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格付け会社ムーディーズは米国の財政について、誰が次期政権に就こうと、政治的な二極化を背景に債務負担の軽減に必要な措置の交渉が困難になるため、状況は一段と悪化するとの見方を示した。

ムーディーズは24日に公表した報告書で、11月5日の大統領選挙で民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領のどちらが当選しても、米国の財政状況は弱体化する可能性が高いと指摘。

「債務返済能力の低下により財政力が徐々に弱まるため、次期政権は財政見通しの悪化に直面する」とし、「こうした傾向を抑制し、財政赤字の抑制に役立つ政策措置がなければ、米国の信用に対し、財政力の悪化が一段と大きな重しになる」とした。

米国の財政赤字は、向こう5年間は毎年、国内総生産(GDP)の7%に相当する水準になると予想。2034年までに9%に拡大する可能性があるとし、実際にそうなれば、債務の対GDP比率は34年までに130%と、23年の97%から上昇すると試算した。

その上で「財政赤字を削減し、その赤字を補うための新たな借り入れを抑制し、利払いの増加を鈍化させるための有意な政策措置がなければ、米国の財政力は大幅に弱まる」と指摘。「軌道修正のための政策措置が取られなければ、こうした債務動向は一段と持続不可能となり、(最高位の)『Aaa』格付けに矛盾する」と警告した。

ムーディーズはまた、米国の財政見通しにとって決定的な要因となるのは大統領選の結果だけでなく、11月の選挙で決まる連邦議会の構成も影響すると指摘。「分裂した状態が続き、次期政権による抜本的な財政改革は阻止されると予想している」とした。

トランプ氏は先月、米国の大統領は連邦準備理事会(FRB)の決定に発言権を持つべきとの考えを表明。ムーディーズはこれについて、金融政策決定に対する政治的影響は信用に対するマイナス要因になると指摘。米金融市場に対する投資家の信頼に影響が及ぶ可能性があるとした。

主要な格付け3社で米国債に最高位の格付けを維持しているのはムーディーズのみ。ただ、ムーディーズは23年11月、米財政赤字の高止まりと債務支払い能力の低下を理由に、米国債の格付け見通しを「ステーブル(安定的)」から「ネガティブ」に引き下げている。

バイデン米大統領は24日、米金融当局がさらに利下げするとの見通しをあらためて示した。ブルームバーグ・グローバル・ビジネス・フォーラムで語った。

トランプ氏、「政治的動き」と非難-FRBの0.5ポイント利下げ

原題:Biden Reiterates Prediction for Fed to Cut Rates Further(抜粋)

米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事は24日、インフレの主要指標はFRBが目標とする2%をなお「不快なほど」上回っているとし、慎重に利下げを進める必要があるとの考えを示した。

FRBは17─18日の会合で0.50%ポイントの利下げを決定し、4年半ぶりの政策緩和に踏み切った。ボウマン氏が0.25%ポイント利下げを主張し、反対票を投じたため、決定は11対1。政策決定に理事が反対したのは2005年以来初めてだった。

ボウマン氏はこの日の講演で、インフレ低下が進んでいることは、FRBが金融政策をリセットすべき時期が来ていることを意味しているという意見に同意すると述べた。

ただ、世界的な供給網の阻害に対するリスクのほか、積極的な財政政策などを挙げ、「インフレの上振れリスクは依然として顕著」との考えに基づき、先週の会合で「慎重な」0.25%ポイントの利下げを主張したと言及。「米経済は引き続き好調で、コアインフレ率は目標の2%を依然として不快なほど上回っている」と述べた。

「米経済がなお好調で、インフレがなお懸念されている間は、当初の利下げを小幅にとどめておきたかった」とし、「インフレの改善が引き続き停滞するリスクは否定できない」と語った。

今後発表される経済指標で労働市場の弱体化が示されれば、一段の利下げを支持する用意があるとしながらも、賃金上昇のほか、求人数が求職者数を上回っていることなどを踏まえると、労働市場は全体としてなお堅調に推移していると指摘。「労働市場完全雇用に近い状態を維持していることを踏まえると、物価安定に対するリスクの方が依然として大きいと考えている」と述べた。

その上で、一部のFRB当局者が考えているほど金融政策は制約的でない可能性があるし、急速な利下げで「相当な量の抑制された需要と手持ちの現金」が解放され、インフレが再燃する可能性もあると懸念していると語った。

米ニューヨーク連銀で連邦準備理事会(FRB)の公開市場操作(オペ)を実施する口座(SOMA=システム公開市場勘定)を運用するロベルト・ペルリ氏は24日、FRBが先週実施した大幅利下げについて、市場が景気の悪い予兆と受け取らずに適切に解釈する用意があったと述べた。

