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イスラエルは、ロケット弾や無人機、迫撃砲わずかなコストで迎撃できる新しいレーザーシステムを導入する。製造プロセスを加速させており、来年に運用可能になる見通しだ。

  このシステムは「アイアンビーム」と呼ばれ、イスラエルが持つ既存の防空システムを補完する役割を担う。アイアンビームは、飛来してきた物体をミサイルで撃ち落とすのではなく、高エネルギーレーザーでの加熱により物体を無力化するよう設計されている。

  アイアンビームと、イスラエルの防空システムで最も有名な「アイアンドーム」の両方の製造元であるラファエル・アドバンスト・ディフェンス・システムズによると、アイアンビームの有効射程範囲は数百メートルから数キロメートルで、アイアンドームを補完する。イスラエルの軍事用電子機器メーカー、エルビット・システムズは、国防省から約2億ドル(約306億円)規模のアイアンビームレーザー供給契約を受注したと明らかにした。

  業界筋の情報によれば、アイアンドームを利用して飛翔体を撃ち落とす場合のコストが約6万ドルなのに対し、アイアンビームではわずか5ドル。またアイアンビームは、迎撃された物体の破片が被害をもたらす危険性も排除する。

  イスラエル国防省は28日、アイアンビーム製造への20億シェケル(約822億円)の投資を発表した際、製造ペースを加速させており、今から1年後に運用を開始する予定だと説明した。

原題:Israel Readies New Laser Defense Against More Rocket Attacks(抜粋)

] - イスラエルの議会は28日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の国内での活動を禁止する法案を賛成多数で可決した。これを受け、イスラエルを支援する西側諸国からもパレスチナ自治区ガザの深刻な人道状況がさらに悪化すると懸念が高まっている。

イスラエルのネタニヤフ首相は、議会での投票後にソーシャルメディアを通じてイスラエルに対するテロ活動に関与したUNRWA職員は責任を問われなければならない。人道的危機を回避することも不可欠なため、現在も将来もガザでの人道支援が可能であり続けなければならない」との声明を出した。

法案を起草した議員らは、2023年10月7日のイスラエル南部への攻撃にUNRWAの職員の一部が関与したことや、イスラム組織ハマスや他の武装集団のメンバーとなっている職員がいたことを理由に挙げた。

UNRWAは数万人を雇用し、ガザやヨルダン川西岸、ヨルダン、レバノン、シリアで暮らす数百万人のパレスチナ人に教育や保健サービスを提供し、物資援助をしている。

国連は今年8月、昨年10月のイスラエル攻撃に関与した可能性があるUNRWAの職員9人を解雇したと発表。他にもハマス司令官などが職員だったことが判明している。

UNRWAのラザリーニ事務局長は、今回の法案可決は国連憲章に反し、国際法に違反していると非難し、「UNRWAの信用を失墜させ、パレスチナ難民への人材開発支援とサービスを提供するその役割を非合法化するキャンペーンだ」とXに投稿した。

また、イスラエル軍は同日、ガザ北部のカマル・アドワン病院に突入し、イスラム組織ハマスの戦闘員とみられる約100人を拘束したと発表。ガザ地区の保健省によると、この日の空爆と砲撃で少なくとも19人が死亡したという。

パレスチナの緊急当局によると、イスラエル軍戦車部隊が同日、ガザ北部の2つの町と難民キャンプに侵入し、民間人約10万人が退避できない状況にあるという。

<停戦交渉>

米国、エジプト、カタールが主導する停戦交渉は27日に再開した。仲介国エジプトは2日間の停戦を提案。この間にハマスが拘束しているイスラエル人の人質4人とイスラエルが拘束するパレスチナ囚人の一部を交換するという。

エジプトのシシ大統領は27日、一時的な停戦実施から10日以内に恒久的な停戦に向けた協議が再開される見通しだと述べた。

一方、イスラエル軍は親イラン武装組織ヒズボラへの作戦を進めるレバノンで28日、南部ティールの広範な地区に退避命令を出した。すでに退避命令が出ている地区に加え、報道陣が宿泊することの多いホテルに近い地区なども対象となった。

また、ネタニヤフ首相は同日、ハマスヒズボラとの戦争が終結すれば、さらに多くのアラブ諸国と和平協定を結ぶことを望んでいると述べた。

議会演説で、ハマスガザ地区を支配しなくなり、ヒズボラが北の国境から撤退する日に向け、「われわれはこの2つの戦線を安定させる計画に取り組んでいる」と述べた。

イスラエル議会は28日、ガザ地区などでパレスチナ難民の支援にあたるUNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関の、イスラエル国内での活動を禁止する法案を可決しました。
支援にはイスラエル側との調整が欠かせないため、活動に大きな影響が出ることも懸念されています。

