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アメリカの7月の雇用統計が発表され、失業率は4.3%で、4か月連続での上昇となりました。農業分野以外の就業者の伸びも市場予想を大きく下回り、市場ではアメリカの景気減速への警戒感が高まっています。

アメリ労働省が2日発表した先月の雇用統計によりますと、農業分野以外の就業者の伸びは前の月と比べて11万4000人で、市場予想の17万5000人程度を大きく下回りました。

また、失業率は前の月から0.2ポイント上昇して4.3%でした。失業率の上昇は4か月連続です。

インフレに結びつくデータとして注目される労働者の平均時給は▽前の年の同じ月と比べて3.6%上昇し、▽前の月と比べると0.2%上昇しましたが、いずれも市場予想を下回り賃金上昇の鈍化傾向が示されました。

FRB連邦準備制度理事会のパウエル議長は、31日にインフレの要因となってきた人手不足など労働市場のひっ迫は緩んできているという認識を示す一方で「労働市場がこれ以上、冷え込むことは望んでいない」とも述べ、失業率の上昇など雇用の冷え込みは望まないとの認識を示しました。

FRBはインフレを抑え込むために2年余りにわたって金融引き締めを続けてきましたが、市場では雇用情勢の悪化など景気減速への警戒感が高まっています。

一時1ドル=147円台前半まで値上がり

2日のニューヨーク外国為替市場では、さきほど発表されたアメリカの先月の雇用統計で農業分野以外の就業者の伸びが市場の予想を大幅に下回ったことで円高が加速し、円相場は一時、1ドル=147円台前半まで値上がりしました。

1ドル=147円台をつけるのはことし3月中旬以来、およそ4か月半ぶりです。アメリカの景気が減速して利下げが行われるとの見方が強まり、日米の金利差の縮小が意識されてドルを売って円を買う動きが加速しました。

労働省が2日発表した7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比11万4000人増となり予想を下回った。失業率は2021年9月以来約3年ぶりの高水準となる4.3%に上昇。労働市場の悪化や景気後退への懸念が高まる可能性がある。

7月は平均賃金の前年比での伸びが約3ぶりの低水準となった。米連邦準備理事会(FRB)が9月の次回会合で利下げに動く強い根拠になるとみられる。

<9月の大幅利下げ観測高まる>

LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「労働市場の状況は景気減速と一致しているものの、必ずしも景気後退ではない」と指摘。ただ「一段と弱体化する兆候も出ているため、年内3回の利下げが実施されるとの観測が市場で織り込まれる可能性がある」と述べた。

特に失業率が約3年ぶりの水準に上昇したことを受け、FRBが9月の次回会合で0.50%ポイントの利下げを決定するとの観測が台頭。FRBは「後手に回っている」との見方も出ている。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)証券などの一部金融機関は、利下げが実施される時期の予想を12月から9月にへ前倒ししたほか、ゴールドマン・サックスは年内利下げの回数の予想を2回から3回に引き上げた。

FRBは7月30─31日の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定。ボストン大学のブライアン・ベスーン教授(経済学)は「FRB当局者が7月の雇用統計の内容を知っていたら、7月会合で0.25%ポイントの利下げを決定していたはずだ」とし、「引き締め的な金融政策を維持する正当な理由は全くない」と述べた。

<失業率上昇、賃金の伸び鈍化>

失業率は6月は4.1%だった。上昇は4カ月連続。2023年4月には3.4%と、約50年ぶりの低水準を付けていた。

時間当たり平均賃金は前月比0.2%上昇、6月は0.3%上昇だった。前年比は3.6%上昇で21年5月以来の低い伸び。6月は3.8%上昇だった。上昇率3.0─3.5%でFRBインフレ目標2%に一致するとされており、9月の利下げは確実とみられている。

非農業部門雇用者数のエコノミスト予想は17万5000人増(レンジ7万-22万5000人増)だった。6月は20万6000人増から17万9000人増に下方修正された。

統計調査の週にはハリケーン「ベリル」の影響でテキサス州ルイジアナ州で停電があり、これが予想を下回る雇用増につながった可能性がある。

家計調査によると、7月は悪天候のため43万6000人が出勤できなかった。7月としては過去最多となる。週平均労働時間は34.2時間と、6月の34.3時間から減少しており、ハリケーン「ベリル」の影響とみられる。

業種別の雇用は、ヘルスケアが5万5000人増、建設が2万50000人増。レジャー・接客が2万3000人増加したほか、政府も1万7000人増加。運輸・倉庫、社会扶助も増加した。

一方、情報は2万人減少。金融と専門・ビジネスサービスも減少した。将来的な雇用の行方を示すとされる人材派遣は8700人減少した。

<雇用増のすそ野縮小>

雇用増のすそ野は引き続き縮小し、雇用増を報告した業種は全体の49.6%。6月は56.0%だった。

労働市場参加者は約42万人増加したものの、家計調査に基づく雇用増は6万7000人にとどまった。

経済的な理由からパートタイムで働く人の数は34万6000人増の460万人。働く意思があるものの就職活動をあきらめた人や、フルタイムの仕事が見つからずパートタイムで働いている人などを含む、より広範な失業率は7.8%に上昇。これまで3カ月連続で7.4%にとどまっていた。

労働参加率は62.7%。6月は62.6%だった。

労働省が発表した7月の雇用統計を受け、米連邦準備理事会(FRB)が9月の次回会合で0.50%ポイントの利下げを決定するとの観測が短期金融市場で高まった。FRBはその後も利下げを継続し、年末時点の政策金利は現行水準より1%ポイント以上低くなるとの予想も出ている。

7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比11万4000人増となり、予想を下回った。失業率が約3年ぶりの高水準となる4.3%に上昇したほか、平均賃金の前年比での伸びが約3ぶりの低水準となった。

FRBはこれに先立つ7月30─31日の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定。パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、早ければ9月17─18日の次回会合で利下げを議論する可能性があると述べていた。

アネックス・ウェルス・マネジメントの主任エコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「パウエル議長が今朝分かったことを当時知っていれば、おそらく利下げを決定していただろう」とし、「インフレ鈍化を受けても金利を据え置いたことで、FRBはブレーキを踏み込みすぎた。FRBは状況がいかに急速に変化しているか、認識するのに後手に回っている」と語った。

パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェパードソン氏は「7月のFOMCでFRB金利を据え置いたのは誤りだった」とし、「9月に0.50%ポイントの利下げが決定される根拠は強い」と述べた。

雇用統計発表前は、FRBは9月に利下げに着手し、利下げ幅は0.25%ポイントになるとの見方が織り込まれていた。