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政治資金規正法の改正をめぐり、自民党の麻生副総裁は今の国会の会期末までに党の法案を成立させる考えを強調しました。一方、政治活動にはコストがかかるとしてパーティーの開催などで幅広く政治資金を集める必要性に理解を求めていく考えを示しました。

自民党の麻生副総裁は新潟県新発田市で講演し、政治資金規正法の改正をめぐり「少なくとも再発防止について法改正をしなければならず、今月23日の通常国会の会期末までに法案を成立させたい。民主主義のため政治倫理は絶対に確立しなければならない」と強調しました。

一方、麻生氏は「民主主義にはコストがかかるが、政治の道を志す若い人が資金不足で関われないということがあってはならない。パーティーをはじめ広く薄く大勢の人から支援をいただくことが大事で、必要性を理解してもらえるよう粘り強く取り組んでいく。将来に禍根を残すような改革だけはやってはいけない」と述べました。

岸田総理大臣は18日夜、自民党の麻生副総裁と会食しました。政治資金規正法の改正に向けた修正協議の一連の経緯や今後の政権運営などについて意見を交わしたものとみられます。

岸田総理大臣と自民党の麻生副総裁は、18日夜、東京都内のホテルでおよそ2時間半、会食しました。

麻生氏は政治資金規正法の改正をめぐり、岸田総理大臣が公明党の主張を受け入れてパーティー券の購入者を公開する基準額を「5万円を超える」に引き下げる判断をしたことに不満を持っているとされ、一連の経緯などについて意見を交わしたものとみられます。

また、19日に予定されている党首討論を含む終盤国会への対応や今後の政権運営、それに外交政策なども話題になったものとみられます。

関係者によりますと、岸田総理大臣は会合のあと周辺に対し「いろいろとアドバイスをもらい、有意義な会だった」と述べたということです。

自民党内では、岸田政権の発足以降、緊密に連携してきた両氏の間に溝が生じているという見方も出ていて、ことし秋までに行われる党の総裁選挙を控え、今夜の会合でどのような意見が交わされたのか関心が高まっています。

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自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けた改正政治資金規正法は、19日の参議院本会議で自民・公明両党などの賛成多数で可決・成立しました。衆議院では賛成した日本維新の会をはじめ、野党側は反対しました。

改正政治資金規正法は◇議員本人に対する罰則を強化するいわゆる「連座制」導入のため収支報告書の「確認書」の作成を議員に義務づけ、◇パーティー券の購入者の公開基準額を今の「20万円を超える」から「5万円を超える」に引き下げるとしています。

また、◇党から支給される「政策活動費」について、項目ごとの使いみちや支出した年月を開示し、10年後に領収書などを公開するとしています。

19日の参議院本会議ではまず討論が行われ、自民党佐藤正久氏は「今回の法改正は『制限する』のではなく、『正す』という意味で大きな前進だ。スピード感をもって法案にさらなる魂を入れ実効性を上げていく。政治活動の自由を確保しながら、政治資金のさらなる透明化と適正化に貢献するものだ」と述べました。

一方、立憲民主党の水岡参議院議員会長は「信頼回復どころか、国民にはますます不信や不安感が広がっている。抜け穴だらけの法案やザルのような法案との指摘を覆せなかった自民党は、規正法が目指した方向性に逆行していると言わざるをえない」と批判しました。

日本維新の会の音喜多政務調査会長は「約束をほごにして、議員特権を温存することは、国民に対する重大な裏切り行為だ。自民党の不誠実な態度は法案に反対する十分な理由を与える」と述べました。

続いて採決が行われ、改正政治資金規正法は自民・公明両党などの賛成多数で可決・成立しました。衆議院で賛成した維新の会をはじめ、立憲民主党共産党、国民民主党、れいわ新選組、教育無償化を実現する会、社民党、参政党などは反対しました。

改正法をめぐっては、派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて自民党が法案を提出し、衆議院公明党や維新の会の主張を踏まえ修正が行われました。

しかし維新の会は、国会議員に支給される「調査研究広報滞在費」をめぐる自民党の対応に反発し参議院では反対に転じました。

改正法では、「政策活動費」の支出をチェックする第三者機関の制度設計などは「検討事項」となっていることから、今後、実効性のある仕組みを設けられるかが課題となります。

岸田首相「実効性のある制度になった」
岸田総理大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し「収支報告書における政治家の責任の強化や政策活動費、それに政治資金パーティーなど、政治資金の透明性を大きく向上させると認識している。一連の事案を受け、再発防止や透明性向上という観点から、実効性のある制度になった。大きな一歩だと認識している」と述べました。