イスラエルの議会は28日、パレスチナガザ地区ヨルダン川西岸などでパレスチナ難民の支援にあたるUNRWAイスラエル国内での活動を禁止する法案を賛成多数で可決しました。

イスラエルUNRWAの一部の職員が去年10月のハマスによる奇襲攻撃に関与していたと主張し、国連はこのうち9人が「攻撃に関与した可能性がある」として雇用を打ち切りました。

その後もイスラエルUNRWAハマスとのつながりをたびたび指摘し、組織を解体して役割をほかの国連機関に移すべきだと主張していました。

UNRWAは戦闘が続くガザ地区ヨルダン川西岸などで人道支援物資の配布や医療サービスの提供といった役割を果たしていて、支援にはイスラエル側との調整が欠かせないため、活動に大きな影響が出ることが懸念されています。

日本やカナダなど7か国は法案が審議される中、27日、「支援の提供が著しく妨げられ、特にガザ地区北部では人道状況に壊滅的な影響を及ぼす」として深刻な懸念を表明していました。

イスラエル首相府は声明を出し、「法律が施行されるまでの90日間で、イスラエルの安全保障を脅かさない形でガザ地区への人道支援を続けられるよう国際的なパートナーと連携していく」としています。

UNRWA「ガザの人々の苦しみ さらに深める」

UNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関は、イスラエルの議会がイスラエル国内での活動を禁止する法案を賛成多数で可決したことについて、「国連憲章国際法に違反した前代未聞の危険な事例だ。UNRWAの信頼を失墜させパレスチナ難民を支援するその役割の正当性を失わせようとするものだ」と非難しています。

その上で、「この1年、地獄のような厳しい状況に置かれてきたガザの人々の苦しみをさらに深めるだけだ。65万人以上の子どもたちが教育の機会を奪われるだろう」としています。

一方で、「UNRWAの活動に終止符が打たれてもパレスチナ難民にとって公平で持続的な解決策が見いだせるまでは国連総会の決議によって守られている」と強調しました。

国連 グテーレス事務総長「深く憂慮する」

イスラエル議会が、UNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関イスラエル国内での活動を禁止する法案を可決したことについて、国連のグテーレス事務総長は28日、「深く憂慮する」とする声明を発表しました。

声明では「法律の施行は、イスラエルパレスチナの紛争の解決や、地域の平和と安全にとって有害であり、UNRWAは不可欠だ」と強調したうえで、イスラエル政府に対し「国連憲章国際法のもとでの義務に従うよう求める。国内法はこれらの義務を変更することはできない」として、法律を施行しないよう強く求めています。

また「この問題について国連総会の注意を喚起し、状況の進展に応じて逐次報告を行う」として、国連総会での議論を求める考えを示しました。

国務省のミラー報道官は28日、パレスチナ自治区ガザ北部ジャバリアで人道支援が必要な人に届いていないとし、受け入れられない状況との見方を示した。

「ジャバリアの人々に必要な食料や水、医薬品が届いていない」とし、「状況が変わることを望む」と述べた。

パレスチナの緊急当局によると、ジャバリア、ベイトラヒヤ、ベイトハヌーンでは約10万人が医療や食料供給を受けられずに孤立している。3週間にわたるイスラエル軍のガザ北部攻撃で緊急サービスの活動が停止しているという。

ミラー氏はガザ北部を包囲したり、民間人を飢餓に陥れたり、ガザ全体から北部を切り離したりするようないかなる試みも明確に拒否すると断じた。

ブリンケン米国務長官は ガザ北部から避難するよう民間人に指示した上で、同地域を閉鎖された軍事区域に指定するという、退役したイスラエル軍司令官らが提案した計画について、イスラエルとの協議で問題提起した。ミラー氏によると、イスラエルはそうした計画は実施していないと述べたという。

ただ、米当局者によると、ブリンケン氏は米国がガザの人道状況改善に向けた措置を30日以内に講じるよう求めた先の書簡で示した条件をイスラエルが全て満たすには至っていないと警告したという。

イスラエルのネタニヤフ首相は28日、イスラム組織ハマスと親イラン武装組織ヒズボラとの戦争が終結すれば、さらに多くのアラブ諸国と和平協定を結ぶことを望んでいるとの考えを示した。