FRBは先週の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%ポイントの利下げを決定。金利先物は同幅の利下げを完全に織り込んでいなかったが、NY連銀が市場から集めた情報によると、投資家は同幅の利下げが「より中立的スタンスへの政策調整で、経済や労働市場が堅調を維持するのに資するもので、インフレにおけるさらなる進展も可能にすると、額面通り解釈する可能性が高かった」と説明した。

FRBは先週、バランスシートを圧縮する量的引き締め(QT)を進める意向も示した。
ペルリ氏は市場の情報に基づき、「金利、バランスシートの各決定に機械的な関連性はないことを市場参加者が理解している」と、何カ月も前から判明していたと語った。

米連邦準備理事会(FRB)が20日発表した分析リポートによると、長期金利が今後どのような水準で推移しても、FRBによる住宅ローン担保証券MBS)の保有残高は10年後に最大で6000億ドルに及ぶ可能性がある。FRBは債券ポートフォリオ米国債中心にすることを目標に掲げており、MBSをアウトライトで売る(売り切り)案が現実味を帯びるかもしれない。

リポートによると、今後の長期金利FRBの6月時点の見通しパスに比べて高い場合、低い場合、同じ場合のいずれでも、毎月のMBS償還時に資金を再投資しないという方法で保有残高を減らすのは難航しそうだ。FRB保有するMBS金利は極めて低いため早期償還リスクがほとんど存在せず、国債とは事情が異なるからだ。

分析リポートの筆者らによると、FRB保有MBSのほぼ全部が金利は4%未満で、現在の利回りを大幅に下回っている。つまり、債券の裏付けとなる低金利の住宅ローンを抱える住宅所有者はローンを借り換えたり、住宅を買い替えたりする可能性が低い。いわゆる「ロックイン効果」の状態にある。

筆者らは「住宅ローン金利が著しく下がったとしても、こうした動向に大きな影響を及ぼしそうにない」と書いている。

FRBは2022年以降、新型コロナウイルス危機対応の大型金融緩和で拡大したバランスシートを縮小する「量的引き締め(QT)」を実施してきた。保有国債MBSの償還後に再投資しない方法を採っており、債券保有残高はピーク時に9兆ドルに上ったが現在は7.2兆ドルにまで減った。

<容易に減らないMBS

QTは金融政策の正常化プロセスの一環だ。FRBの狙いは、短期金利を確実にコントロールすることが可能で、かつ短期金融市場が正常なボラティリティ正を取り戻すとみなされる水準まで流動性を削減すること。ただ、そのためにバランスシートをどの程度まで減らす必要があるかは依然不明だ。

また、FRB保有する債券を主に国債とする従来の方針に戻したい意向。7月時点の市場参加者の予想では、QTは来年4月に終わりそうだが、それ以降もMBSの償還資金を再投資しない措置は続けるとみられている。

FRBはまた、QTを金利調節の政策から切り離そうとしている。金利調節に関してFRBは、18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の誘導目標を50ベーシスポイント(bp)引き下げると決定し、これを皮切りに一連の利下げが実施される見通しとなっている。

QT進捗のけん引役は米国債だ。一方、MBS保有残高はピーク時の2.7兆ドルから2.3兆ドルに減ったに過ぎない。同リポートによれば、長期金利が初夏の予想通りに低下すればMBS保有残高は30年末までに1.2兆ドル、35年末までに7000億ドルに減少する。ただ、長期金利が予想より低い場合、30年の予想水準に影響はないが、35年末までに6000億ドルに減る可能性があるという。

FRB当局者はMBSのアウトライト売りの可能性について依然多くを語っていないが、そうした案は消えていない。調査会社LHマイヤーのアナリスト、デレク・タン氏はリポートを踏まえ「FRBはたとえ小規模であっても売却をより真剣に検討しようという気に駆り立てられるかもしれない」と話している。

米連邦住宅金融庁(FHFA)が24日発表した7月の米住宅価格指数(季節調整済み)は前年同月比で4.5%上昇と、上昇率が2023年6月以来の小ささとなった。

供給が改善する中で全体的な傾向は鈍化しており、住宅ローン金利の緩和と相まって住宅購入により手が届きやすくなる可能性がある。

6月は5.3%上昇と、前回発表の5.1%上昇から上方改定された。

前月比では7月は0.1%上昇。6月は横ばいだった。

FHFAの調査・統計部門の副部長アンジュ・バジャ氏は「米住宅価格は3カ月連続でほとんど変動がなかった」と指摘。「住宅ローン金利が徐々に低下し、住宅価格が比較的横ばいであることから、購入しやすさは改善する公算が大きい」と述べた。

足元の住宅ローン金利は1年半ぶりの低水準にあり、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備理事会(FRB)がフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジを0.5%ポイント引き下げ、4.75─5.00%にすることを決定したことから、さらに低下する可能性がある。