また「旧『文書通信交通滞在費』や、政策活動費を監査する第三者機関のあり方など、詳細の調整を要する課題もあるが、大きな改革の方向性、改革をやるとの決意を示した意味で意義がある。引き続き国民の信頼確保に向けて着実に取り組んでいきたい」と述べました。

自民 茂木幹事長「国民に丁寧に説明していきたい」
自民党の茂木幹事長は「改正法は各党の提案の中でも取り入れられるものはできる限り取り入れ、再発防止の徹底や政治資金の高い透明性を確保するものとなっている。政治の信頼回復に向け、法改正の考え方や内容について国民に丁寧に説明していきたい」というコメントを出しました。

自民 松山参議院幹事長「信頼回復に向けて政治刷新を進めたい」
自民党の松山参議院幹事長は記者団に対し「自民党の一連の問題を真摯(しんし)に反省し、このようなことを二度と生じさせないため成立に全力を尽くしてきた。信頼回復に向けて一歩一歩、着実に政治の刷新を進めたい。法律の詳細について各党で議論を重ねていく部分が多々あるが、閉会中も含め議論を進めればいいのではないか」と述べました。

自民 渡海政調会長「1つの成果だが終わりではない」
自民党の渡海政務調査会長は記者団に対し「成立は1つの成果だが、検討項目もたくさんあるのでこれで終わったとは言えない。特に『政策活動費』の支出をチェックする第三者機関の問題など残された項目については、継続して検討しなければならない」と述べました。

公明 山口代表「信頼回復の第一歩に」
公明党の山口代表は記者団に対し「岸田総理大臣と掲げていた今の国会で法改正を成し遂げるという目標を達成でき、与党としての責任を果たせた。ただ、政治とカネの問題は不断の改革が必要であり、法律の施行時期までに具体化しなければならない課題も残っているので、与党で議論を詰めるとともに、野党にも協力いただいて、政治への信頼回復の第一歩として努力していく必要がある」と述べました。

立民 泉代表「国民は納得しない。改革に値しない」
立憲民主党の泉代表は記者団に対し「こんな法改正では国民は納得しない。自民党の議員が胸をなで下ろすような改革案で、改革に値しない。『のど元過ぎれば熱さを忘れる』ということを期待しているのだろうが、『裏金議員』やいいかげんな法案が成立したことを国民は忘れてはいけないし、われわれも国民に伝えていかなければならない」と述べました。

維新 馬場代表「100点満点に近い法律にするよう協議」
日本維新の会の馬場代表は記者会見で「成立した改正規正法に満足感もないが、大きな不満を持ってもいない。われわれは、改革を1つの大きな目標に掲げ、一歩ずつ前に進めることを有言実行でやってきた。100点満点ではないが、法律ができなければ何も変わらない」と述べました。

そのうえで、「検討事項について野放しにすると、ずるずると抜け穴をあけることにつながる。法律の施行まで時間があり、自民党にムチを入れて、100点満点に近い法律にするよう協議していく」と述べました。

維新 藤田幹事長「大きな穴ふさいだ 実効性あるものに努力」
日本維新の会の藤田幹事長は、記者会見で「成立した改正規正法は、われわれのアイデアが一部取り入れられ、大きな穴はふさいだ。一定、評価してよく、実効性あるものにしていく努力は引き続きしていく。『調査研究広報滞在費』の使いみちの公開などの立法措置が今国会でなされないことは力不足を感じた」と述べました。

また、自民党との党首間の合意など、一連の法案審議の対応について、来週にも党所属の地方議員らを対象に説明する機会を設けることを明らかにしたうえで、「自分が粘り強くやってきたことは、自信を持って間違いないと思っている。その場で『藤田、辞めろ』と言われるなら、それで別にいい」と述べました。

一方、立憲民主党内閣不信任決議案を提出した場合の対応について、「参議院に問責決議案も提出しているので『不信任』の判断になる。共同提出の打診はないが、お願いされれば検討する」と述べました。

共産 田村委員長「大改悪 これでは政治改革にならず」
共産党の田村委員長は、記者会見で「企業・団体献金の禁止には指1本触れず、もともと条文にない『政策活動費』を法律に書き込み、お金の使いみちを隠して、よい中身にしてしまうなど、大改悪と言わざるをえない。国民は全く納得しておらず、これでは政治改革にならない。国会が再度、真の政治改革に向けて努力すべきだ」と述べました。

