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9月1日と22日に行われる3つの州の議会選挙で、移民や難民に対して排他的な主張を掲げる右派政党「ドイツのための選択肢」が初めて第1党になる勢いです。ナチスへの反省から寛容さや多様性を重視してきたドイツでは、異例の事態で、選挙の行方が注目されています。

ドイツでは、旧東ドイツのチューリンゲン州とザクセン州で1日、ブランデンブルク州で22日に州議会選挙が行われます。

公共放送ZDFが8月29日までに行った最新の世論調査では、右派の「ドイツのための選択肢」の支持率がチューリンゲン州では29%でほかに差をつけて1位、ザクセン州では1位の最大野党「キリスト教民主同盟」を3ポイント差で追っています。

また、ブランデンブルク州では複数の調査で1位となっています。

「ドイツのための選択肢」は、移民や難民に対して排他的な主張を掲げているほか、一部の政治家からはナチスを肯定するような発言やイスラム教徒への差別的な発言などが目立ち、識者やメディアからは極右だと批判されてきました。

選挙が行われるチューリンゲン州とザクセン州の党支部については、情報機関が、主張が人種差別的で民主主義を軽視しているなどとして極右団体と認定し、監視活動を行っています。

ナチスの過去から極右勢力の台頭を繰り返さない教育などに力を入れ、寛容さや多様性を重視してきたドイツでは、主要な選挙で極右だとされる政党が第1党になったことはなく、州議会選挙の行方が、国内外から注目されています。

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Alternative für Deutschland、略称:AfD〈アーエフデー〉

ドイツで旧東ドイツの2つの州の議会選挙の投票が始まりました。移民や難民に対して排他的な主張を掲げる右派政党「ドイツのための選択肢」が初めて第1党になる勢いで、選挙の行方が国内外で注目されています。

ドイツでは、旧東ドイツのチューリンゲン州とザクセン州で、日本時間の1日午後3時から州議会選挙の投票が始まりました。

公共放送ZDFが先月29日までに行った最新の世論調査では、右派の「ドイツのための選択肢」の支持率がチューリンゲン州では29%でほかに差をつけて1位、ザクセン州では1位の最大野党「キリスト教民主同盟」を3ポイント差で追っています。

選挙戦で「ドイツのための選択肢」は、移民や難民に対して排他的な主張を掲げ、主要な政党は際限なく外国人を受け入れ、国民の暮らしをないがしろにしているなどと批判し、若い世代を中心に支持を広げているとみられます。

一方で、一部の政治家からはナチスを肯定するような発言やイスラム教徒への差別的な発言などが目立ち、識者やメディアからは極右だと批判されてきました。

ナチスの過去から極右勢力の台頭を繰り返さない教育などに力を入れ、寛容さや多様性を重視してきたドイツでは、主要な選挙で極右だとされる政党が第1党になったことはなく、州議会選挙の行方が、国内外で注目されています。

右派政党「ドイツのための選択肢」とは

右派政党「ドイツのための選択肢」は、2013年に設立されました。

大きな転換点となったのが、2015年の中東のシリアなどから多くの人がヨーロッパに逃れたいわゆる難民危機で、当時のメルケル政権が100万人以上を受け入れた対応に対する国民の不満の受け皿として、旧東ドイツの州を中心に勢力を拡大してきました。

移民や難民に対して排他的な主張を掲げているほか、反EUヨーロッパ連合やロシア寄りの姿勢も目立ちます。

また、動画共有アプリTikTokなどを駆使して若者の支持も広げてきました。

ドイツはナチスの過去から国籍や人種に基づく差別的な主張や民主主義を軽視する言動には警戒感が強く、識者やメディアからは「極右」だと批判され、ドイツの各政党も協力することを拒んでいます。

このうち州議会選挙が行われるチューリンゲン州の党支部長、ビョルン・ヘッケ氏は最も過激な主張で知られ、メディアでは「党の黒幕」とも伝えられています。

ヘッケ氏は3年前の演説で法律で禁じられているナチスの「すべてをドイツのために」というスローガンを公言して有罪判決を受けたほか、2017年には首都ベルリンのホロコーストの記念碑を「恥の記念碑」と呼び、批判を浴びました。

ドイツの民主主義を守るために活動する情報機関は、ヘッケ氏が率いる党支部は、イスラム教徒への差別をあおり、民主主義を軽視しているなどとして極右と認定し、監視活動を行っています。

それでもヘッケ氏は人気が高く、選挙戦の顔として各地で集会を開き、移民や難民政策を180度転換し多くの人を国外へ送還すると訴えました。

難民などへの支援やロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナへの支援よりもドイツ国民のために予算を使うなどと主張しています。

そして、ショルツ政権の与党など主要な政党は多様性や多文化といった理念のもとに際限なく外国人を受け入れ、国民の暮らしをないがしろにしてきたと批判してきました。

ドイツでは選挙戦が佳境を迎えていた先月23日に西部ゾーリンゲンでイベントの参加者が襲われ3人が死亡し8人がけがをする事件があり、シリア人の男が逮捕されました。

ヘッケ氏は、その直後の集会で「移民はすべての危機の母だ」と述べるとともに「ゾーリンゲンの事件のように動物を惨殺するような残虐な方法で殺されることが主要政党が重んじる多様性なのか。社会の衰退、社会保障制度の破綻、ドイツのアイデンティティーの喪失につながる『多文化』化を止めなければならない」と訴えると、有権者から大きな歓声が上がっていました。