7月は、9地区全てで住宅価格が前年同月比で上昇。中部大西洋岸、東北中部、ニューイングランド、東南部で大幅に伸びた。一方、西南部中部は1.6%上昇にとどまった。

米消費者の信頼感は予想外に悪化し、9月は3年ぶりの大幅な落ち込みとなった。労働市場と経済全般の先行きが懸念されている。

キーポイント
米民間調査機関のコンファレンスボードが発表した9月の消費者信頼感指数は98.7に低下
全てのエコノミスト予想を下回る
予想中央値は104.0
6.9ポイントの低下は2021年8月以来の大幅
前月は105.6(速報値103.3)に上方修正

  今後6カ月の期待指数は81.7に低下。現況指数は124.3に下がった。

上段:消費者信頼感指数、下段:雇用「豊富」と仕事「見つけにくい」の回答差出所:コンファレンスボード

  労働市場はこのところ減速し、長期化する生活費高騰と相まって消費者心理を圧迫。信頼感指数は新型コロナ禍前の水準を大きく下回ったままだ。しかし先週の利下げを起点に一連の利下げが予想されており、すでに住宅ローン金利など借り入れコストの低下につながっている。今後のセンチメントが押し上げられる可能性はある。

  コンファレンスボードのチーフエコノミスト、ダナ・ピーターソン氏は「指数の主要部分が全般的に低下したのは労働市場への不安と、就労時間の減少や雇用者数の伸び悩み、求人の減少に対する見方を反映している可能性が高い。労働市場は依然としてかなり健全で、失業率は低く、レイオフも少なく、賃金は高い。そういった状況と相いれない」と発表文で述べた。

  雇用が「豊富にある」との回答比率は30.9%と、2021年3月以来の低水準。08年以来の長期局面となる7カ月連続で低下した。仕事を「見つけにくい」との回答比率は18.3%に上昇。21年2月以来の高水準だった。

  この差は8カ月連続で縮小し、08年の金融危機に伴うリセッション(景気後退)後では最長記録。エコノミスト労働市場の強さを測る指標としてこの差に注目している。

  向こう1年でリセッションに陥る可能性は低いと消費者はみているものの、すでに景気が低迷していると考えている回答者の比率は「小幅に上昇した」とピーターソン氏は指摘する。家計に対する見方は現在も将来も依然ポジティブではあるが、明るさは薄れたという。

  今後1年に政策金利が引き下げられると予想する回答者は、全体のおよそ3分の1。20年4月以来の高い比率だった。記述式の回答でも、景況感への影響という説明で金利への言及が増えた。

  サービス業界に関する新たな設問では、消費者は旅行や外食への関心を失っていないことが示された。住宅や自動車、大型家電の購入計画については、強弱混在の回答だった。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Consumer Confidence Falls Most in Three Years on Labor Views(抜粋)

コンファレンス・ボード(CB)が24日に発表した9月の米消費者信頼感指数は98.7と、前月の105.6から低下した。低下幅は2021年8月以来最大。労働市場の健全性に対する懸念が高まる中、予想外に低下した。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は104.0。8月は当初発表の103.3から上方改定された。

ネイションワイドのシニアエコノミスト、ベン・エアーズ氏は「消費者信頼感指数の急低下は、労働市場の弱体化に伴い、多くの世帯への圧力が高まっていることを示唆している」と指摘。連邦準備理事会(FRB)が今後1年間、比較的積極的な金融緩和サイクルを継続すれば、「経済状況に対する消費者の楽観的な見方が強まり、景気のハードランディング(硬着陸)を防ぐことができるだろう」と述べた。

年齢層で見ると、信頼感は35─54歳で最も低下した。

所得層別では、大半の所得層で低下。年収5万ドル未満の所得層で最も低下した。現在の景況感を示す現況指数は10.3ポイント低下して124.3となった。

所得や労働環境の短期的な見通しを示す期待指数は4.6ポイント低下の81.7となった。期待指数は80を下回ると景気後退(リセッション)リスクが高まっていると示唆される。

CBのチーフエコノミスト、ダナ・ピーターソン氏は、労働市場に対する懸念を反映し、全般的に悪化したとの見方を示した。

9月は、仕事が「豊富にある」とみる消費者の割合は30.9%と、21年3月以来の低水準となった。前月は32.7%だった。一方、仕事が「得にくい」とみる消費者は18.3%と、16.8%から増加した。

職が「十分」と「就職困難」の回答から算出する労働市場格差に関する指数は12.6。8月は15.9だった。

消費者の1年先のインフレ期待は5.2%と、前月の5.0%から若干上がった。

ブリーン・キャピタルのシニアエコノミックアドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「インフレ期待が引き続き上昇し、労働市場が軟化し続ければ、FRBは金融政策を適切に再調整しにくくなるだろう」と述べた。

今後6カ月間に住宅購入を計画している消費者の割合は、前月の4.8%から5.7%に上昇し、2023年8月以来の高水準となった。足元の住宅ローン金利は1年半ぶりの低水準にあり、住宅価格のインフレが緩和したことを反映している。

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