議会演説でネタニヤフ氏は、ハマスガザ地区を支配しなくなり、ヒズボラが北の国境から撤退する日に向け、「われわれはこの2つの戦線を安定させる計画に取り組んでいる」と言明。さらに自身が数年前に主導したアブラハム合意のプロセスを継続し、より多くのアラブ諸国との和平を実現することを目指す」との考えも示した。

イスラエルは、米国の仲介によりアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、モロッコスーダンの4カ国と国交正常化で合意。それ以降、米国の支援を得て、サウジアラビアをはじめとする他の国々との正常化を目指している。

一方、サウジの実権を握るムハンマド皇太子は9月、パレスチナ国家が樹立されない限り、サウジが「イスラエルと国交を樹立することはない」と明言している。

米中央情報局(CIA)のバーンズ長官はパレスチナ自治区ガザを巡る協議で、28日間の停戦を実施し、イスラム組織ハマスが拘束する人質約8人とイスラエルが拘束するパレスチナ囚人数十人を解放する案を示した。ニュースサイトのアクシオスがイスラエル政府当局者3人の話として28日に報じた。

バーンズ長官はイスラエルカタールの当局者との27日の会談で、この案を協議したという。

再開されたイスラエルイスラム組織ハマスの間の停戦に向けた協議について、ハマス側は、完全な停戦とイスラエル軍の撤退を求める従来の姿勢を変えていないと伝えられていて、協議は依然として難航することが予想されます。

イスラエルイスラム組織ハマスの間の停戦と人質解放に向けた協議は27日から再開され、まず2日間停戦し、人質4人を解放したあと恒久的な停戦について話し合うという、仲介国エジプトの提案を含むさまざまな案が検討されていると見られます。

これについてハマスの幹部は28日、サウジアラビアのメディアに対しエジプトの案を受け入れる用意があるとしつつも、そのためにも、その後の完全な停戦とイスラエル軍の撤退について保証されなければならないと述べたと伝えられています。

一方で、イスラエルメディアはイスラエル当局者の話として、「完全な停戦には応じないだろう」と伝えていて、双方とも従来の立場を変えておらず、協議は依然として難航することが予想されます。

こうした中でもイスラエル軍は28日、ハマスの戦闘員が立てこもっているとして、ガザ地区北部のジャバリアの病院に突入し、戦闘員100人を拘束したと発表するなど、集中的な軍事作戦を続けていて、ハマスへの圧力を強めています。

国連安全保障理事会は28日、イスラエルが26日に実施したイランへの報復攻撃を協議する緊急会合を開催した。米国はイランがイスラエルや中東の駐留米軍に対しさらなる攻撃的な行動を取れば「深刻な結果」を招くと警告した。

トーマスグリーンフィールド米国連大使は「われわれは自衛のための行動をためらわない」と強調。「米国はさらなる緊張激化を望んでいない。イスラエルとイランが直接戦火を交えるのはこれで終わりにすべきだと考える」と述べた。

イランのイラバニ国連大使米国がイスラエルへの軍事支援を通じて「加担」したと非難。「イランは一貫して外交を支持してきた」としつつ、主権国家として、この敵対的行動に対し自らが選択する時期に対応する固有の権利を留保している」と主張した。

イスラエルのダノン国連大使はイランへの攻撃が「抑制的かつ適切」だったとした上で、戦争は望まないものの「さらなる攻撃には迅速かつ断固とした結果がもたらされる」とけん制した。

イスラエル軍が26日にイラン国内を空爆したことを受けて、国連の安全保障理事会では緊急会合が開かれ、イランはイスラエルを強く非難しました。
一方、アメリカとイスラエルはイランに対し、反撃に出ないようけん制しました。

イスラエル軍は、イランによる大規模なミサイル攻撃への対抗措置として、26日、イラン国内の複数の地域を空爆し、ミサイルの製造施設などを破壊したと発表しました。

国連の安保理では28日、イランの要請で緊急会合が開かれ、イランのイラバニ国連大使は「イスラエルによる攻撃は国際法国連憲章、それに、主権と領土保全の原則に反する」と強く非難しました。

そのうえで「責任はイスラエルとこれを可能にさせた者たち、特にアメリカにある」と述べ、イスラエルに兵器を供給しているアメリカも批判しました。

これに対し、アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は「アメリカは今回の軍事作戦に参加しておらず、むしろイスラエルに対して標的を絞った作戦にするよう促した」としたうえで、「イスラエルや、アメリカの人員に対してさらなる攻撃があれば、厳しい結果が待ち受けることになる」とくぎを刺しました。

