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パリオリンピック、体操の男子個人総合で初出場の岡慎之助選手が金メダルを獲得しました。この種目で、日本は4大会連続の金メダルです。連覇を目指した橋本大輝選手は、6位でメダル獲得はなりませんでした。

記事後半では、岡選手が逆転で金メダルを獲得した決勝の詳しい経過もお伝えしています。

目次

初出場の20歳 岡慎之助が金メダル 日本勢4大会連続
注目
◇最終順位
岡慎之助「感謝の気持ちを込めた演技ができた」
連覇目指した橋本大輝 メダルならず
橋本大輝「悔しい気持ちより幸せすぎて涙が出た」
【解説】重圧の中で戦い抜いたエース
==【詳しく】試合経過==

初出場の20歳 岡慎之助が金メダル 日本勢4大会連続

体操の男子個人総合の決勝は、予選を通過した24人の選手が出場して、6種目の合計点で争われました。日本からは予選3位で、連覇を目指すエースの橋本選手と予選2位で、初出場の20歳、岡選手が出場しました。

岡選手は、最初の種目のゆかで持ち味の手足の伸びた美しい演技を見せると、着地もほとんど決めて14.566の高得点をマークしました。

2種目目のあん馬でも安定感のある演技を見せて14.500の高得点をマークし、この種目を終えた時点でトップに立ちました。

4種目目の跳馬で3位に一時順位を下げましたが、5種目目、得意の平行棒は、手の先から足の先までまっすぐに伸びた美しい倒立姿勢で、15.100の高得点をマークし、5種目目を終えた時点で2位の中国、肖若騰選手と0.334の差で再びトップに立って、最後の種目、鉄棒に臨みました。

鉄棒ではE難度のコールマンなど、しなやかに技をこなし、着地もまとめて高い出来栄えの演技を見せて14.500の高得点をマークしました。

岡選手は、6種目の合計で86.832の得点で初めてのオリンピックで金メダルを獲得しました。

日本はこの種目で、4大会連続の金メダルです。

銀メダルは、中国の張博恒選手で、岡選手とわずか0.233差でした。
銅メダルは、中国の肖若騰選手でした。

注目
◇最終順位
▽1.岡慎之助(日本) 86.832
▽2.張博恒(中国) 86.599
▽3.肖若騰(中国) 86.364
▽4.イリア・コフトゥン(ウクライナ) 86.165
▽5.ジョー・フレーザー(イギリス) 85.532
▽6.橋本大輝(日本) 84.598

岡慎之助「感謝の気持ちを込めた演技ができた」

岡慎之助選手は「オリンピックで団体と個人総合で金メダルを目指して練習してきたので、成果が出てうれしい。ノーミスでやりきるのが1番の目標で、おのずと結果がついてくると思っていた」と冷静に振り返っていました。決勝の演技については「自分としてはしっくりくる演技はできていない。最初のゆかは着地がすごくよかったが、後半はきついなかでなんとかこらえながらという演技になった」と話し、満足した様子はありませんでした。

そのうえで、おととし、全治8か月の大けがをした経験を踏まえて「多くの方にサポートしてもらい、少しでも恩返しができたと思う。中途半端な演技だけはせず、感謝の気持ちを込めた演技ができた」と感謝の思いを明かしました。今後に向けては「常に挑戦することだけは忘れずにいたい。今回はほかの選手にミスが出ていたので、お互いミスなく、マックスの演技で勝負をしたい」とさらなる成長を誓っていました。

連覇目指した橋本大輝 メダルならず

一方、連覇を目指した橋本選手は最初の種目のゆかで、冒頭のG難度の大技、「リ・ジョンソン」を決めると高さのある演技でまとめ、14.633をマークし、好スタートを切りました。

あん馬」でまさかの落下

しかし、2種目目のあん馬の倒立姿勢で落下するミスがあり、12.966と得点を伸ばせず、この時点で15位と大きく出遅れます。

4種目目の跳馬で高難度の「ロペス」を高さのある跳躍を見せて14.766の高得点をマークし、9位に順位を上げます。

最後の鉄棒では、F難度の「リューキン」やG難度の「カッシーナ」など手放し技を次々と決めましたが、序盤のミスが響き、6種目の合計が84.598で6位とメダル獲得はなりませんでした。

