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おととし、2022年9月、静岡県牧之原市認定こども園で当時3歳の女の子が通園バスの車内に置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなった事件の裁判で、静岡地方裁判所は業務上過失致死の罪に問われた当時の園長に禁錮1年4か月の実刑判決を、クラスの元担任に執行猶予のついた禁錮1年の判決を言い渡しました。

おととし9月5日、牧之原市にある認定こども園「川崎幼稚園」の駐車場に止められた通園バスの車内に、園に通っていた河本千奈ちゃん(当時3)がおよそ5時間にわたって置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなりました。

当時バスを運転していた元園長の増田立義 被告(74)は、園児たちが降りる際に車内の確認を怠ったとして、また、クラスの元担任の西原亜子 被告(48)は、欠席したと思い込み保護者への確認を怠ったとしていずれも業務上過失致死の罪に問われました。

4日の判決で静岡地方裁判所の國井恒志 裁判長は、元園長について「ずさんな安全管理体制を続け、多数の園児の命を日常的に危険にさらした。運転手としての過失により、被害者の死亡を直接的に引き起こした」と指摘しました。

そのうえで「厳しい非難は免れず、元園長に刑の執行を猶予する余地は認められない」として、元園長に禁錮1年4か月の実刑を、元担任に禁錮1年、執行猶予3年を言い渡しました。

裁判長は最後に「私たちは子どもの命を守る大切さを自覚しなければなりません。今回、その当たり前のことができなかった。子どもの命の大切さをふと忘れてしまったときに事件が起きるのです」と述べました。

そして「千奈ちゃんが生きていた意味、子どもを守る大切さを考えなければいけない」と声を震わせながら語りました。

國井裁判長 判決読み上げでことばを詰まらせる

國井恒志裁判長は判決の読み上げの中で、バスの車内で千奈ちゃんが発見された状況について述べました。

裁判長は、千奈ちゃんが衣服を脱いで倒れていたことや、持っていた水筒が空になっていたことに触れたあと、10秒ほどことばを詰まらせました。

手にした判決文は震え、涙をこらえている様子でした。

元園長「償いを続けてまいります」
判決について元園長の増田立義 被告は、弁護士を通じてコメントを出し「改めて千奈さんのご冥福をお祈りいたします。今回の判決を大変重く受け止めています。自らの責任に真摯(しんし)に向き合っていく所存です。今後とも千奈さんの慰霊、ご遺族への謝罪、償いを続けてまいります」としています。

幼稚園の運営法人「二度と事故起こさないよう 安全管理を徹底」
判決を受けて、川崎幼稚園を運営する学校法人「榛原学園」は「今回の判決を非常に重く受け止めています。今後とも千奈さんのご冥福をお祈りし、償いを続ける所存です。すでに安全管理体制を構築していますが、二度とこのような悲惨な事故を起こさない、安全で安心していただけるこども園でいられるよう、さらなる安全管理を徹底し、信頼回復に努める所存です」とするコメントを発表しました。

牧之原市長「こども園側 責任を果たして」
判決を受けて、静岡県牧之原市の杉本基久雄市長は、「一つの区切りを迎えたものと認識しているが、決して癒えることのないご遺族の悲しみと怒りを思うと、その心中は察するに余りあり、お伝えできる言葉もない。事故の当事者であるこども園側には、道義的責任を含めご遺族に対ししっかりと責任を果たしていただきたい」などとするコメントを出しました。

元園長と元担任 黒いスーツ姿で証言台に

元園長と元担任はいずれも上下黒いスーツ姿で、裁判官に促されて証言台の前に立ちました。

判決の主文が言い渡されたとき、2人はまっすぐ前を見て聞いていました。

亡くなった女の子の両親 現場で静かに手を合わせる

現場となったこども園の駐車場には、4日朝も飲み物や花などが供えられていました。

午前8時40分ごろには、亡くなった河本千奈ちゃんの両親が訪れ、持ってきたお茶を少しまいたあと駐車場に供え、静かに手を合わせていました。

事件を教訓に 保育現場で取り組み進む

今回の事件を教訓に、保育の現場では悲劇を繰り返さないための取り組みが進められています。

静岡県富士宮市認定こども園「リーチェル幼稚園」は、在籍する236人の園児のうち15人が送迎バスを利用していて、バスには去年8月から安全装置が設置されました。

エンジンを切ると、車内を点検するよう呼びかけるアナウンスが流れ、運転手はバスの後方まで移動し、ボタンを押して音声を止める仕組みになっています。

ただ、園では、安全装置が設置されたあとも頼りすぎることなく、人の目による確認を徹底しているといいます。

バスに添乗する職員は、園児が乗り降りする際に名簿を使ってチェックし、園児たちを降ろしたあと、バスに戻って園児が残っていないか確認しています。

さらに、園では、職員会議を毎日開き、保育中のいわゆる「ヒヤリハット」の事例を共有する取り組みを行っています。

ことし4月には、園内で園児たちを別の園舎に移動させる際に、1人が教室に残っていたのを職員が気付いて対応したという事例が共有され、園では保育の場面が切り替わるたびに点呼を行うことを改めて周知したということです。

「リーチェル幼稚園」の足立武裕 園長は「県内のこども園という身近な場所で事件が起きて、意識は高くなり、緊張感を持つようになった。まさかの積み重ねで事故を招いてしまうので、自分の園ではありえないと思わず、人数確認を徹底的にやっていきたい」と話していました。

安全装置の設置状況 静岡県内では99.9%が完了

今回の事件を受けて、国は、去年4月から全国の幼稚園や保育所などの送迎バスに安全装置を設置するよう義務づけました。

対象はおよそ2万4000施設にある5万4000台余りで、ことし3月末までにすべての設置を完了するよう自治体を通じて呼びかけてきました。

静岡県が県内の設置状況を調べたところ、804施設のあわせて1826台のバスのうち6月末までに全体の99.9%に当たる1825台で設置が完了したということです。

残る1台は、静岡県西部にある外国人児童向けの認可外保育施設のバスで、県は繰り返し設置するよう指導しているということです。

県こども未来課は「一日も早く設置率が100%になるよう、指導を継続していく」としています。

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