支持を広げた背景に生活苦や移民・難民の増加

「ドイツのための選択肢」が支持を広げてきた背景にあるのが、インフレなどで続く生活苦に加えて、移民や難民の増加です。

ドイツ政府によりますと、去年、難民申請をした人は35万人余りで2015年のいわゆる難民危機以降、最も多くなりました。

「ドイツのための選択肢」は、増え続ける難民の生活費などに税金があてられ、厳しい生活を送る市民がないがしろにされていると訴え、支持を呼びかけてきました。

選挙集会に参加した女性は「給料は上がらないのに物価は高くなる。それなのに外国人はあらゆる支援を受け取る。党に期待するのはドイツが再びドイツらしくあることだ。この国はドイツ人の国だ」と不満をあらわにしていました。

別の男性は「多くの人がドイツに来るのを許すべきではない。難民は税金を支払わず病院へ通えるのに私たちは自腹だ。こんなことは最悪だ」と話していました。

同じような不満を持つ若者の支持も広げているとみられ、調査会社によれば、ことし6月のヨーロッパ議会選挙では16歳から24歳までの若者で政党別の得票率は「ドイツのための選択肢」が2番目に高かったということです。

チューリンゲン州の地方で暮らすエリック・ゾンマーさん(24)もそのひとりです。

外国人が少なかった地元にも難民申請者が集団で暮らす施設ができて、暴力沙汰などのトラブルが相次ぎ不安を感じるといいます。

ゾンマーさんは政治に関心があり各党の政策や主張を比較していますが、自身が最も重視する移民や難民に関わる政策の転換を訴えるのは「ドイツのための選択肢」だけだとして支持するようになり、ことし、党の青年部にも加入しました。

ヘッケ氏の主張に共感し、何度も集会を訪れていて「彼はこの社会をむしばみ、主要な政党が目をつむり、取り組んでこなかった問題に立ち向かおうとしている」と話し、選挙戦での勝利に期待していました。

専門家「支持を伸ばす理由は有権者の不満や政治不信」

ドイツの政治などに詳しいトリーア大学のリツィ教授は「ドイツのための選択肢」が、人種差別的な思想もみられるにもかかわらず、支持を伸ばす理由として最も大きいのは有権者の不満や政治不信だと説明します。

そのひとつが移民や難民の問題だとして「多くの国民は難民が多すぎ、手厚すぎる支援を受けていると感じている。最近はテロ攻撃もあり、国民は大きな不安や脅威を感じ政府の難民政策が問題だと思っている」と話しています。

そして、これまで政権を担ってきた主要な中道政党などへの信頼が低下していると指摘し「有権者はどの党に投票すればいいのかわからなくなり、その不安が新たな政党へ向かわせている。『ドイツのための選択肢』は『あなたたちの不安はわかる。変化を起こすから私たちに一票を』と言う。訴えに深みはないが、支持を集めることには成功している」と分析しています。

リツィ教授は今回の州議会選挙で「ドイツのための選択肢」が勝利すれば、ショルツ政権は弱体化し、難民申請者への公的支援の縮小など理念に反する決断に追い込まれ求心力が低下しかねないと指摘します。

さらに「右翼のポピュリズムがヨーロッパ全土で勢いを増していることはEUの将来に影響を与える。EUが未来志向で機能していくのは難しくなるだろう」と述べ、右傾化が加速すれば、EUの結束も揺るぎかねないと懸念を示しました。

外国人労働者がドイツを敬遠” 反対運動も

ヨーロッパ最大の経済大国ドイツでは、移民や難民に対する排他的な主張を掲げる「ドイツのための選択肢」が選挙で勝てば、外国出身の労働者がドイツを敬遠するようになり、ものづくりなどに影響が及ぶとの懸念も出ています。

チューリンゲン州にある自動車部品などを製造する会社もそのひとつです。

およそ70人の従業員を抱えていますが、少子化が進む中、ドイツ人の従業員の確保は年々難しくなり、外国人の勧誘に力を入れ従業員の1割が東南アジアなどの出身者で占められています。

社長のブルーメントリットさんは「外国出身者が歓迎され、心地よく生活できることが大事だ。『ドイツのための選択肢』が勝てば、ビジネス環境は悪化するだろう」と話し、ドイツのイメージが低下し労働者の勧誘が難しくなるとの見方を示しています。

ブルーメントリットさんの会社も加盟する経済団体は、選挙にあわせて地元の空港に「ドイツのための選択肢」をボイコットするよう呼びかける異例のポスターを掲示しました。

ターミナルの通路に掲げられたポスターには「青へ向かってはいけない」と書かれ、政党カラーが青の「ドイツのための選択肢」を選ばないよう訴えています。

また、リベラルな労働組合なども反対運動を活発化させていて、先月25日、チューリンゲン州の州都エアフルトで呼びかけられた集会にはおよそ7千人が参加しました。

参加した人は「ヘッケ氏はナチスだ」などと書かれたプラカードを掲げ「一緒にファシズムに立ち向かおう」とシュプレヒコールを上げながら大通りを行進し、選挙での勢力拡大を止めようと呼びかけていました。

参加した男性は「開かれた民主的な社会の継続に一票を投じ、人種差別には絶対に反対だと示したくて参加した。『気に入らない人たちは追い出せ』という主張はおかしい。民主的な社会では皆が共存して暮らすべきだ」と話していました。

70代の女性は「両親が第2次世界大戦を体験しその影響を受けている。どんなことがあってもナチス時代の再来は許してはならない。右翼主義者が権力を手にするチャンスを与えないためあらゆることをする」と話していました。

今日のドイツ東部の地方選挙ではポピュリスト政党が躍進すると予想されており、国中に政治的な衝撃を与える可能性がある。

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