国民 玉木代表「求めた項目3つ入り30点も改悪 改革を」
国民民主党の玉木代表は、記者団に対し「『政策活動費』を法定化し、10年後に公開することは絶対に改革しなければいけない。お金が温存されることになり、改悪と言ってもいい。国民の信頼は全く回復できない。点数を付けるとすれば、改正法に第三者機関の設置など、わが党が求めた項目が3つ入ったので30点だが、いずれも検討中としているので半分の15点だ」と述べました。

改正政治資金規正法とは

改正政治資金規正法の内容です。

いわゆる「連座制」として、議員に収支報告書の「確認書」の作成を義務づけ、会計責任者が不記載や虚偽記載で処罰された場合、議員が「確認書」を作成していなかったり、内容を確かめずに作成したりしていれば、50万円以下の罰金を科し、公民権を停止するとしています。

また、収支報告書に不記載などがあった場合、相当する額を国に寄付できるようにするとしています。

一方、政治資金の透明性を向上させる方策として、外部監査を強化し、議員の政治団体の支出だけでなく、収入も監査の対象に含めることや、議員に収支報告書のオンライン提出を義務づけることを盛り込んでいます。

そして、パーティー券の購入者を公開する基準額については、法律の施行から1年後に現在の「20万円を超える」から「5万円を超える」に引き下げるとしています。

当初、自民党の案では「10万円を超える」でしたが、公明党の主張を受け入れて基準額をさらに引き下げました。

さらに、パーティー券の現金での販売を禁止し、代金は口座振り込みにするとしています。

党から議員に支給される「政策活動費」については、支給を受けた議員が項目ごとの使いみちの金額や支出した年月を党に報告し、党が収支報告書に記載するとしています。

また、1年ごとの支出の上限金額を定めたうえで、領収書などを10年後に公開することも盛り込みました。

そして透明性を確保するため、独立性のある第三者機関を設置するとしています。

支出の上限金額を設けることや10年後の領収書の公開などは日本維新の会の主張を受け入れました。

一方で、領収書の公開の具体的な方法や第三者機関のあり方といった詳細な制度設計は、検討事項となっていて、今後、各党での協議に委ねられます。

国会議員の政治団体の会計処理をめぐっては、議員側から年間で1000万円以上の資金を後援会など別の政治団体に移した場合、支出の公開基準を国会議員の団体と同様に厳格にするとしています。

このほか、議員に規正法違反などがあった場合に政党交付金の一部の交付を停止する制度を創設するとしています。

また、外国人などによるパーティー券購入に関する規制や、個人献金を促進するための税制優遇措置、それに、議員自身が代表を務める政党支部に寄付した場合は税制優遇措置の対象から外れることについて検討し、必要な措置を講じることも盛り込みました。

法律は一部の規定を除いて再来年(2026年)1月1日から施行し、施行から3年をめどに見直すとしています。

感染症の大流行や大規模災害などが発生した場合に国が自治体に必要な指示ができる特例を盛り込んだ、改正地方自治法が、19日の参議院本会議で賛成多数で可決・成立しました。

改正地方自治法は、2020年にクルーズ船で新型コロナの集団感染が発生した際、国の権限が明確でなかったことから、自治体をまたぐ患者の移送の調整に時間がかかったことなどを踏まえたものです。

改正法には、感染症の大流行や大規模災害など国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生した場合、個別の法律に規定がなくても国が自治体に必要な指示ができるとした特例が盛り込まれています。

指示を行う際はあらかじめ国が自治体に意見の提出を求める努力をしなければならないとしています。

衆議院の審議では、国の指示が適切だったか検証する必要があるとして、国会への事後報告を義務づける規定を設ける修正が行われました。

19日は参議院本会議で採決が行われ、これに先立つ討論で、立憲民主党の小沢雅仁氏が「国の指示権の特例は、国と自治体との関係を対等・協力に改めた地方分権改革の成果を無にし、憲法が保障する地方自治の本旨に反するものだ。発動の要件が極めてあいまいで、自治体への国の不当な介入の誘発や、将来拡大解釈されるおそれもある」と述べました。

一方、日本維新の会の高木かおり氏は「コロナ禍のように現行の法律に定めがない状況では、権限が明示されず、国も自治体も手探りで動かなければならないことが想定される。平時と有事を切り替える統治システムが必要で、法改正は国と地方の権限の明確化につながる意義のあるものだ」と述べました。

採決の結果、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決・成立しました。立憲民主党共産党などは反対しました。