またイスラエルのダノン国連大使も「イスラエルは自制を示した。これ以上の攻撃に対しては迅速かつ断固たる措置がとられるだろう」と述べ、イスラエルによる空爆は自制的だったと主張するとともにイランが反撃に出ないようけん制しました。

イスラエルのガラント国防相は28日、週末にイスラエルが実施した空爆によりイランは将来的に不利な状況に陥る可能性があると述べた。

同相は空軍司令官らとの会談で「イランのレーダーと防空システムに対して正確な攻撃を実施した。これは後に攻撃を仕掛ける際に敵に大きな不利をもたらす」と述べ、その戦績を称えた。

イランの生産能力にもダメージを与え、それが勢力バランスを変えたとも指摘。攻撃力と防御力の両方が弱体化したという。

イスラエル軍は26日、イランの複数地域にある軍事標的に対する「的を絞った」攻撃を実施。イラン当局は「限定的な損害」が出たと発表した。

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イエメンの親イラン武装組織フーシ派は28日、紅海とアラビア海で3隻の船舶を標的にしたと発表した。攻撃はイスラエルに対する海上封鎖強化の一環だという。

フーシ派のヤフヤ・サレア報道官はテレビ演説で、船舶がイスラエルに向かう港に接近しようとしたため標的にしたと述べた。

LSEGの最新データによると、標的となった3隻は全てリベリア船籍だった。フーシ派が「モタロ」と特定した船舶はエジプトのスエズ運河から中国上海に向かう途中、紅海のイエメン西岸沖で最後に目撃された。

別の船舶「SCモントリオール」はセイシェルのビクトリア港からオマーンのサラーラへ航行中にアラビア海で攻撃を受けたと伝えられている。

LSEGによると、3隻目の「マースク・カオルーン」号はサラーラから出港し、インド洋西部を航行していた。

フーシ派は、イスラエルパレスチナ自治区ガザとレバノンへの攻撃を停止するまで、こうした行動を継続するとしている。

#パレスチナガザ地区ハマス大規模攻撃「アルアクサの洪水」・384日目②)

パレスチナ自治区ガザ北部のベイトラヒヤで29日、居住用ビルがイスラエルの攻撃を受け、少なくともパレスチナ人93人が死亡、負傷者も多数でている。ガザ保健当局が明らかにした。

医療関係者によると、死者には20人の子どもが含まれている。

今のところイスラエルはコメントを出していない。同国軍はこれまで、ハマス側が発表する死者数は誇張されている疑問を示している。

ロイターが入手した動画には、爆撃を受けた4階建ての建物前の地面で数人の遺体が毛布に包まれているのが映っている。近隣住民が救助に駆けつけ、さらに多くの遺体と生存者が残骸の下から回収されたり、救出されたりしていた。

遺体収容を手伝っていた目撃者のイスマイル・ウアイダ氏は動画の中で「この家には何十人もの避難民が住んでいた。この家は事前の警告なしに爆撃された。見ての通り、殉教者があちこちにいて、体の一部が壁にぶら下がっている」と語った。

保健当局は29日、医師が近くの病院からの避難を余儀なくされたため、負傷者は治療を受けることができないと表明した。

ガザの救急当局は、3週間にわたるイスラエルによるガザ北部への攻撃のため、業務を停止していると述べた。

パレスチナ自治区ガザ北部のベイトラヒヤで29日、居住用ビルがイスラエルの攻撃を受け、少なくともパレスチナ人93人が死亡、負傷者も多数でている。ガザ保健当局が明らかにした。

医療関係者によると、死者には20人の子どもが含まれている。

今のところイスラエルはコメントを出していない。同国軍はこれまで、ハマス側が発表する死者数は誇張されている疑問を示している。

ロイターが入手した動画には、爆撃を受けた4階建ての建物前の地面で数人の遺体が毛布に包まれているのが映っている。近隣住民が救助に駆けつけ、さらに多くの遺体と生存者が残骸の下から回収されたり、救出されたりしていた。

遺体収容を手伝っていた目撃者のイスマイル・ウアイダ氏は動画の中で「この家には何十人もの避難民が住んでいた。この家は事前の警告なしに爆撃された。見ての通り、殉教者があちこちにいて、体の一部が壁にぶら下がっている」と語った。