橋本大輝「悔しい気持ちより幸せすぎて涙が出た」

連覇をかけて挑んだ個人総合で6位に終わった橋本大輝選手は、時折涙をぬぐいながら「堂々とやり切れたという気持ちでいっぱい。けがをしてここまで戻って、団体の金メダルだけでお腹いっぱいなので、悔しい気持ちより、幸せすぎて涙が出た。エースとして団体でみんなのために戦えて、本当に悔いの残らない大会になった」と最後まで戦い抜いた自らをねぎらいました。そして「正直この3年間しんどかった。でもそれを乗り越えて戦えたのも、やっぱり応援してくれた方々のおかげだ。皆さんの期待に応えることはできなかったので、次の目標に向けてもう1度自分を見直して準備していきたい」と感謝のことばを述べました。

また、金メダルに輝いた岡選手については「国内の競争レベルがまた高くなって、どんどん日本の体操が強くなるという新しい未来も見えた。彼がけがをしてここまで乗り越えて、彼のその努力と諦めなかった強さに僕も本当に感動したし、彼もここからまたのびのびと次のロサンゼルス大会に向けて一緒に戦えるように、僕がまた鍛え直していきたい」と話していました。

【解説】重圧の中で戦い抜いたエース

「個人で金を取って俺が世界一だというのを証明できる」と大きな重圧と戦い続け、けがと向き合いながら個人総合2連覇に挑んだ橋本大輝選手。メダル獲得はなりませんでしたが、『悔いはない』と言い切ってパリオリンピックを終えました。

パリ大会開幕2か月前、右手中指を痛めるアクシデントに見舞われた橋本選手。十分に練習が積めず、7月、国内で行われた最後の試技会では、ふだんほとんどミスをしない跳馬や、得意の鉄棒でミスが相次ぎ、不安を残した形でパリへ向かいました。

7月27日に行われたパリ大会、体操の男子予選。橋本選手は、得意種目の鉄棒の着地で大きく乱れるなど、6種目中3種目で13点台と得点を伸ばせず、3位で終えます。いつもと様子が違うのは誰が見てもわかるほどで、終始息を切らし、険しい表情は最後まで消えませんでした。

予選を終えたあと、自分に言い聞かせるように「切り替えるしかない」とことば少なに語った橋本選手。その4日後、迎えた個人総合の決勝。団体の決勝で落下したあん馬で再び落下し、つり輪でも技が認定されずに18位まで順位を落とし、苦しい戦いが続きます。
それでも、今出せる力を最大限発揮しようと4種目目の跳馬や5種目目の平行棒で安定感のある演技を見せ、8位まで順位を上げて食らいつきました。

そして、最後は得意の鉄棒。F難度のリューキンやG難度のカッシーナなど、手放し技を次々と決めて、着地もこらえると、すがすがしい表情でガッツポーズを見せました。
けがに苦しみながらも自分を奮い立たせ、6種目を終えた橋本選手。

「けがをしてからここまで状態が戻って演技することができて、もう僕はこの舞台に立って演技できて、堂々とやりきれたという気持ちでいっぱいだ」。

いつも冷静な22歳のエースは、涙を流しながら悔いはないと言い切って、パリオリンピックを終えました。

==【詳しく】試合経過==

日本時間0:30ころ

体操男子 個人総合 決勝始まる

橋本大輝選手
体操男子、個人総合の決勝が日本時間の1日、午前0時半ごろからパリのベルシー・アリーナで始まりました。
日本からは、予選を3位で通過し、この種目で2連覇を目指す橋本大輝選手と、予選2位でオリンピック初出場の20歳、岡慎之助選手が出場します。
予選1位は中国の張博恒選手で橋本選手、岡選手と同じ班です。

橋本選手と岡選手たちは
「ゆか」「あん馬」「つり輪」「跳馬」「平行棒」「鉄棒」の順番で演技に臨みます。
予選の得点は持ち越さず、6種目の得点の合計で争われます。

◇レギュレーション
ゆか、あん馬、つり輪、跳馬、平行棒、鉄棒の6種目
【採点】
▽技の難しさを加点式にした「Dスコア」と
▽技の出来栄えや美しさを10点満点から減点する「Eスコア」を合計したうえで、ラインオーバーや落下などを減点する方式で行われる

