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米連邦最高裁判所は28日、規制を巡る法律が曖昧な場合に政府機関が解釈できるとした判例を無効とする判断を下した。1984年から続いてきたシェブロン法理」と呼ばれるこのルールが覆されたことはバイデン政権に打撃となる。

最高裁は、ニューイングランド沿岸におけるニシン乱獲を監視する官民プログラムに異議を唱えた漁業会社の訴えを認め、下級審の判断を覆した。保守派判事6人が法理無効を支持し、リベラル派3人が反対した。

最高裁のロバーツ長官は判決で「裁判所は政府機関がその法的権限の範囲内で行動したかどうかを判断する際、独自の判断を行使する必要がある」と説明した。

シェブロン法理に長く反対してきた保守派やビジネス界からは今回の判決を歓迎する声が上がったが、民主党環境保護団体など規制を支持するグループは、安全な食品や医薬品、安定した金融市場や公正な労働条件の確保などで、専門知識を駆使する政府機関を弱体化させると懸念した。

ホワイトハウスのジャンピエール報道官は「わが国を後戻りさせる、非常に問題のある新たな判決だ」と批判した。

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民主党幹部は30日、大統領選に向けて27日に行われたテレビ討論会でバイデン大統領(81)が精彩を欠いたことに関連し、候補を交代させる可能性を否定した。

一方、バイデン氏は30日、大統領山荘キャンプデービッドで家族と対応を協議している。米紙ニューヨーク・タイムズによると、家族はバイデン氏に選挙戦を続けるよう促しているという。

バイデン氏の撤退を求める声は27日以降続いており、討論会後に実施されたCBSの世論調査では、同氏が出馬すべきでないと考える民主党員は46%と、2月から10ポイント上昇した。

だが、民主党幹部はバイデン氏撤退の可能性を一蹴した。代替候補の1人と目されるジョージア州のワーノック上院議員はNBCの番組で「絶対にあり得ない」と明言し、「11月にバイデン氏を当選させるのがわれわれの仕事だ」と述べた。

ジェフリーズ下院院内総務はバイデン氏が討論会で苦戦したことを認めつつ、巻き返しの時だと強調した。デラウェア州のクーンズ上院議員もバイデン氏は選挙戦を続ける必要があるとし、トランプ前大統領に勝てるのはバイデン氏だけだと述べた。

民主党幹部らがバイデン氏支持を表明する中、撤退の判断は同氏次第となる。

一方、一部の民主党議員は別の候補を選ぶ可能性を排除していない。ラスキン下院議員はMSNBCで「非常に率直で真剣かつ厳しい話し合い」が党内で行われていると語った。

秋のアメリカ大統領選挙に向けたテレビ討論会で、バイデン大統領の受け答えが安定さを欠き、波紋が広がるなか最新の世論調査で、7割以上が「バイデン氏は再選を目指すべきではない」と回答したことがわかりました。

先月27日に開かれたアメリカ大統領選挙の初めてのテレビ討論会で、バイデン大統領は声がかすれ、ことばに詰まる場面が目立つなど安定さを欠き、有力紙、ニューヨーク・タイムズが社説で選挙戦からの撤退を求めるなど、波紋が広がっています。

CBSテレビなどが、討論会の直後の2日間に有権者1100人余りを対象に行った世論調査によりますと、「バイデン氏は再選を目指すべきか」という質問に「目指すべきではない」と答えた人が72%にのぼり、ことし2月の時点より9ポイント増えました。

また、民主党支持層のあいだでも「再選を目指すべきではない」と回答した人が46%と半数近くにのぼりました。

ホワイトハウスによりますとバイデン大統領は30日の日曜日、ワシントン郊外のキャンプ・デービッド山荘で家族と過ごしています。

NBCテレビが29日、バイデン氏が今後の選挙活動について家族と話し合う予定だと伝えたのに対し、ホワイトハウスの広報担当者は「討論会より前から山荘で過ごすことは予定されていた」と反論しました。

ただ、バイデン氏は、みずからの進退に関わる重要な決断を家族との時間を過ごしたあとに下してきたとされることから、さまざまな臆測を呼んでいます。

ペロシ元下院議長「一度の討論会で判断を下すべきではない」

与党・民主党内の一部から選挙戦からの撤退を求める声もあがるなか、党の重鎮らは30日、バイデン氏への支持を改めて表明しました。

このうち、CNNテレビに出演したペロシ元下院議長は「一度の討論会をもって判断を下すべきではない。大統領だったときの実績こそが問われる」と述べて、バイデン氏の立候補を支持する姿勢に変わりないことを強調しました。

選挙戦継続「家族は『揺るぎない支持』」

CNNテレビは、バイデン大統領のアドバイザー2人の話として、キャンプ・デービッド山荘に集まったバイデン大統領の家族は30日、バイデン氏に選挙戦を継続することについて、『揺るぎない支持』を伝えたと、明らかにしました。

また、家族での議論は、一家がどうやって大統領を支えていくかに集中し、再選を再検討すべきかどうかには向けられなかったとしています。

ただ、民主党は、討論会のあと、有権者の動向を広い範囲で調査しており、CNNテレビは、バイデン氏への支持の低下が今後も続いたり、バイデン氏自身が撤退こそが最良の判断だという考えに至ったりすれば、家族の考えが今後、変わる可能性があるとも伝えています。