国会での審議の経緯
衆参両院での質疑では、指示が可能になる具体的な状況や、国会の関与のあり方などをめぐって、激しい論戦が交わされました。

国が指示できる具体的な状況について、野党側は「どのような事態になれば国が指示を行うのかが明確でない」と指摘し、政府に繰り返し説明を求めました。

松本総務大臣は、具体的な想定はしていないとしたうえで「法改正は、今後想定できない事態が生じる場合に備えるものだ」と述べるにとどめました。

一方、国の指示に関する国会の関与について、政府側は、法律の改正を答申した総理大臣の諮問機関の「地方制度調査会」の議論では、事前の国会承認や、事後の国会報告は「機動性を欠くことになる」と指摘されていたとして、改正案を国会に提出した段階では規定していませんでした。

しかし、審議の中で「国による指示が適切かどうかを検証する必要がある」という指摘が相次いだことから、自民・公明両党と日本維新の会が、国会への事後報告を義務づける修正案を衆議院総務委員会に提出し、新たな規定が盛り込まれました。

改正地方自治法の内容は
改正地方自治法は、新型コロナの対応をめぐって、国と自治体との間で調整が難航するなどの課題が明らかになったことから、個別の法律でカバーできない事態にも迅速に対応できるよう、国と自治体の関係をあらかじめ規定することが柱となっています。

【国から自治体への「指示」】
自治体が行う事務に対し、国が自治体に具体的な指示を行う権限については、感染症法や災害対策基本法などの個別の法律で規定されています。
改正地方自治法では、個別の法律に規定がなくても、国民の安全に重大な影響をおよぼす事態が生じた場合に、国が自治体に対して必要な指示を行うことができるとする特例が盛り込まれました。
指示は閣議決定を経て行うとされています。
この特例をめぐっては、全国知事会などから国との対等な関係が損なわれるのではないかという懸念が示されたことから、国が指示を行う際はあらかじめ自治体に意見の提出を求めるという努力義務が設けられました。

【職員派遣・事務処理調整】
改正法では、自然災害に加え感染症などの対応でも、国が自治体間の職員の応援について要求や指示ができるようにすることや、市や区が行う保健所の運営などの業務について国の指示によって都道府県が必要な調整を行うことも盛り込まれています。

【情報システムの適正な利用】
自治体がサイバー攻撃や情報漏えいの防止などサイバーセキュリティを強化することも盛り込まれました。
自治体がセキュリティを確保するための方針を策定して公表し必要な措置を講じることを義務づけます。総務大臣は参考となる指針を示すとしています。

【公金の収納事務のデジタル化】
行政のデジタル化を推進するため、自治体共通のQRコードを使って地方税を納付する「eLTAX」を活用し、国民健康保険料や介護保険料などを納付できるようにすることも盛り込まれています。

【地域の多様な主体の連携、協働の推進】
人口が減少する中で地域住民の生活を支えていくため、市町村が自治会連合会や社会福祉協議会など地域で活動する団体を「指定地域共同活動団体」として指定し、必要な支援を行うことも盛り込まれました。

官房長官「今回の改正 国が果たすべき責任を明確化」

官房長官は午前の記者会見で「新型コロナ対応で従来の法制では想定されなかった事態が相次いだ。今回の改正は、国民の生命などを守るため、個別法で想定されていない事態が生じた場合に国と地方の間の責任の所在が不明確になるという課題を踏まえ、国が果たすべき責任を明確化するものだ」と述べました。

また国が自治体に必要な指示ができる特例について「国と地方の間でしっかりコミュニケーションをとることなどに十分留意する必要がある。施行にあたっては、法律の運用の考え方について政府内で周知・徹底を図るとともに自治体にも丁寧に説明していく」と述べました。

全国知事会長「安易に行使されることがないよう強く求める」

全国知事会の会長を務める宮城県の村井知事は「国による補充的な指示が、現場の実情を適切に踏まえた措置になるよう、また地方自治の本旨に反して、安易に行使されることがないよう強く求める。今度とも、国民の生命などの保護のため、国と地方の連携がいっそう強化されることを期待する」というコメントを出しました。

子どもに接する仕事に就く人に、性犯罪歴がないか確認する制度「日本版DBS」を導入するための法律が成立しました。

法律は、19日の参議院本会議で採決が行われ、全会一致で可決・成立しました。

この中では、子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないかを、事業者が、こども家庭庁を通じて法務省に照会できるようにするとしています。

