙法違反の疑いで逮捕され、東京地方検察庁は7日に起訴しました。

演説妨害のようす 動画で配信
「つばさの党」は選挙期間中、ほかの陣営の演説を妨害したり、選挙カーで追い回したりする様子をYouTubeで配信していました。

「質問に答えろ。答えるまで追いかけ回す」「止まりなさい」

4月17日には立憲民主党選挙カーを追尾しながら、根本幹事長らが拡声機を使って一方的に呼びかけていました。

その間、立憲民主党選挙カー有権者への呼びかけを中断したうえ、予定していたルートの変更を余儀なくされ、警察署に避難しました。

4月23日には江東区東陽町駅付近で、立憲民主党の候補者らが演説していた際、黒川代表らが「質問に答えろ」と割り込む様子がうつっています。

聴衆や陣営関係者とみられる人からは「選挙妨害するな」とか「民主主義を邪魔するな」などと声が上がりましたが、根本幹事長らは拡声機を使って話し続け、立憲民主党の陣営は最終的に「街頭演説会を中止にする」とアナウンスしていました。

つばさの党はほかの陣営に対する演説妨害や「カーチェイス」と称する選挙カーの追尾を繰り返してその様子を撮影し、YouTubeなどで公開していて、警視庁は妨害行為は少なくとも15件にのぼるとみて活動の実態をさらに調べています。

公職選挙法に規定された「交通の便」を妨げる行為で立件するのは、1950年に法律が施行されて以来、初めてのケースとみられます。

選挙カーに追い回され 演説中止
つばさの党は選挙期間中、ほかの陣営の選挙カーを追い回す行為をたびたび行っていました。

立憲民主党選挙対策委員会の大串博志委員長は、選挙戦4日目の4月19日、応援のため選挙カーに乗っていたところ、つばさの党の選挙カーに追いかけられました。

大串委員長は「つばさの党の選挙カーとすれ違ったときに彼らが急にUターンをして、私たちの選挙カーの後ろにピッタリくっついて追い回してきた。非常に危険な行為だと思ったし安定的に車を走らせることが非常に困難だった」と話していました。

つばさの党がYouTubeに公開した動画では、根本幹事長と黒川代表が、大串さんが乗っていた選挙カーを見つけると、Uターンをして車間距離を詰め、拡声機で大音量を浴びせながら10分余りにわたって追い回す様子が確認できます。

その後、大串委員長は午後4時に立候補していた酒井菜摘氏の応援演説を行う予定でしたが、SNSで告知したところ、それを見たつばさの党が会場に訪れることを宣言したため中止せざるを得なくなったということです。

こうした妨害行為を受けたことで陣営では、街頭演説を中止するなど日程変更を余儀なくされたといいます。

立民陣営「選挙運動の自由そのものを奪われて」
立憲民主党選挙対策委員会の金井塚誠担当部長は「まさに妨害以外の何物でもない。選挙は12日間の中で、街宣活動は朝8時から夜8時までという限られた時間の中でどれだけ意味のあることをやれるかが問われるのに、後ろから追いかけ回され、最終的に警察署に逃げ込まなければいけないのは全くもって無駄な時間だった。私たちが時間を奪われているということは、選挙運動の自由そのものを奪われていることと同じだ」と話していました。

維新候補「聴衆に危険が及ぶおそれ」
日本維新の会から立候補した金澤結衣氏は選挙選終盤の4月25日、江東区豊洲駅前で街宣活動を行った際には、黒川代表と根本幹事長が近づいてきて拡声機を使って大音量でどなるなどしたうえ、陣営関係者に対し、至近距離で太鼓を叩く行為を繰り返しました。

金澤氏は、当初は演説を続けていましたが、周囲に子どもがいたことや、関係者や聴衆に危険が及ぶおそれがあるとして、演説を中断しました。

それ以前にも至近距離でやじを飛ばされたり、選挙カーで追いかけられたりしたため、陣営ではSNSなどで演説場所を事前に告知するのをやめたということです。

金澤氏は「有権者とお会いする時間が格段に減ってしまった。つばさの党の動向を確認しながら演説しなくてはならず、本当は政策の話をしたくても、妨害の音が入ってくると、まずは見ている人たちの安否などを考えるので、私自身、伝えたいことが一切伝えられない状況になってしまった。その悔しさやもどかしさはあります」と話していました。

前例のない捜査 立件のポイントは
今回、選挙運動に対する「交通妨害」での立件は、初めてのケースで、警視庁としても前例のない捜査が求められました。

何が妨害にあたるのか明確な規定がない中で、立件のポイントになったのは、「犯行態様の悪質さ」と「実害」です。

<立件のポイント(1) 犯行態様の悪質さ>
捜査関係者によりますと、根本容疑者らは、ほかの陣営の選挙カーを見つけると、執ように追いかけていて、その時間や距離の長さに加え、「質問に答えろ。答えるまでは追いかける」などと、ドライバーに恐怖心を与えるような威圧的な文言を拡声機を使って繰り返し発していました。

<立件のポイント(2) 実害>
もう1つが実害が出たことです。追い回された陣営は、110番通報をしたうえで警察署に避難しました。こうした妨害行為によって、街宣ルートの変更を余儀なくされたり、有権者への呼びかけができなくなったりするなど、選挙運動に明らかな影響が出たということです。
警視庁は知能犯事件を担当する捜査2課に18年ぶりとなる特別捜査本部を設置し、異例の80人態勢で捜査を進めています。

各陣営からの聞き取りやつばさの党が公開した動画の分析に加え、実際の選挙カーを使って再現実験を行い、車間距離や拡声機の音声の聞こえ方など、証拠を積み上げたということです。

捜査幹部は「ただ追尾したわけではなく、執ように意図を持って追いかけ回した。相手の陣営が質問に答えない権利もある中で『答えなければ追いかけ続ける』と強要のようなことをしている。証拠を積み上げた結果、極めて悪質な妨害事案だと判断した」と話しています。

警視総監「選挙の自由公正を害する行為に適切な措置を」
来月投票が行われる東京都知事選挙を前に警視庁は7日、選挙違反の取締本部を設置し、午後に開かれた会議で、緒方禎己警視総監は悪質な自由妨害などに重点を置いて取り締まるよう指示しました。

冒頭の訓示で、緒方警視総監は「衆議院東京15区の補欠選挙では特定の陣営による選挙の自由妨害が問題となった。今回の選挙でも、選挙の自由と公正を害する行為や都民生活の平穏を脅かす状況を認知した場合には、法令に基づいた適切な措置をきぜんとして講じてほしい」と述べて、悪質な自由妨害などに重点を置いて取り締まり、選挙の自由と公正の確保につとめるよう指示しました。

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