1種目目「ゆか」橋本3位 岡5位 ともに好スタート

橋本選手
日本の橋本選手と岡選手は、最初の種目のゆかに臨み、橋本選手が高難度の技をほぼミスなく成功させるなどして14.633、岡選手も、技の着地をしっかり止める安定した演技で14.566といずれも高得点をマークして、好スタートを切りました。
一方、中国のエースで、日本勢の最大のライバル、張博恒選手は、着地が大きく乱れて、13.233と出遅れました。

◇1種目 終了時の順位
▽1.ジェイク・ジャーマン(イギリス)14.900
▽2.オレグ・ベルニャエフ(ウクライナ)14.833
▽3.橋本大輝(日本) 14.633
▽3.イリア・コフトゥン(ウクライナ) 14.633
▽5.岡慎之助(日本) 14.566

【橋本選手 1種目目「ゆか」】
難度点(D) 6.000
実施(E) 8.633
スコア 14.633

【岡選手 1種目目「ゆか」】
難度点(D) 5.900
実施(E) 8.666
スコア 14.566

2種目目「あん馬」橋本が落下 岡が2種目終えトップに

岡選手

日本の橋本選手と岡選手は、2種目目のあん馬に臨み、橋本選手は、団体の決勝に続いて、演技の途中で落下するミスがあって大きく減点され、12.966と得点を伸ばせませんでした。

一方、岡選手は、安定感のある演技でミスなく終えて、14.500の高得点をマークしました。

◇2種目終了時の順位
▽1.岡慎之助(日本) 29.066
▽2.ジェイク・ジャーマン(イギリス) 28.966
▽3.フェリックス・ドルチ(カナダ)28.699
▽4.肖若騰(中国)28.599
▽5.オレグ・ベルニャエフ(ウクライナ) 28.366
▽15.橋本大輝(日本) 27.599

【岡選手 2種目目「あん馬」】
難度点(D) 5.900
実施(E) 8.600
スコア 14.500

【橋本選手 2種目目「あん馬」】
難度点(D) 6.000
実施(E) 6.966
スコア 12.966

3種目終え岡がトップ守る 橋本は「つり輪」認定されず

橋本大輝 選手

日本の橋本選手と岡選手は、3種目目のつり輪に臨み、橋本選手は認定されなかった技があり、得点が13.400にとどまりました。また、2種目を終えて全体トップの岡選手は、力技の姿勢が決まらず、13.866と得点を伸ばせませんでしたがトップを守っています。

◇3種目終了時の順位
▽1.岡慎之助(日本) 42.932
▽2.オレグ・ベルニャエフ(ウクライナ) 42.766
▽3.肖若騰(中国) 42.399
▽4.イリア・コフトゥン(ウクライナ) 42.232
▽5.張博恒(中国) 42.166
▽18.橋本大輝(日本) 40.999

【岡選手 3種目目「つり輪」】
難度点(D) 5.900
実施(E) 7.966
スコア 13.866
【橋本選手 3種目目「つり輪」】
難度点(D) 5.300
実施(E) 8.100
スコア 13.400

4種目終え岡が3位 橋本は9位に

日本の橋本選手と岡選手は、後半の4種目目の跳馬に臨み、橋本選手は、高難度の「ロペス」を高い完成度で決めて、14.766の高得点をマークしました。前半の3種目を終えてトップだった岡選手は、橋本選手より難度は低い技でしたが、着地をしっかり止めて14.300の得点でした。

◇4種目終了時の順位
▽1.オレグ・ベルニャエフ(ウクライナ) 57.766
▽2.イリア・コフトゥン(ウクライナ) 57.632
▽3.肖若騰(中国) 57.232
▽3.岡慎之助(日本) 57.232
▽5.ジェイク・ジャーマン(イギリス) 56.932
▽9.橋本大輝(日本)55.765