「不同意性交罪」や児童ポルノ禁止法違反など、犯罪歴の確認対象となる罪を「特定性犯罪」として明示し、照会が可能な期間は▽禁錮刑以上の場合は刑の終了後20年、▽罰金刑は10年とするなどとしています。

また、照会の対象となる性犯罪歴には▽痴漢や盗撮などの条例違反も加え、
▽すでに雇っている人も対象者に含めるとしています。

法律をめぐっては今後、
▽「特定性犯罪」の範囲に、下着窃盗やストーカー行為なども含めること
▽対象者に、ベビーシッターや家庭教師といった個人事業主も含めること
などについて、政府に検討を求める付帯決議が、衆参両院の委員会で可決されています。

政府は、法律の公布後、2年ほどの間に制度の運用を始めることを目指し、事業者向けのガイドラインを策定し、性犯罪歴のある人が確認された場合、配置転換や解雇を含めてどう対応すべきかを示すなど、環境整備を急ぐ方針です。

導入を求めてきた団体「大きな一歩」

子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか確認する制度「日本版DBS」を導入するための法律が成立したことを受けて、制度の導入を求めてきた団体などが会見し、「大きな一歩だ」との評価とともに、今後、対象範囲などについての議論を重ねることも必要だという声が上がっていました。

会見を開いたのは、日本版DBSの導入に向け「子どもと関わるすべての仕事を制度の対象にしてほしい」などと、去年、国に要望書を提出したNPO法人や専門家です。

このうち、認可保育所や病児保育などさまざまな保育事業を運営する認定NPO法人「フローレンス」の赤坂緑代表理事は、「子どもに性加害をしてそれが明るみになっている場合でも、これまで事業者どうしで情報共有する仕組みはなく、また別のところで働くことができてしまうというのが現状だった。本当に大きな一歩として歓迎している。しかし、対象範囲や照会機関など、まだ改善すべき点が多くあるので、引き続き議論してほしい」と話していました。

また、全国で学習塾を運営する、高濱正伸さんは「採用の際に、頭の良さや人柄などは把握できても、性被害を起こすかどうかは全く分からない。実際に、『この人がそんなことするのか』ということや、問題を起こした人が別の地域で教員として働き続けているということも起きていて、当事者として悩んでいたので、法律が成立したことに感謝している。学習塾ではどのような研修をすべきか、どういう指導をすべきか、これからひとつひとつ言語化していかなければいけない」と話していました。

また、日本大学の末冨芳教授は「やっと子どもを性暴力から守るスタートラインに立つことができた。事業者がどのような体制でどのような研修をするのか、ノウハウを共有したり、国としてバックアップしたり、教員や保育士の養成課程でカリキュラムを改善することも必要だ。法律の成立をきっかけに、いかにこれから子どもたちを守りきれるようにするのかが重要だ」と話していました。

福岡県 性暴力の加害者対象 相談窓口 4年前から設置

福岡県では「性暴力根絶条例」に基づき、4年前から性暴力の加害者を対象にした相談窓口を設けています。

性犯罪の逮捕歴などがある人に加え、「痴漢や盗撮がやめられない」などといった性加害に関する悩みを持つ人も相談が可能で、犯罪の有無にかかわらず相談できる窓口は全国で初めてだということです。

県によりますと、これまでの4年間で340人から電話や来所で相談があり、このうち165人が複数回、対面でのカウンセリングを行う専門プログラムを受けました。
臨床心理士の山中大士さんは、これまで100人以上にカウンセリングを行いました。

カウンセリングでは対象者の人生をグラフで表してもらい、できごとを振り返りながら自分の考え方の特徴などを整理していきます。

山中さんは「性加害の要因は1つではなく、家庭の影響や幼少期に傷ついた経験など複雑な要因が絡み合っている」と指摘しています。

例えば子どもを性暴力の対象として見てしまう人について「その人自身が社会的な立場が弱く、さらに弱いところに性暴力の対象が向かっていると感じる」と分析します。

そのうえで「加害者の中には孤独感を持つ人が多いので、孤独感を緩和することが大事になる。継続的にカウンセリングに来てくれる関係性を作るよう意識している」と話していました。

また、窓口を担当する福岡県生活安全課の奥田麻衣子係長は、「加害者を支援する目的は被害者を生まず安心な社会を作ることにある。性加害者が地域に戻るときの再発防止に取り組む機関や団体はまだ少ないのが現状なので、県の取り組みには大きな意義があると考えている」と話していました。