バイデン米大統領が27日の大統領選討論会で「大失敗」した背景には、最上級顧問らによる一連の判断ミスがあったとみられることが、民主党関係者や献金者、現・元側近らの話で明らかになった。

討論会でトランプ前大統領(78)は、いつものように目に余るような虚偽発言を繰り返した。ところがバイデン氏(81)はそれらに反論できないばかりか、言葉もたどたどしく、民主党内からは再選を断念すべきだとの声や、側近の反省や辞任を求める声が噴き出した。

ある人物は討論会の数日前、バイデン氏の最側近らに同氏を休ませるよう頼んだが聞き入れられなかったと話す。「私が唯一お願いしたのは、討論会の前に彼を休ませてほしいということだったが、彼は(当日)疲れ切っていた。体調を崩していた。病んで疲れ切っているように見える彼を送り出すとは、なんという判断ミスだろう」
もっと鋭い批判もある。

バイデン氏の主要な献金者である弁護士のジョン・モーガン氏は「(事前の)アドバイスと練習が過剰だったと私は思う。そして(上級顧問の)アニタ・ダン氏は、トランプ氏を有利にする舞台にバイデン氏を立たせてしまったのだと思う」と語る。

モーガン氏は、ダン氏や他の側近を「永久に解雇し、二度と選挙運動に近づけさせない」ようにすべきだとの考えを示した。

バイデン氏の討論戦略は、2020年の大統領選で同氏の勝利を助け、今年1月に選挙対策委員長に任命されたジェン・オマリー・ディロン氏の承認を受けている。長年にわたるバイデン氏の側近で、オバマ元大統領の選挙参謀も務めたダン氏がその戦略を支持した。

討論会に臨むバイデン氏陣営は自信に満ちていた。トランプ氏は5月31日に有罪評決を下された。そしてバイデン氏らの側近らも驚いたことに、世論調査でずっと低迷から抜け出せなかった同氏の支持率が、その後の数週間でじりじりと上がり始めていたからだ。

顧問らは、バイデン氏がワシントン近郊の山荘「キャンプデービッド」に6日間缶詰になるという厳しい討論会準備スケジュールを組んだ。

準備に関与したのは、バイデン氏の最初の大統領首席補佐官を務めたロン・クレイン氏、前出のダン氏、長年の側近マイク・ドニロン氏などのほか、政策・政治専門家約12人だった。

バイデン氏陣営は28日、スタッフの交代は検討していないと述べた。

オマリー・ディロン氏は29日に支持者に宛てた電子メールで、内部調査などによると討論会後、激戦州において有権者の見方に変化はなかったと主張。「メディアの大げさな表現ぶり」が「世論調査の一時的な落ち込み」を引き起こすかもしれないが、バイデン氏が11月に勝利することを確信しているとした。

<事実とつっこみ>

最近の外遊、特に6月のフランス訪問におけるバイデン氏の様子を見て、共和党側はソーシャルメディアで同氏の年齢を揶揄する動画を流した。しかしバイデン氏陣営は、国際舞台における強力な指導者ぶりをアピールできたとも考えていた。

6月21日にキャンプデービッドに向かう際、バイデン氏に同行した補佐官たちは上機嫌だった。バイデン氏が最も貴重な政治的資産、つまり「勢い」、「追い風」を背に討論会に臨むと信じていたからだ。

バイデン氏は、地元デラウェア州の別荘で数日間休養するまでの14日間、フランス、イタリア、西海岸などを飛び回っていた。この間、バイデン氏を見た何人かの人々によれば、同氏はぐったりしていたという。

討論会の6日前、バイデン氏とともにキャンプデービッドに着いた側近らは、討論会でのハードルは同氏の方がトランプ氏よりも高いと考えた。トランプ氏は現政権に文句を言うだけでいいかもしれないが、バイデン氏は「ファクト(事実)」を示しつつ当意即妙な指摘も入れる必要がある。

側近らは、トランプ氏が2020年の討論会よりもはるかに準備万端で臨むだろうと考え、矢継ぎ早に飛び出す嘘に対抗する必要があると判断した。

長時間にわたる準備セッションで、側近らはバイデン氏に詳細なファクトに関する質問を浴びせかけ、続いて模擬討論も行った。

この準備を批判する向きからは今、バイデン氏はもっと大きなビジョンに焦点を当てるべきだったし、討論会前に十分な休息を取っていなかったとの声が出ている。

側近によれば、バイデン氏は軽い風邪も引いていた。時差のある場所で長期間仕事をした後には、よくあることだったという。

批判派に言わせれば、その結果としてバイデン氏は最悪の状態で討論会に臨むことになった。

<討論会参加の是非>

今年初め、バイデン氏の側近の間では、トランプ氏との討論自体を避けるべきだとの意見があった。バイデン氏を不利な立場に追い込む舞台をトランプ氏に与えるだけだから、という理屈だった。

しかしバイデン氏自身が4月のインタビューで、討論会に出ると表明。これは一部の側近にとって驚きだった。

討論会翌日の28日、バイデン氏は前進を誓ったが、ダメージは大きい。

民主党のジェイミー・ラスキン下院議員は6月30日、バイデン氏に代わる大統領候補者について議論しているかというMSNBCの質問に「わが党のあらゆるレベルで、真摯(しんし)で真剣、激しい議論が行われている。政党なので、意見の相違はある」と答え、「候補者が彼(バイデン氏)でれ、別のだれかであれ、党大会の基調講演は彼が行うことになる」と付け加えた。

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