【橋本選手 4種目目「跳馬」】
難度点(D) 5.600
実施(E) 9.166
スコア 14.766

【岡選手 4種目目「跳馬」】
難度点(D) 5.200
実施(E) 9.100
スコア 14.300

5種目目「平行棒」終え岡が再びトップに 橋本も8位

橋本選手が8位浮上

日本の橋本選手と岡選手は、5種目目の平行棒に臨み、橋本選手は、着地をしっかり止められず、14.433と得点を伸ばせませんでした。

一方、岡選手は、持ち味のきれいな姿勢で正確な演技を見せ、着地もまとめて15.100の高得点をマークし、再びトップに立ちました。

◇5種目終了時の順位
▽1.岡慎之助(日本)72.332
▽2.肖若騰(中国) 71.998
▽3.張博恒(中国) 71.966
▽4.イリア・コフトゥン(ウクライナ) 71.465
▽5.ジョー・フレーザー(イギリス) 71.266
▽8.橋本大輝(日本) 70.198

【橋本選手 5種目目「平行棒」】
難度点(D) 6.100
実施(E) 8.333
スコア 14.433

【岡選手 5種目目「平行棒」】
難度点(D) 6.500
実施(E) 8.600
スコア 15.100

最終6種目目「鉄棒」でも高得点 岡が金メダル 橋本6位

岡選手 鉄棒も安定した演技

日本の橋本選手と岡選手は、最後の6種目目の鉄棒に臨み、岡選手は高い出来栄えの演技を見せ、着地もまとめて14.500の高得点をマークし、中国のエース、張博恒選手を上回って、金メダルを獲得しました。

橋本選手は、F難度の「リューキン」やG難度の「カッシーナ」などの手放し技を決めて、14.400をマークし、順位を上げて6位になりました。

【橋本選手 6種目目「鉄棒」】
難度点(D) 6.100
実施(E) 8.300
スコア 14.400

【岡選手 6種目目「鉄棒」】
難度点(D) 5.900
実施(E) 8.600
スコア 14.500

【詳しくはこちら】体操 男子団体 日本が金メダル 2大会ぶり奪還 五輪
体操 パリオリンピック【日程・日本代表・NHK放送予定】

NHKニュース】パリオリンピック2024

《見どころ》
2連覇なるか 橋本大輝 予選3位通過
団体で金メダル獲得
東京オリンピックで史上最年少の19歳で個人総合金メダルを獲得した日本のエース、橋本大輝選手が2連覇を目指します。27日に行われた男子予選では3種目目の鉄棒の最後の着地で大きく前に手をつくミスが出て得点を伸ばせず、種目別鉄棒の決勝を逃すなど6種目のうち3種目で13点台と精彩を欠き、予選3位で決勝に進みました。

橋本選手はことし5月、練習中に右手の中指を痛めて満足に練習が積めず、体力も低下していて、予選後には「しんどかった。どんどん体が重くなって大変だった」と話すなど、不安を抱えたまま団体決勝に臨みました。

それでも、1種目目のゆかで冒頭G難度の大技「リ・ジョンソン」を決めて14点台後半の高得点をマークしたほか、2種目目のあん馬で落下がありながらも、最後の鉄棒では、F難度の「リューキン」やG難度の「カッシーナ」など、手放し技を落ち着いて決めると、最後の着地も止めて、2大会ぶりの団体金メダル奪還に大きく貢献しました。復調の兆しを見せたエースが内村航平さん以来となる個人総合2連覇に挑みます。

ライバルは中国の張博恒 予選1位

橋本選手の最大のライバルとなるのが、強豪・中国の張博恒選手です。橋本選手と張選手は、これまで国際大会でしのぎを削ってきました。張選手は27日の予選で、6種目中2種目で15点台の高得点をマークし、すべての種目を高い完成度で演技をこなすなど、6種目の合計は88.597と2位に1.732もの差をつけてトップに立ち、圧倒的な強さを見せていて、2人の金メダル争いに注目です。

予選2位 岡慎之助にも注目

さらに、個人総合の決勝には、オリンピック初出場、20歳の岡慎之助選手が登場します。柔軟性のある美しい演技が持ち味で、世界ジュニア選手権を15歳で制した若手のホープです。

男子予選では、すべての種目で安定した演技を見せ、橋本選手を抑えて全体の2位で決勝進出を決めたほか、団体の決勝でも、ゆかや平行棒などで高得点をマークして、チームに大きく貢献しました。

岡選手は「個人総合でもミスなく最後までやりきって金メダルを目指して頑張りたい」と話していて、張選手と橋本選手の金メダル争いにどれだけ食らいつけるか、注目です。


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