保健当局は29日、医師が近くの病院からの避難を余儀なくされたため、負傷者は治療を受けることができないと表明した。

ガザの救急当局は、3週間にわたるイスラエルによるガザ北部への攻撃のため、業務を停止していると述べた。

レバノン当局者が29日明らかにしたところによると、東部ベカー高原の複数の町をイスラエル軍が夜間に攻撃し、67人が死亡、120人以上が負傷した。

この地域の1日の死者数としては、約1年前に紛争が始まって以来最悪となった。

29日午前の段階でも、がれきに埋もれた遺体の収容作業が続いており、死者数はさらに増える見通しという。

イスラエルは1カ月前からレバノン各地への空爆を強化。武装組織ヒズボラが標的だと説明しているが、レバノン当局者、人権団体、地元住民によると、攻撃は無差別に行われている。

攻撃を受けた町に退避命令は出ていなかった。犠牲者には女性や子供が含まれているという。

ベカー高原はヒズボラの拠点となっている。

イスラエル軍は、パレスチナガザ地区や隣国のレバノンに激しい攻撃を行っていて、29日朝にかけての攻撃では、合わせて120人以上が死亡したとされています。停戦に向けた協議に進展が見られない中で、市民の犠牲に歯止めがかからない状況が続いています。

イスラエル軍は、ガザ地区北部でイスラム組織ハマスの戦闘員を掃討するための集中的な軍事作戦を続ける一方、隣国レバノンイスラムシーア派組織、ヒズボラの拠点などにも連日、激しい空爆を加えています。

パレスチナのメディアは、ガザ地区北部のベイトラヒヤで29日の明け方、およそ150人が避難していた5階建ての建物が爆撃されて倒壊し、これまでに少なくとも62人が死亡し、いまも多くの人ががれきの下敷きになっていると伝えています。

また、レバノンの保健省は、28日夜に行われたイスラエル軍による空爆で、東部バールベックの市街地などが破壊され、女性や子どもを含む少なくとも60人が死亡したと発表しました。

去年10月以降これまでにガザ地区では保健当局の発表で4万3000人を超える死者が出ているほか、レバノンの保健省もこれまでに2710人が死亡したと発表していて、市民の犠牲に歯止めがかからない状況が続いています。

ガザ地区での停戦と人質の解放をめぐる協議が、27日に仲介国のカタールで再開されたものの、イスラエルハマスの双方とも譲歩の姿勢は示しておらず、事態打開の糸口は依然として見えていません。

ヒズボラ “ナイム・カセム師を新たな最高指導者に”

イスラエル軍と戦闘を続けるレバノンイスラムシーア派組織ヒズボラは29日、これまでナンバー2だったナイム・カセム師を新たな最高指導者に決定したと発表しました。

イスラエル軍は9月、レバノンの首都ベイルート近郊にあるヒズボラの本部への空爆で当時の最高指導者だったナスララ師を殺害していました。

ヒズボラは声明で「勝利が達成されるまで抵抗の旗を掲げ続ける」として、イスラエルに対する攻撃を続ける姿勢を示しています。

レバノンの親イラン武装組織ヒズボラは29日、新しい最高指導者にカセム師(71)を選出したと発表した。

イスラエルのガラント国防相はこれに対しXにカセム師の写真を添えて「臨時の任命だ。長くは続かない」と投稿した。

セム師は1991年にヒズボラのナンバー2に選出された。外国メディアとのインタビューに応じるなど、ヒズボラスポークスマンとしての役割も果たしてきた。ただナスララ師のようなカリスマ性や威厳は持ち合わせていないという声がある。

セム師はナスララ師の殺害後、3回のテレビ演説を行ったが、10月8日の演説ではレバノンの停戦合意に向けた取り組みを支持すると述べた。

イスラエル政府もXのアラビア語アカウントで「彼(カセム師)が前任者のハッサン・ナスララや(ナスララ師の後継候補で10月に死亡した)ハシェム・サフィエディンの足跡をたどるならば、彼の在任期間はこのテロ組織の歴史上最短になる可能性がある」と投稿。ヒズボラを壊滅させる以外に解決策はないとした。

ナスララ師は9月27日にイスラエル軍空爆で死亡。後継者として最有力視されていたサフィエディン師も1週間後にイスラエルの攻撃を受けて死亡した。

#パレスチナガザ地区ハマス大規模攻撃「アルアクサの洪水」・385日目①)