性犯罪者の再犯を防ぐ 海外での取り組みは

性犯罪者の再犯を防ぐために、海外ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。

法務省によりますと、今回の制度の参考にしたイギリスでは、NPOの協力も得て国の施策として刑務所を出所した性犯罪者を地域のボランティアがサポートする取り組みがあるということです。

具体的には、刑務所を出所してから1年程度、専門的な研修を受けた複数のボランティアが定期的に会って、日常の困りごとを聞くなどして出所後の生活を支援するというものです。

また、ボランティアは保護観察官やカウンセラー、それに医療機関の関係者などの専門家に性犯罪者の更生に向けた支援のしかたなどを相談できるようになっています。

同じような取り組みは、カナダやアメリカなど欧米を中心に行われているということです。

東京都知事選挙20日に告示されるのを前に、立候補を予定している4人が共同記者会見に参加し、それぞれ重点として掲げる政策を訴えました。

【リンク】共同記者会見の動画はこちら配信期限 :6/26(水) 午後5:35 まで

19日に日本記者クラブが主催した共同記者会見には、東京都知事選挙に立候補を予定している現職の小池百合子氏、参議院議員蓮舫氏、広島県安芸高田市の元市長石丸伸二氏、航空自衛隊の元航空幕僚長田母神俊雄氏の4人が参加しました。
最も訴えたいことは

冒頭、最も訴えたいことをそれぞれ述べました。
小池氏は「首都防衛に力を込めている。『東京大改革3.0』を続けていく。都民の命と東京の未来を守る戦い、これを都民に訴えていきたい。2期8年、全公約164項目の90%を達成、推進している。都民のため都民とともに世界で1番の都市、東京にしていく」と述べました。

蓮舫氏は「若者の手取りを徹底して増やす。都をガラス張りにする。東京都の行政改革を進め、都のおよそ6000の事業で納めた税金がどのように使われたのか、しっかりと公表する。行政改革の果実が出たらちゅうちょなく、若者や現役世代、シニアに振り分けたい」と述べました。

石丸氏は「仕事をするふりをして、一向に成果をあげない政治屋を一掃したいと考えてきた。『恥を知れ、恥を』。これが国民の思いだ。東京の政治が変われば日本の政治が変わる。私たちの力で東京を動かしていこう」と述べました。
田母神氏は「結果を出す政治でなければならない。都政は都民の安全と豊かな暮らしを実現しなければならない。公約のよしあしよりはこの人は実現する能力があるのか、その実行能力を十分に判断してもらいたい」と述べました。

少子化対策については

また、東京都の去年の出生率が0.99と1を下回る中、少子化対策について述べました。

小池氏は「東京の出生率を引き上げるため、18歳以下を対象に毎月5000円を給付する『018サポート』や高校授業料の実質無償化などを実施してきた。重要なのは、お母さんの数を減らさないことで、今後、無痛分べんの費用助成にも取り組みたい」と述べました。

蓮舫氏は「少子化の理由は非婚化が進んでいるからで、望んでいるが結婚できない貧困の若者が増えている。未来に希望が持てないのであれば、10年かけても今の子どもたちが社会に巣立つときに不安と負担のない東京都をつくることが長い目で見た少子化対策だ」と述べました。

石丸氏は「未婚者をどう婚姻に結びつけていくかは都市部だけでは解決できない。都市への集中、過密がその大きな背景になっているので、そこへの取り組みや視点が欠かせない」と述べました。

田母神氏は「日本では結婚できなければ子どもが生まれない。そのため、若者については都民税を半額にするなどの施策を行い、とにかく所得を増やしてあげることが大事だ」と述べました。

このほかの立候補者

東京都知事選挙にはこのほか、諸派の新人で、タレントの清水国明氏(73)が、立候補を予定しています。

清水氏は「災害対策の強化」や「透明・安心なくらし」、それに「社会的弱者の支援」などを公約に掲げています。

具体的には「災害対策の強化」として近隣自治体と連携した2次避難先の確保や、トレーラーハウスを活用した避難所の整備などを進めるとしています。

また、「透明・安心なくらし」として、行政文書のすべての開示や、新宿区歌舞伎町の通称「トー横」に集まる子どもの支援を行うこと、「社会的弱者の支援」として、高齢者に配慮したIT改革を進めるなどと訴えています。

候補者数は過去最多だった前回・4年前の22人を大きく上回り、50人を超える可能性があります。

18日までに立候補のための事前の手続きを済ませている方々です。

東京都知事選挙は、6月20日に告示され、7月7日に投票が行われます。

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