米雇用、3月30.3万人増 失業率3.8%に低下 利下げ開始後ずれも https://t.co/KddJoj1EXp
— ロイター (@ReutersJapan) April 5, 2024
米労働省が5日発表した3月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比30万3000人増加し、市場予想の20万人増を大幅に上回った。賃金の上昇も続き、米経済が第1・四半期も堅調だったことが示されたことで、連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が後ずれする可能性がある。
予想レンジは15万ー25万人増だった。
2月は前回発表の27万5000人増から27万人増に小幅下方修正された。第1・四半期の雇用増は月平均27万6000人と、昨年第4・四半期の21万2000人から増加した。
時間当たり平均賃金は前月比0.3%上昇。2月は0.2%上昇だった。天候に関連した統計の歪みが後退した。前年比では4.1%上昇、2月は4.3%上昇だった。
週平均労働時間は34.4時間。2月は34.3時間だった。
失業率は3.8%で、前月の3.9%から低下した。26カ月連続で4%を下回り、1960年代後半以来の長さとなった。
<FRB利下げの緊急性薄れる>
シチズンズ・バンクのマネジング・ディレクター兼グローバル市場共同責任者のエリック・メリス氏は「経済は高金利という『新常態』に適応したようだ」とし、「今回の雇用統計はFRBが利下げを行う緊急性を高めるものではなかった」と指摘。JPモルガン(ニューヨーク)の米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏も、政策緩和の緊急性は薄れるとの見方を示し、FRBが利下げに着手するのは7月になるとし、従来見通しの6月から後ずれさせた。リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は「失業率は60年代後半以来初めて26カ月連続で4%を下回った」とし、「労働市場は極めて好調だ」と指摘。米国家経済会議(NEC)のブレイナード委員長も、米経済が拡大し続ける可能性が示唆され、極めて勇気づけられる結果だったと述べた。
<雇用増の裾野拡大>
3月は59.4%の業種で雇用が増加。雇用が特定の業種に集中しているとの懸念が一段と和らいだ。ヘルスケアが7万2000人増加し、全体をけん引。外来診療を含む病院サービスのほか、介護施設、居住型介護施設など広範に雇用が増加した。
政府は7万1000人増。地方政府と連邦政府が共に増加した。
建設は3万9000人増。過去12カ月間の月平均増加数(1万9000人)の約倍のペースで増加した。
レジャー・接客は4万9000人増。新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)前の水準を回復した。
社会支援、小売、卸売も増加。金融、鉱業、林業、運輸業、倉庫業も若干増加した。
専門・ビジネスサービスの雇用も若干増加。将来的な雇用の行方を示すとされる人材派遣業はやや減少した。製造と情報の増加はゼロだったほか、公益事業は400人減少した。
<労働参加率4カ月ぶり高水準>
労働参加率は62.7%と、2月の62.5%から上昇し、4カ月ぶり高水準。経済の雇用創出能力を測る指標とされる就業率も60.3%と、2月の60.1%から上昇し、4カ月ぶりの高水準を付けた。
3月の米雇用統計 就業者数 前月より増加 市場予想を上回るhttps://t.co/JYuvlLux7y #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) April 5, 2024
アメリカの3月の雇用統計が発表され、農業分野以外の就業者は前の月より30万3000人増加し、市場予想を上回りました。インフレの要因となってきた人手不足が依然として続いていることが示された形です。
アメリカ労働省が5日発表した3月の雇用統計によりますと、農業分野以外の就業者は前の月と比べて30万3000人増加しました。
21万人程度を見込んでいた市場の予想を上回りました。
また失業率は前の月から0.1ポイント下がって3.8%となりました。
労働者の平均時給は、前の年の同じ月と比べて4.1%、前の月と比べて0.3%それぞれ増加しました。
アメリカではインフレは鈍化傾向となっていますが、その要因となってきた人手不足が依然として続いていて、雇用が強い状況が示された形です。
FRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は、利下げを急ぐ必要はないという認識を繰り返し示しています。
市場ではこの雇用統計の発表を受けて利下げの時期が遅れるとの見方が広がりました。